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ヤズマットのバスマット

1週間ぶりに定時退社できてうれしかったです。

明日はなんの予定もない休日だから、今日は適当に短い日記を書いて寝ようかな。

最近、元無職からしたら想像を絶するくらい仕事をしていて、好きな時に食って好きな時に寝ていた時が今では夢のように思える。とはいえそれは全部どちらかといえば悪夢で、その頃に戻りたいとは全然思わない。

たとえばネットでどうでもいいニュースを眺めて、成功者の自伝を読んで、スプラトゥーンでクアッドホッパーを使って、投資をしてるわけでもないのに日経平均とダウ平均を気にして、なんの役にも立たない哲学に身をやつして、生まれたくて生まれたわけじゃないからという言い訳を盾にして、最低限コントロールできるはずの最初と最後以外の人生を生きようともせずただ心臓が動いてるだけの頃を懐かしもうなんて思わない。

ただ、時折病的に変な時間に起きて、サラリーマンが、学生が、ジャージを着た部活生が、ゴミを捨てに行くおばさんが、ねじ巻き式の兵隊のように見えたことは懐かしい。なぜなら、その隊列に私も並んでいるからだ。今は見えやしないその倒錯的な舞台上の観点を投げ捨てられはしない。烙印(スティグマ)のようなその感覚は脊髄に焼きついているからだ。

最近、飲酒量が増えた。時々体調が悪く感じたら1週間くらい断酒をして、健康に生きている感覚に酔いしれて、別に酒を絶っても気圧の乱高下のせいで精神も内臓も悪いからまた酒を飲む。もう数年前のようにめちゃくちゃに酒を飲んで好きな音楽を聴いて号泣してプツリと糸が切れるように眠る、そんなようなことはしないけど、行くあてもないのに降りた夜に震えてしまうから少しく酒を飲んでしまう。でもみんなそうでしょう?社会の歯車を回すためのオイルは確かに酩酊と名づけられている。それがアルコールくらいならまだ健全なのかも。

最近、喫煙量が増えた。もともと一人暮らしをしてから吸い始めて、時々横須賀まで葉巻を買いに行って生意気にもスコッチやラムを楽しみながらパイプを吸ったりしていた。火種が椅子に落ちて萌えたのでパイプはやめた。葉巻は1本数千円するやつしか受け付けないのでたまにしか吸わない。時間があれば手巻きしたタバコを吸うけど時間がないから紙巻きタバコを吸う。ハーベストかブラックストーンをイオンに入っているタバコ屋で買う。現金のみの決済でおばさんがやってる。だいたいシャグ(パイプに使うタバコ葉)か使い捨てライターをオマケしてくれる。余ってるんだろう。

なにより、このnoteに投下する記事が増えた。もともとそれはなにか短編めいていたり、小説的な、あまりに小説的な叙情性がなくてはならないと思っていたけど、今は実体験がそれなりに文字にしたためるに値すると感じているので日記のような形でかなりの頻度で投稿している。実際仕事中はかなり面白いことがたくさんあるけど、家の鍵を差して開けたと同時に多くを忘れてしまう。その忘れたことは職場で誰かしらに話してるのでそれはそれでいいのかも。

話し相手がいたとして、なにもかもさらけだして全てを垣間見せるほどのことではないから、独り言を呟かずにチラシの裏かノートの端っこに書き連ねるみたいにこのnoteを利用している気がする。

もともとダダイズムとか、カオス理論とか、前衛的な芸術が、無意識の探求が好きだから、ブルトンの自動書記とかそういうものにかなり強く依存している。つまりそういう表現方法にかなり体重を預けていて、それでもいいと言われるならそれでもいいのかなと思っている。本当は本当にシラフで語るべき言葉にこそ実存的な、個人的で尊い主語があるんだけど、そういうふうに訓練されてないからあまり上手くいかない。内面が多すぎる。吐き出すには億劫なほど。どれだけの部分がどれだけの人に受け入れられるかがわからない。私にはそれが他人から提示されていてもきっと聞こえないふりをする。だから誰もこんな愛にまつわる讚美歌も聞こえはしないだろう。

