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ガキンチョが緊張

爽籟(秋風)気持ちよすぎ……ですね!(ワッカキャンセル)出勤のためにドアを開けたら明らかに夏とは違う秋のため息が吹きつけてきて、涼しいどころか寒さすら感じて気分がいい。ぜんたい冬が好きなのでこのまま急転直下で冬になればいい。冬とその前後しか生きた心地がしないのだ。

秋風という言葉は男女の心変わりを意味するらしい。そんなの知らんで使う人の方が多いだろうけど一体誰がその意味を与えたのだろう。風が季節の移ろいを告げるのは秋に限ったことではないだろうに。夏の温かさ、熱が冷めるって部分に関係あるんだろうか。あーやだやだ。そういうの、や!

すき家で定食を食べていたらデブの親子がいて良かった。納得感がある。もし親がデブ、子がガリなんてことがあれば落胆してしまう。そんなことを考えていたらデブの子がデブの親の頬に音の出るキッスをした。驚愕するもおれはただ味噌汁をすすっていた。親は無反応だった。なんなのだ?

空調服おじが来店した。空調服の音がうるさい!「フォー」くらいならいいけど劣化してるせいか「ジジジジジ……」とやかましいことこのうえない。てめぇーはその音に慣れてるだろうけどおれはそうじゃないからな。おれがバイクに乗ってる時同じことを思われてる気がする。

連日、Amazonの倉庫への配達がある。20kg前後の荷物が毎日70、多いと180とか来て全く手に負えない。自社でやればよくないですか。で、軽自動車数台で配達しに行くとその倉庫の人も不慣れなのか全然処理が終わらず結局めちゃくちゃ時間がかかってなんの得もないはなくそみたいなことをさせられてる。この、人のいない中で、だ。更に12月にはもっともっと荷物が来ると言われた。年末って我々ド繁忙期なんですけどそれは……。

結局日が差したらまあまあ暑かった。日差しって昔からこんなにきつかったっけ?運転してるからそう感じるだけか。

その後休憩ついでにみんなで喫煙所に行ってガリガリ君を食べた。キングダムハーツみたいだ。全員知覚過敏なのでガリガリ君を前歯で破砕して欠片を口内で溶かして食うという異様な光景だった。一人当たりを引いた。血のような夕暮れが逝ってしまった夏を想起させる。夏が逝ってしまったら僕らはどこに行けばいいのだろう?というDOORSの曲が好きだ。熱の去った後の物悲しさとはひぐらしの鳴き声に似ている。冬がもうすぐそこまで来ているのだ。待ってはくれない。

チキン南蛮定食

前回えらい目にあった野郎めしではないほうの野郎めしで食べた。チキン南蛮に隠れてしまっているが下にキャベツが潜んでる。タレがキャベツに染みすぎてるので食べる度に腎臓がドン引きしている。

さあ帰ろうとドアを開けたら完全に冬だった。寒い。忘れてた、夜って寒いんだ。あらかじめ革ジャンを持ってきてたけど前を閉めなければならないレベルだった。冷たい風を受けるたびにおれはワクワクしていた。冬が好きだ。冷えた身体を暖める瞬間などたまらないではないか。夏、外から帰ってきてエアコンの効いた部屋に入った時もまあまあいいけど冬のそれとは違う。暖かいというのはなにか生物の根本原理に語りかけるものがあると思っている。去年と比べて割と早く寒くなってくれてよかった。去年は11月に入るまで暑かったと記憶している。バイクの季節がやってくるぜ!そして、付き合(お)うてる人でもいたら、なおのこと……やめよっかこの話。

窓を開けて夜風を感じながら読書する至高のひととき。こういう時間があるともしかして生きるのって楽しいんじゃないかと思ってしまう。独りに慣れてからというものの、おれは独りを楽しむ方向にシフトした。先日失った10万がなければ来月の四連休でバイクに乗って泊まりにでも行ったんだけどな。出張以外でソロ宿泊なんかしたことないんだけど楽しいのかしら。食事を、景色を、文化を、酒を楽しむのもいいけど独りに慣れたせいで独りに飽きてしまったきらいがある。自分が何かに対してどう思うかなんてもうわかりきってるのだ。だからそこに誰かという異物が必要で、その乗算による結果が欲しいのだ。30歳、独身。老化。全て一人で抱えるには重すぎる。

今の配達を始めてからもうじき1年になる。

もともと内務の郵便部に5年近くいたので今の部署の面子はみんな知っていた。その人たちからすると今のおれはまるで別人らしい。確かに優男風サラサラヘアーだったのが頭髪の7割を刈り上げて残りを結んでる異常スタイルだしな。それ以外でも言動に自信が満ちてるらしい。前の仕事なんか誰でもできるしょうもない区分作業ばかりだった。暇な時ははあちゃまのASMRを聴きながら寝てたし続けてても仕方ないと内心思っていた。今は接客、運転、効率的に配達するための論理的思考、配達区の人員配置、残業時間のコントロールなど色々やってるからそれぞれ0だったステータスが少しずつ伸びていってる感じはする。とはいえ誤配達亡失事故(事故は闇の力で握りつぶされた)全部やってるから次の目標はノーミスで最大評価を獲得することだ。そして取り戻すんだ、10万を……。


誤解

我が職場、ついに南関東支社内で事故数トップとなった。36局中でトップなのだからこれは快挙である。しかもダントツ。ふざけんじゃないよ。そのせいで本社から目をつけられ金だけ貰って具体的な行動は何もしない偉い人が遣わされたり事故を減らすことには何も寄与しない作業が加わったり何もいいことはない。なのに、なにか職場で悪いことが起きると薄ら笑いを浮かべている自分がいる。これはよくない兆候だ。おれは全てぶっ壊れてしまえばいいと思っている。自分を省みる勇気がないから世界の方が破綻してしまえばいいと本気で思ってるのだ。別に生活はできる。たまに贅沢もできる。それで、なんなのか。何も待ってなどいない。ただ死までのモラトリアムの中で暗澹とふらついて生きているだけのような虚しさが付き纏う。

9兆円ほしい

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