#161 日本の国家予算(平成29年度)(2017/04/11)


3月27日に国会審議を経て成立した予算案。昨年も取り上げましたが今年もざっくりしてみたいと思います。

ご存じの通り、国の予算には一般会計と特別会計があります。ざっくりいうと特別会計は別に管理したほうがいい会計(歳入と歳出の範囲がある程度制限されています。例えば年金など)で現在13の特別会計*があります。それ以外は一般会計となります。

平成29年度の予算は一般会計が97兆4547億円、特別会計が393兆3429億円となっています。昨年がそれぞれ96兆7218億円、403兆2852億円でしたので、一般会計がやや大きくなり、特別会計がやや小さくなっていることになります。

・一般会計 ざっくり100兆円
・特別会計 ざっくり390兆円

一般会計のほうが大きいのかと思いきや、特別会計のほうがずっと大きいんですね。
合計した予算規模としてはざっくり490兆円となるのですが、一般会計と特別会計の重複部分が147兆円ほどあるためそれを差し引くと予算額は346兆2847兆円となります。

・一般会計・特別会計の重複を差し引いた予算額 ざっくり350兆円

さらに、国債の借換えのための公債金収入額が106兆ほどありますので、それを差し引くと、予算としての純計額は240兆円2053億円になります。

・国債借換のための公債金収入を差引いた予算額 ざっくり240兆円

実質的な予算規模としてはこの240兆円ということになるのかと思います。

一般会計の歳出の内訳で主なところを見てみると、社会保障32.5兆円(33.3%)、国債費23.5兆円(24.1%)、地方交付税交付金等15.6兆円(16.0%)、公共事業6兆円(6.1%)、文教および科学振興5.4兆円(5.5%)、防衛5.1兆円(5.3%)、その他9.4兆円(9.7%)となっています。

・社会保障      ざっくり1/3
・国債費       ざっくり1/4
・地方交付税交付金  ざっくり1/6
・公共事業、文教・科学振興、防衛 ざっくり5-6%
・その他       ざっくり10%

大きなくりで考えると昨年とあまり変わっていません。

一般会計の歳入を見てみると税収が57.7兆円(59.2%)、公債金が34.4兆円(35.3%)、その他収入が5.3兆円(5.5%)となっています。

・税収  ざっくり60%
・公債金 ざっくり35%
・その他 ざっくり5%

歳入の公債依存度は平成22年度には48%まで上昇していましたが、年々下がり現在のレベルになっています。とはいえバブル期の平成3年には7.6%でしたのでまだまだかなり高い水準と言えると思います。

歳出を所轄省庁単位で見てみると、最も多いのは厚生労働省で30.7兆、次いで財務省25.4兆円(その92%が国債費)、総務省16.2兆円(その96%が地方交付税交付金等)、国土交通省5.9兆円、文部科学省5.3兆円、防衛省5.1兆円、内閣・内閣本府2.8兆円と続きます。
経産省はかなり少なく9700億円で農林水産省(2.1兆円)のほぼ半分、法務省(7500億円)、外務省(6900億円)とあまり変わらない予算レベルなんですね。

*13の特別会計
・交付税及び譲与税配付金
・地震再保険
・国債整理基金
・外国為替資金
・財政投融資
・エネルギー対策
・労働保険
・年金
・食料安定供給
・国有林野事業債務管理
・特許
・自動車安全
・東日本大震災復興

Source:
財務省 平成29年度予算政府案
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2017/seifuan29/index.htm
財務省 平成29年度予算のポイント
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2017/seifuan29/01.pdf
財務省 平成29年度一般会計歳入歳出概算
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2017/seifuan29/03.pdf
財務省 平成29年度予算書の情報
http://www.bb.mof.go.jp/hdocs/bxss010bh29.html
財務省 平成28年度予算政府案
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2016/seifuan28/index.html

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