#157 出国日本人数(2017/03/28)


(暫くお休みしていましたが、今日のざっくり再開です!)
3月も今週で終わり。春休みを利用して卒業旅行や家族旅行に行く方を見かけることも多かったかと思います。このところ海外からの観光客(いわゆるインバウンド)が注目を集めていますが、今日はその逆、アウトバウンド、そう海外に出国する日本人数についてのざっくりです。

日本政府観光局によると2015年の出国日本人数は16,213,789人。

・2015年 出国日本人数 ざっくり1600万人

人口の13%ほど、7人に1人の日本人が海外に渡航している事になります。(数字は延べ人数なので、正しくありませんが。。。)

推移を見てみると、海外渡航の職業制限が解かれ一般化した1964年の出国日本人数は12.7万人ほど(このときは一人年一回という回数制限がありました)。以後増加を続け、1972年には100万人、さらに翌年には200万人を突破し、オイルショックまでは年平均40%ほどで増加します。その後、増加率は下がりますが増え続け、1990年には1000万人を突破、今の水準になる1996年までは平均17%ほどで増加を続けます。
このように1996年まではほぼ毎年右肩上がりで出国人数が伸びていましたが、1997年に1670万人ほどになって以来多少の上下はありますが20年近くほぼ横ばい状態が続いています。

・出国日本人数は1997年以降ほぼ横ばい

近年で最も少なかったのは鳥インフルエンザが世界的に流行した2003年の1330万人(前年からおよそ20%減)。
また、多かったのは震災の翌年2012年で、およそ1850万人(前年から8.8%増)が出国しています。

2015年の結果が出ていなかったので2014年の数字になりますが、到着地別に見ると

1.アメリカ 362万人
2.中国   272万人
3.韓国   228万人
4.台湾   163万人
5.タイ   127万人

以下、香港(108万人)、シンガポール(82万人)、グァム(81万人)、フランス(78万人)、ドイツ(67万人)となっています。(アメリカではありますがハワイは150万人ほどで台湾についで多くなっています。)

2011年には中国がアメリカより20万人ほど多く最多だったのですが、2012年以降はアメリカが最も多くなっています。

意外だったのはイギリス。到着日本人数はおよそ22万人で、スイス(25万人)やオーストリア(24.5万人)よりも少なく、カンボジア(21.5万人)より少し多い程度なんですね。経済の成長著しいインドも21.9万人と思ったより少ない印象でした。

最近何かと話題のインバウンド(訪日外国人)と比べてみると、1971年に出国日本人数が訪日外国人を初めて上回り、1994年以降は1000万人ほど出国日本人が多い状況が続いていましたが、その差が2013年には700万人、2014年には350万人と急激に縮まり、2015年には1971年以降で初めて逆転し、訪日外国人数が出国日本人数を350万人ほど上回りました。

・44年ぶりに訪日外国人数が出国日本人数を逆転、350万人上回る

インバウンドに官民合わせて力を入れているので、更にその差は広がっていくんでしょうね。

Source:
日本政府観光局 年別 訪日外客数, 出国日本人数の推移
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/marketingdata_outbound.pdf
日本政府観光局 2011年~2015年各国・地域別日本人訪問者数(日本から各国・地域への到着者数)
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/20160901.pdf

【追記】
1964年〜2015年 訪日外国人数と出国日本人数のグラフを添付しました。

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