好きなことは山ほどあって、それでも好きなことを誰かに話す言葉を持たないから、あるいは、好きなことを話す相手を持たないから、好きであることを隠して好きな全てを好きではないかのように、好きなことを大切に抱きしめるように、好きな細胞と神経と脊髄と微小管とその光に誘われる光子の観測上における反応と、好きな音楽、好きな小説、好きな人、好きなこと、好きな道、好きなバイク、好きな言葉、好きな作家、好きな絵画、好きなインフルエンサー、好きな外国語、好きな時代、好きな海岸、好きな薬、好きな食べ物、好きな天気、好きな喫茶店、好きなトンネル、好きな夜、好きな誰かの「この前……」、好きな80年代洋楽のギターリフ、好きな詩吟、好きな落語、好きなスピーカー、好きな論文、好きな歌謡曲、好きな濡れた路面の反射、好きな驟雨、好きなマイナーコード、好きな生地の革ジャン、好きな好きであるということについてのきわめて哲学的な分析、好きな好きであるということ、好きな野良猫の唸り声、好きな壜と罐の擦れる音、好きだった音楽が時間を経てもっと好きになったそんな音楽、好きな音楽にまるで酩酊するかのように没頭する、好きであるということの内包するやましさ、好きであればいいのかという猜疑心、好きであるならそれは私の唾棄してきた宗教性を孕んでいる、だから私の好きな物が私は嫌いだ。それらとそれは同じくらい好きだけど。

適当に音楽を流していたら銀杏BOYZのBaby Babyが流れてきて危なかった。歌詞がよすぎる。歌がよすぎる。

新人が4人入って、1人がやめて、2人が愚鈍なおじさんで、残りの1人は若いけど腰まで髪があってやかましいくらいに独り言がうるさいので苦手だ。彼は最初に教えられたエリアで1時間に10個配達できるとうそぶいていた。おれはそこで1時間に20個は配達できる。それは言わないでおいた。彼はまだ若く、若さを燃やしてトルクを稼いでぐんぐん前に進む力を持っているからだ。私にはないその推進力で、この職場の鬱蒼とした陰鬱を祓ってくれればいい。ただ、髪は切った方がいいと思う。笑い飯じゃないんだから。

30のじじいなので、20歳くらいの人と話す言葉がまるで訛りまくってるみたいに噛み合わない。頑張ればどうにでもなるけど、頑張りたいと思わない。おじさんが歌謡曲についてあれこれ話すみたいに、それを聞かされてるように全部うんざりしてしまう。

それはそれとしても時代の流れが加速度的に上昇してるなと思う。インターネットが、再生する速度をコントロールして、コンテンツを咀嚼する時間が早まって、むしろ咀嚼されたコンテンツを飲み込めるくらいになっているからこそ、その速度についていけない。いや、いけているとしてもTikTokとか流行りのことがらについて左目で睨みつけて背後から中指を立ててしまっている。そんなものはクソで、本当のものは君たちの過去にあったんだよと言いたくなる。そんなことを耳障りでいたから彼らもそんなことは耳障りに感じるだろう。聞こえない周波数は聞こえないし、見えない色彩はナントカ型色覚では見えない。そんなものだ。ないものはない、コンテンツの豪雨の中では。

キリンジのエイリアンズが流れてきた。コード進行も歌詞も確かに夜を定義していて、その降りそそぐとばりについて明るく払暁のような閃光的な瞬間の暖かさを抱いている。前、恋人に会いに行く時聴いていたからそのメロディ、リフ、リリックは自傷するように肌に脳に染み渡る。それが音楽を聴くということだ。

今宵は素晴らしい。夜が私のために降りていて、あるいはそう感じられるからだ。新世界のようだろう?

