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佐藤市長トップダウンの指示で車止めを外し、条例遵守できない状況つくる

 座間公園の車止めについて、6月7日に一般質問をさせていただきました。
 この件についてはこれまでも再三一般質問を行い、さらにこの事件がきっかけで「都市公園等車両進入等の手続きマニュアルについて」を調査する特別委員会も立ち上がり、佐藤市長、三浦副市長、総合政策部長、都市部長、さらに参考人として前市長、前副市長、当時の都市部長、公園緑政課長、公園緑政課施設係長に出席いただき、質疑を重ねる中でその問題や対応について協議してきました。

明らかになった条例違反の対応

座間市都市公園条例から抜粋した第5条の内容

 今回の質問で分かったのが、車止めを外した対応により「条例を遵守できない状況になっている」ということです。
 こちらは、これまで佐藤市長は、車止めがある場所は市道だから外したということを答弁されていましたが、調査特別委員会での参考人の答弁で、「市としても確認したところ市道ということが断言できるような状況ではなかった」ということが述べられました。
 都市部長にどのような状況になっているのか説明いただいたところ「車止めのある道は、座間市道座間81号線で、座間公園の境界が確定していないことから、正確な位置をお示しできませんが、車止めのあった位置から少し北上したところから、都市計画公園である座間公園の区域となり、都市計画公園区域と道路区域が重複して設定されています」との説明があり、さらに、「本市の都市公園条例では第5条において指定場所以外での車両の進入の禁止を定めており、現在は同規定を遵守できない状況となっています」と述べられました。

政教分離違反への懸念

神奈川新聞WEB版(令和6年4月6日)

 調査特別委員会として委員会から資料請求したことによって、当時の「都市公園等車両進入等の手続きマニュアル」が公開されました。この情報には座間公園に車止めが設置された経過が記載され、そこに絡む宗教法人と市のやりとりが明確に書かれています。この政教分離への懸念は、4月16日の神奈川新聞にも「座間市の公園マニュアルに非公開情報 前市長が経緯証言「政教分離に懸念」」という見出しの記事が掲載されました。
 政教分離とは、国家(政治)と宗教は切り離して考えるべきであるとする原則のことをで、政教分離の原則は、憲法第20条1項後段および第20条3項、第89条の規定でも記されています。
 そして、政教分離というと、最高裁で違憲と判断された「砂川政教分離訴訟」の一例があります。この事件は、市が町内会に無償で貸し付けた土地に鳥居と集会所、さらには集会所内にほこらが建てられて、その状態を放置したことを「特定の宗教に市が便宜を図っていると一般人の目から見て判断されてもやむを得ない」とされて違憲とされたものです。

宗教法人への座間公園の車止め鍵の貸与は、弁護士にも相談して対応を協議

まだ車止めが設置されていた頃の写真

 調査特別委員会では、過去に「鍵を宗教法人に貸与しており、宗教法人のイベント利用者が公園等の駐車場代わりに使用していた」という事実が明らかになりましたが、こちらについては、当時、市が委託している弁護士にも相談し、その状態を放置しておくことは、砂川政教分離訴訟の件もあることから、憲法の規定する信教の自由、自治体の責務等に従い、慎重に対応するようにとの助言を受け、車止めの鍵の返却を宗教法人に求め、さらに他の公園でも同様のことが起こらないよう、都市公園等車両進入等の手続きマニュアルを作成し、適切な対応をとられたということでした。
 部長からも、「鍵を特定の団体に貸与した経緯は分かりませんが、公園内への車両の進入を阻止すべく職員が対応していることから、特定の宗教団体に特別な便宜を図る意図があったものではないと捉えています」と述べられました。

