#162 アメリカの3大エアライン(2017/04/17)


ユナイテッドがなかなか話題になっていますが、そんななかGWや夏休みでエアを使う方も多いはず。。とうことで今日のざっくりはアメリカの3大エアライン(ユナイテッド、デルタ、アメリカン)のざっくりです。

まずは、規模感から。
就航先数でみると
ユナイテッド 339空港 / 54カ国
デルタ    322空港 / 58カ国
アメリカン  350空港 / 50カ国

就航先数はほぼ横並びですが、若干アメリカンが多くなっています。

乗客数は
ユナイテッド 11.0億人(うち国際線2634万人)
デルタ    14.3億人(2408万人)
アメリカン  14.4億人(2757万人)
と総数ではユナイテッドが最も少ないのですが、国際線に限ってみるとデルタが一番少なくなっています。(ちなみに総数が最も多いアメリカの航空会社はサウスウエストで15.2億人)

エアラインを比較するのによく使われる旅客マイル数(Available seat miles)は
ユナイテッド 2246億マイル
デルタ    2519億マイル
アメリカン  2417億マイル

とほぼ横並びですが、わずかにDeltaが2社を上回っています。

保有する旅客機数ですが、
旅客機の数(メインライン/リージョナル(コミューター))
ユナイテッド 737機 / 494機
デルタ    832機 / 469機
アメリカン  931機 / 606機

と総数では1200機〜1500機ほどと幅があり、アメリカンがメインライン機、コミューター機とも他2社より多くなっています。

従業員数は
ユナイテッド 8.8万人
デルタ    8.4万人
アメリカン  12.3万人

従業員はアメリカンが断トツ多いんですね。

全体を通してみると規模的にはなんとなく

アメリカン > デルタ > ユナイテッド

の順になっている感じかなと。

経営面を見てみると。。。
まず、売上、営業利益ですが、

ユナイテッド 366億ドル / 43.4億ドル 
デルタ    396億ドル / 69.5億ドル 
アメリカン  402億ドル / 52.8億ドル 

となっていて売上規模は400億ドルほどでほぼ同じレベルですが、ユナイテッドが少しだけ水を開けられている感じでしょうか。利益ではDeltaが頭一つ出ています。

時価総額をみてみると
ユナイテッド 21.92億ドル
デルタ    32.4億ドル
アメリカン  21.86億ドル

ここ数日のUnitedの下落が大きいのですが、それでもまだアメリカンの方がやや低く、デルタが頭一つ抜き出ています。
経営的に見るとデルタが抜けていて、アメリカンややリードでユナイテッドと競っているという感じでしょうか。

デルタ > アメリカン・ユナイテッド

話題になっているサービス面についてですが。。。
Airfarewatchdog.comによると、フライトキャンセルの少ないアメリカのエアラインランキングTOP10で各社は

デルタ    1位
アメリカン  6位
ユナイテッド 7位

という順になっています。

バッゲージのミスハンドル(紛失、破損、遅延、盗難)の届出数をみてみると旅客1000人あたり

デルタ    1.8回
ユナイテッド 2.6回
アメリカン  3.4回

とデルタが2社を押さえています。

搭乗した乗客1万人あたりのオーバーブッキングによる不足座席数の割合を見ると

デルタ     10.1
ユナイテッド   7.7
アメリカン    4.8

とデルタがもっとも多くなっているのですね。ユナイテッドより1.5倍ほど、アメリカンの2倍以上になっています。

ただ、今回ユナイテッドで問題になった結果的に搭乗できなかった人(Involuntary denied boarding)の乗客1万人当たりの割合を比べると

デルタ     0.1
ユナイテッド  0.43
アメリカン   0.64

となり、不足座席数の割合がもっとも多かったデルタがガクッっと減って最少となり、アメリカンはその6倍超、話題のユナイテッドはデルタの4倍程となっています。
デルタはオーバーブッキングも多いけど、それを他の便に振り替える能力が高いということなんでしょうか。(謝礼が多いのかな?)いやー面白いですね。

サービス面で見るとデルタが少し他を離していて、ユナイテッド、アメリカンが競っているものの若干ユナイテッドがリードしている感じでしょうか。

デルタ > ユナイテッド ・ アメリカン

総合的には選ぶなら、ここはデルタということなんでしょうか。。。

ちなみに日本のエアラインの国内線のオーバーブッキングによる不足座席数の割合と搭乗できなかった人の割合をみてみると
日本航空 0.78 / 0.19
全日空  1.24 / 0.30
となり、不足座席数の割合はアメリカの3社よりずっと少なくなっていますが、搭乗できない人の割合はデルタには届いていません。(ちなみにオーバーブッキングの乗客に協力金やマイルの支払などで自発的に他便に変更してもらう制度のことを日本ではフレックストラベラー制度というようです by 国土交通省)

今回の事件の背景にIT化による搭乗率の向上もあるといわれていましたので、ちょっとだけ調べてみました。
2002年と2016年の各エアラインの国内線・国際線トータルの搭乗率は
デルタ     72.4% → 85.5%
ユナイテッド  73.7% → 83.4%
アメリカン   70.8% → 82.7%
と15年ほどの間に各社とも10%ほど向上しています。なーるほど。。。

ワンワールドがメインの自分にとってはアメリカンのサービスレベルの低さが痛いです。。。。

今回Annual Reportを見ていて気がついたのですが、アメリカンはAmerican AirlinesとAirlinesが1語なのですが、デルタは
Delta Air LinesというようにAirとLinesは2語になっているんですね。(へぇー)

Source:
American Airlines Annual report
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=117098&p=irol-reportsannual

Delta Air lines Annual report
http://ir.delta.com/stock-and-financial/sec-filings/SEC-Filings-Details/default.aspx?FilingId=11848731

UNITED CONTINENTAL HOLDINGS Annual report
http://ir.united.com/financial-performance/sec-filings

Delta air lines fact sheet
http://news.delta.com/corporate-stats-and-facts

United fact sheet
http://newsroom.united.com/corporate-fact-sheet

American Airlines Group
https://www.aa.com/i18n/customer-service/about-us/american-airlines-group.jsp

Bureau of Transportation Statistics
2016 Traffic Data for U.S Airlines and Foreign Airlines U.S. Flights
https://www.rita.dot.gov/bts/press_releases/bts017_17

Best U.S. Airlines: 2016 Edition
http://www.airfarewatchdog.com/blog/30317408/best-airlines-2016-edition/

U.S. Department of Transportation
Air Travel Consumer Report Issued: February 2017
https://www.transportation.gov/sites/dot.gov/files/docs/2017FebruaryATCR.pdf

Bureau of Transportation Statistics  Load factor
https://www.transtats.bts.gov/Data_Elements.aspx?Data=5

国土交通省 フレックストラベラー制度に関する情報
http://www.mlit.go.jp/koku/h27zigyo_bf_14.html

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