窓を開けていると春の風が私のなにもかもをさらっていってしまう気がする。大事なものは抱きしめているから、不必要なことはつぶてのように吹きすさんでいってかまわない。それでも忘れてしまいたくはない、全て。

Luna SeaのI for you、かなりいい。カラオケに誰かを誘ったら必ず歌う。泣かせられたら御の字、そうでもないなら脈ナシ。その感覚が接続する時に散る火花が一瞬の永遠を孕む。時代に対して垂直に。

熱唱してたら窓空いてた。無理。知ってる?これAメロっつうんだよ。

なんだろう、まっさらに生まれ変わってもらっていいですか?

昔好きだった音楽がたくさん流れてくる。昔とはいつ頃か。全ての垣根で全ての宇宙で、全ての否定で、全ての苦味で、全てのフェキソフェナジンで、全てのラブソングで、全てのけたたましいメタルサウンドで、全ての聖夜の鎖で、全てに訪れる夜のとばりで、全てが公園で目を覚ます歌声で、全てが全てのために全てを歌う全ての全て、夜の名のもとに白紙に墨汁が染みていく夜、夜が夜のために夜の名を与えて夜が夜の名のもとに夜を嘔吐する夜に、月光が僅かな明かりを頼りにその身に降りそそぐ雲の曖昧な陰影を確かにする夜に、4コマで刻まれた使徒、グリッド線で踊る思い違いと誰かのために僕のためにと水晶の瀉血した言葉とどうしようもないというどうしようもない言葉と退去したワンルームで誰かがキッチンを汚しながら生きているはずだという確信と120円くらいで買える缶コーヒーといくらあればこの駅から帰れるかという打算と52ヘルツを奏でるクジラたちと全ての「さよなら」に抵抗する吸血鬼とどうして愛はこうにも脆くどうして愛のために生きる以外の手建てがないのか、命という星が願いという名を受けて呪いの名のもとに落ちていくから、もうどうしようもない夜は君を思い出すくらいしかできることがない、いっそガードレールに突っ込んで死んでしまえばいいのに、僕らはなんと名付けられたか知らないけど愛の名のもと生まれたはずなのに、手首にカミソリを、首元にロープを、どろどろと赤黒い血を流してしか愛を語れない、こんな前後不覚こそ私だ、なぜアルコールで、ドラッグで、市販薬の過剰摂取でしか私は現れないんだろう、ペルソナ、仮面が私を形作る、カテドラル、カタコンベ、腰からはみ出したワイシャツのシワ、そんな未来もあったのかもしれない、私が健康であったならば。

