【MTG】青単デッキ解説

はじめに

はじめまして、この度note記事に初挑戦することになるzamiと申します。

私のプロフィールについてはお手数ですがnoteもしくはtwitchの概要欄をご覧いただけたらと思います。

さて先日行われましたRPTQ(東京、大阪)およびGPメンフィスでは「青単/Mono Blue Tempo」なるデッキが活躍を見せました。

私もRPTQ(大阪)に青単で出場しTOP8入りを果たしましたが、惜しくも最終戦に敗北し、PT権利を逃してしまいました。(一番左です)

活躍の要因としてはTier1とされるスゥルタイ(黒緑青)ミッドレンジやターボネクサスに有利であるという点が挙げられます。

また安価に構築できる点からカジュアル層にも人気があり、大手ショップの構築済デッキとして販売もされるなど、平日大会へも十分に浸透しているようです。

しかし安価であるが故に1枚1枚のカードパワーが低く、プレイングが要求されるデッキでもあります。

この記事では青単からスタンダードに参入した初心者のみならず、今後GP等で使用を検討しているプレイヤーにも手に取って頂けるように執筆しています。

青単とは

青単の主な勝ちパターンは2通りです。

プラン①:《プテラマンダー》、《セイレーンの嵐鎮め》等の1マナクリーチャーに《執着的探訪》をエンチャントし、相手の展開を全てカウンターする。

《執着的探訪》によりドローを進めることで次々にカウンター呪文をプレイすることができます。

高コストのカードを多くプレイするデッキ相手に効果的なプランです。

プラン②:《大嵐のジン》を《潜水》で守る。

プラン1とは異なり、こちらは高打点の《大嵐のジン》で一点突破を目指します。

《大嵐のジン》をスムーズに処理できる除去は《喪心》、《溶岩コイル》の2種を除くと《ヴラスカの侮辱》、《屈辱》といった3マナ以上のカードしかありません。

そこで1マナである《潜水》、《呪文貫き》を駆使して《大嵐のジン》を効率的に守ろうというプランです。

また《大嵐のジン》はタフネスが4あり、低コストクリーチャーを軒並み受け止めることができます。

こちらより速いデッキ相手には一度《大嵐のジン》で場を止めてから複数体並べた上で殴り始めるのが理想です。

それぞれ効果的な相手が異なりますが、プラン①で手札を増やし、飛行ブロッカーを用意されるタイミングでプラン②に切り替える、といった柔軟な戦法がとれる点も強みです。

マナを効率的に使用して相手よりも軽い呪文で対応しよう、という考えを『テンポ』と呼びます。

青単は全てのカードが3マナ以下で構成されており、毎ターン1マナクリーチャーを展開しつつカウンター呪文を構えることができ、非常にテンポに優れていると言えます。

スゥルタイミッドレンジや門コントロールは3マナ以上の強力なカードを中心に構築されており、各ターンにプレイできる枚数が限られています。

カウンター呪文を合わせられると全く展開できないという弱点を抱えており、青単はその弱点を突くのが得意なデッキと言えるでしょう。

一般的なリストと役割

一般的なリストを用いて、メインボードの役割を紹介します。

4《プテラマンダー》

4《セイレーンの嵐鎮め》

3《霧まといの川守り》

《執着的探訪》の主なエンチャント先となる1マナクリーチャーは3種9~11枚が一般的です。

ラヴニカの献身発売後は《プテラマンダー》が追加され、《霧まといの川守り》の枚数が減ってきています。

これは低コストの飛行クリーチャーを使用するデッキが少なく、《プテラマンダー》が実質《霧まといの川守り》と同じくブロック不可のクリーチャーとして機能するためです。

盤面が膠着した際には順応することもあり、5/5というサイズは簡単にゲームを決めてしまいます。

また《水底の生術師》を採用しているリストも見られますが、上記3種と異なり回避能力を持たないためおすすめしません。

4《大嵐のジン》

デッキのキーカードのうちの1枚です。

プレイした時点で最低パワー3は保証されており、およそパワー3~6で殴っていくことができます。

また前述のゲームプラン②の通り、タフネス4もかなり重要です。

4《マーフォークのペテン師》

除去とクロックを兼ね備えたカードです。

ダメージを軽減する目的で攻撃クリーチャー指定前にプレイすることもありますが、基本的には攻撃クリーチャー指定後や相手のターン終了時にプレイします。

現在のスタンダード環境には《弾けるドレイク》や《門破りの雄羊》など自身の能力でパワー/タフネスが上昇するクリーチャーが多く、それらを討ち取るのが主な役目です。

うっかり通ってしまった《黎明をもたらす者、ライラ》等の大型絆魂クリーチャーにも有効で、ターン終了時にタップして押し切ることもあります。