一方で、その車止めを市長がトップダウンで取り外し

 市が弁護士に相談し、さらに当時の担当課で時間をかけて慎重に対応した車止めが令和5年春に外されました。
 こちらについてに理由は、佐藤市長は「座間公園を利用している車いすやベビーカーの使用者などから、公園までの取り付け道路の部分の車止めを外してほしいといった内容の福祉的観点からの要望を多数受けていたこと。さらに、車止め前に駐車をされているという状況の中で緊急車両が進入できないといった事例の報告を受け、その中で、外した方がいいのではないかと判断をして外した」とのことでした。
 しかし、令和5年3月定例会で、福祉部長に福祉的な政策の協議をされたか質問したところ、「私の知る限りでは、お話はありません」という答弁がされ、所管する部署と協議もされずに福祉政策として外したという理解しがたい状況であることを感じました。
 また、車止め前に駐車をされているという状況の中で緊急車両が進入できないということについては、消防長は「市内公園に設置している車止めの鍵は消防でも所有、管理しており、通常、公園内で発生した事案では解除して対応している」と述べられ、車止めと緊急車両の直接的な関係はなく、あくまでも路上駐車が原因であり、この市道は、その先が行き止まりであることから(下写真)、路上駐車できるスペースを広げただけで、根本的な解決策とは全くの見当違いと考えます。

*もともとは赤線の2か所の場所に車止めが設置されていた。取り外しをされたのは〇の部分

佐藤市長のフェイスブックには、宗教法人のイベント時に駐車場として座間公園の開放を求める要望のやり取りが残る

2018年3月5日、当時まだ市議会議員だった佐藤市長のFacebookでのやりとり

 こちらは、2018年3月5日、当時まだ市議会議員でありました佐藤市長のFacebookでのやりとりです。宗教法人のイベントの際に、駐車場として座間公園を以前利用していたのに利用できなくなったという一般人からの意見に対して、「私のところにもかなり多くの方々より苦情が寄せられています。色々と事情があるようなのですが、改めてご意見をお届けしておきます」と記載があります。
 一般質問では、このような声にお答えになられて、車止めを取り外したのではないかと質問をさせていただきました。
佐藤市長は、「このひな祭りのイベント主催はどちらかは、私は 確かひな祭り実行委員会というところが主催なのではないかなとまずは思っています。場所は宗教法人の中で行われているものでありますが、まず主催がどこなのかというところが1つポイントとしてはあると思います。今までも答弁をさせていただいておりますが、私、これ市議会議員の時にそのようなご要望も多数受けておりました。また、市長になってからも、ここの車止めのことについてはかなりの要望を受けておりました。そういった中で、座間公園を利用している車いすやベビーカーの使用者などから、公園までの取り付け道路の部分の車止めを外してほしいと、で、できれば今作業用として 使っているスペースを身障者や母子も利用ができるようにしてほしいといった内容の要望を多数受けました。そしてさらには、緊急車両が この前に駐車をされているという状況の中で進入ができないといった事例も報告を受け、その中で、これは外した方がいいのではないかと総合的に判断をして外したということであります」とお答えになっています。

特定の宗教に市が便宜を図っていると一般人の目から見て判断されてもやむを得ない状態では?

 フェイスブックのやりとりは、「宗教法人に便宜を図っているのではないか」と懸念した市民の方からいただいた写真であったため、このような心配があるが、宗教法人への便宜を図った対応ではないのかと尋ねたところ、佐藤市長からは、「座間公園の利用者に対してそういった方たちのご要望がまずあったということ。そして、その座間公園内等周辺で起きた緊急車両の事例等に対応したいという思いで行ったものでございます」と、宗教法人でのイベント利用時に駐車場として開放を求める要望があったことを認められました。

条例を遵守せず、市長のトップダウンで車止め外した責任問われる

 政教分離への懸念は結局払拭できませんでした。また、都市部長からは、都市公園条例に遵守できていない対応であったこと。さらに、佐藤市長がそれをトップダウンで指示をしたといったことが分かりました。
 都市部長はそのことからも車止めを戻す方向で道路責任者である市長と協議を進めたい言葉を述べられました。しかしながら、佐藤市長からは条例を遵守できていないことへの反省の弁は述べられませんでした。

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