優しい歌声が聞こえる。

優しさと銘打たれた脅迫的な道徳性と聞き覚えのない銘柄のトゥアイスアップ、水、チョイスの適当なシャグで作った紙巻きタバコと水、水、みんな死んでしまえばいいのに、水、おれは死ぬべきだから、残るのはきっとこの右腕だ、右腕、右腕、水、手にしたいという欲望の体現と右腕と水となにか罪状の元に処刑された町娘の頏、首、首元と砂上を行き交う無意味な言葉とお前ら全員ラリってんだからくたばっちまえとおれはシラフで生きられないから死んじまうべきだ、アルコールが燃焼して社会への恨み辛みと自分への嫉み妬みと月イチの給食室のランチと大嫌いだった友達が楽しみにしていた夕方の学校と誰もいない廊下はひどく憂鬱で、どうしてあの頃でも夕暮れが称えた教室はあんなにも美しかったのか、美しいとはつまり猥雑な概念の消え去った彗星の世界で光とは私の見やる、見える誘蛾灯、ゲームボーイアドバンスとたくさんのカセットとゲームキューブのコントローラー、公園で集合したらあいつの家で、私の家はむずかしいかも、砂嵐、「なんの傷?」、スティグマ(烙印)、所有の証、長袖シャツが大好き、どうして笑うの?、ああああああああああああああああああ水槽の世界水水水水水水水水水水水水水水水水水、、、、、、、、、、、、、、、その服どこで売ってるの?、デザインナイフで切った、窮屈な空、刃こぼれ、悪い目じゃボールは見えない、蘭鋳、そのまだら模様がメスに現れるのは珍しいよ、溺れているのがわからないのか?、あいつが自殺したって聞いた?、名前も思い出せない、赤、黒、青、リフレイン、エンジンの悲鳴で圧殺されるゴミでガソリンで燃やされるクソで放射性降下物でガイガーカウンターがガリガリと不名誉な音を立ててそれを食う以外生きる手段はなくてゴミたちが発酵して日光を火種にバチバチと燃焼していて、生きるためならばとマキャベリズムを振りかざして生きる殺す嘔吐する瀉血する喀血するやっと触れ合えたサバト、六絃琴のちぎれた手風琴のようなエゴと11番目のホッチキスと誰かのボールとクラクションと夕暮れと夕闇みと三人兄弟の団地住まい、誰も愛せないからそばにいて、12弦ギター、僕はこんなところでなにをしているんだろう?、増三和音、こんなところにいちゃいけない、羽のようなその肌が僕を傷つける、前後不覚酩酊酔余ラリリ抗ヒスタミン薬エッジボイス咳止め嘔吐排水溝サヨナラB♭左耳から囁く悪魔の言葉爪切りと嵐のような言葉と掛け声なんて後で勉強すればいいシトルリン純正lightning開ける→←閉じる燃焼するように消えていく概念と言葉と言葉であったはずのものと言葉では到底有り得なかったものと爪と爪と爪と全てが死んだ夜にだけ響くファンファーレとゴスペルとテレキャスターとカポ、マイクスタンドに挟んだギターピックとギブソンのストラップとストレイライトだけが照らした夜と夜ならばこの瞬間が永遠の意味を持ってタイムラインを飛び越えていくのに、ああだからくだらないきさまらの人生はクソ以下のカスでそのために費やされた時間のことを思うと虫唾が走るよいつになったら笑えるんだろう笑い方なんか忘れてしまったいつ笑えていたんだろうその時私は不在の席できっと彼が笑っていたはずだ私は笑うすべを持たないハハハと声を出すことだけ上手くなっていった頼むから笑わせてくれ食紅で苦痛で電痛で切り落とした小指とこんなに赤い血を流していたのかと明日は誰のために朝日が昇るだろうかとおれのために光は夜の絞め殺された朝で公園のホームレスのなにものでもないなにかと学生と学生以下と学生以上としこたま飲んで家に帰れなかったサラリーマンと広告屋とデザイナーと音楽屋とコピーライターとそんな謳い文句に騙された流離人と流浪には足りない腐ったリンゴと路上で朝日に腐るリンゴとコンクリートの上で腐る日を待つリンゴと腐敗と腐葉土とモグラとその目と爪と左目にだけ見える循環とそんなはずはないという誰かの声とどうしようもないならこのままラリリ続けようという誰かの声と予測変換のハートマークなんか反吐が出る、ため息のように愛を囁けたらいいのに、今や白んだ愛の名のもとに愛の名を与えながら降る愛の結晶の愛について愛の愛であればこそ愛である愛、愛、醜いなら愛される資格すらない、誰かがこんな僕について愛される資格がどうこうって言ってるけど愛なんて一部の人間だけに許された特権じゃないか、なぜみんな僕の真似をして笑うの?平等なんて嘘だ、嘘だろう?嘘ならば嘘を嘘と暴いて嘘であるために嘘の下僕を解放して嘘だ全て嘘嘘嘘、蹴落としてる時だけが楽しい、蹴落とされる悲しみを知っているから。

逆にここで冷静になるぜ。

なれないぜ。

絶対ワーカーホリックだから休日にやることがなくて前日からしこたま酒を飲むしかなくて、こんな人ばかりなのかなと思う。


豚キムチ

絶対明日内臓悪くなる。

好きな定食は野郎めしの豚キムチ定食かなあ。

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