サイドボードの《排斥する魔道士》と同様に回避能力がなく、《執着的探訪》のエンチャント先としては力不足であることも確認しておきましょう。

コントロール相手に瞬速クリーチャーとして使用する際以外はエンチャントをおすすめしません。

4《執着的探訪》

《執着的探訪》は《大嵐のジン》と並んでデッキで最も強いカードの1枚です。

《潜水》やカウンター呪文で守ってやると毎ターンドローできる上に、《大嵐のジン》以外のクリーチャーに不足している打点を上げることが可能です。

これまでオーラカードはエンチャント先のクリーチャーを除去されると1:2交換を取られてしまうことから、あまり実用的なものはありませんでした。

しかしこのカードは1度攻撃を通すとドローができるため、返しのターンで除去されてしまっても1:1交換で抑えることができます。

青単を使用する上ではこのカードをプレイするかどうか迷うシーンが多々ありますが、プレイするターンに攻撃が通るのであれば、プレイすることをおすすめします。

《潜水》、《呪文貫き》を匂わせるために1マナ構えた状態でプレイするに越したことはありませんが、追加の土地が欲しい状況、手札に構えるカードがない状況、相手のデッキを考慮して除去がプレイされなさそうな状況等を考慮するべきです。

またこのカードの持つデメリット能力は、「あなたの終了ステップの開始時に、このターンにあなたがクリーチャーで攻撃していなかった場合、執着的探訪を生け贄に捧げる。」であって、エンチャントされているクリーチャーがアタックする必要はないので覚えておいてください。

4《選択》

このカードの強みは余った1マナで有効牌を探せる点にあります。

《潜水》を構えて《大嵐のジン》を出す動きは4枚の土地を含めて6枚のカードが必要となりますが、その際に足りないカードを探すことができます。

3《航路の作成》

1~3枚が一般的です。

こちらも《執着的探訪》と同じくカードを引く能力ですが、少し使い勝手が異なります。

《航路の作成》の特徴は一度に2枚のカードをドローできる点にあります。

4マナが使用でき、アタック後に《航路の作成》プレイ+カウンター呪文構えができる状況で最も輝き、3枚目の土地が欲しい状況で事故の軽減に寄与します。

しかし土地が詰まり気味の展開においてこのカードをプレイするターンは、①クロックの展開、②カウンター呪文を構えるの両方を放棄していることになり、ゲームを通して致命傷になりかねません。

1マナでプレイできる《執着的探訪》以上に返しのターンの脅威や除去を念頭に置きつつプレイする必要があります。

2《潜水》

3《呪文貫き》

《潜水》は《大嵐のジン》やエンチャントされたクリーチャーを相手の除去から守ることができ、《呪文貫き》はプレインズウォーカーを含めた相手の脅威に1マナで広く対処することができます。

《潜水》の枚数に関しては難しい部分で、メタゲームの動向を注視する必要があります。

《呪文貫き》については2マナ支払うことで無効化されてしまうため、ゲーム後半は威力が半減します。

とは言えゲーム後半はこちらも土地が伸びており、カウンター合戦になった際2,3枚目のカウンターとしてプレイできる点、マナを使わせることで相手の複数アクションを制限できる点から完全に腐ることはありません。

4《魔術師の反駁》

1《本質の把捉》

2マナのカウンターは全て確定カウンターです。

相手の除去に対してカウンター呪文をプレイする際、《呪文貫き》や《潜水》の1マナカードと《魔術師の反駁》のどちらも持っている場合はどちらをプレイするか注意してください。

対象範囲の広い《魔術師の反駁》を温存し1マナカードをプレイしがちですが、土地が詰まっている場合や次のターンの動きを考慮して2マナ(3マナ)の《魔術師の反駁》からプレイする場合もあります。

加えて条件についても忘れないように気を付けなければなりません。

能力を誘発し終えた《マーフォークのペテン師》は基本的に相打ちやチャンプブロックに回されますが、ウィザードとして盤面に残さなければならない場面もあります。

《本質の把捉》については《潜水》と同様にメタゲームの動向を注視する必要があると考えています。

19《島》

《航路の作成》を2枚以上採用するなら19枚、しないのであれば20枚が良いでしょう。

このリストでは1マナクリーチャーと《航路の作成》に比重が置かれているようです。

青単は構成上スクリュー(土地の引かなさすぎ)に強く、フラッド(土地の引きすぎ)に弱いです。

土地が24~26枚のミッドレンジ系デッキに比べて土地の総数は少ないですが、問題なく回ります。

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