#85 ガス事業者(2016/7/13)

今日のざっくりはガス事業者についてです。

事業者としては東京ガスや大阪ガスが有名ですが、ガス事業は大きく3つにわけられ、ガス事業法の対象となる一般ガス事業および簡易ガス事業、液化ガスの保安の確保および取引適正化に関する法律の対象となるLPガス販売事業です。

事業者数は

・一般ガス事業者 209社

・簡易ガス事業者 1452社

・LPガス販売事業者 21052社

東京ガス、大阪ガスは一般ガス事業者にあたります。一般ガス事業者には自治体が運営する公営も2013年時点で29事業者あり(仙台市ガス局、大津市ガス局など)、新潟県(8事業者)、千葉県(6事業者)はじめ12道府県に存在します。(2016年4月時点で長岡市、福知山市、宇部市の3事業は民間に譲渡されています)平成4年には72事業ありましたが、民間への事業譲渡により現在の数になっています。

簡易ガス事業ですが、ガス事業法が改正された昭和45年当時、都市部で住宅団地の造成が急増していたため、70戸以上の団地に対するガスの導管共有事業を行う事業をガス事業法の対象とし、政令で定める簡易なガス発生設備において発生させたガスを、戸建住宅や集合住宅のような小規模かつ地域限定的な需要(70 戸以上)に対し導管により供給する事業を簡易ガス事業と規定しています。

LPガス販売事業者はプロパンガスなどをボンベにいれて販売している事業者などがそれにあたります。

2013年時点での販売比率および需要家数は

・一般ガス事業  65% / 2900万件(53%)

・簡易ガス事業  0.7% / 140万件(3%)

・LPガス販売事業 34.3% / 2400万件(44%)

LPガス(プロパンガスなど)の販売がまだ販売の34%程、需要家数の44%もあります。都市部に住んでいると都市ガス(導管供給)がほとんどなんじゃないかと勘違いしてしまいますね。

首都圏の東京ガス、近畿圏の大阪ガス、中京圏の東邦ガスがTOP3で、三社で全国の都市ガス販売の7割程度をしめ、それぞれのガス売上高は

・東京ガス ざっくり 1兆2000億円

・大阪ガス ざっくり 8000億円

・東邦ガス ざっくり 3500億円

となっています。なんとなく、3:2:1とういう感じです

一般ガス事業および簡易ガス事業は許可制、LPガス事業は登録制ですが、エネルギー分野の自由化に伴い順次小売の自由化が進んでいて、

平成7年  年間契量200万平米以上 (大規模工場等)

平成11年 同100万平米以上(製造業全般・大規模商業施設等)

平成16年 同50万平米以上(中規模工場・シティホテル等)

平成19年 同10万平米以上(小規模工場・ビジネスホテル等)

平成29年 小売全面自由化予定

と電力に5年先立ち大口の小売自由化が始まりましたが、小売全面自由化は電力に一年遅れて来年2017年実現する予定です。

送電線が全国津津浦浦まで張り巡らされているのに比べ、ガスの導管は国土の6%程度しか敷設されていないため、新規参入者が導管を使って容易にガスを供給するすることが難しく、災害時などにガスの保安体制などにも課題を残しています。(2022年までに大手3社に対して導管事業の別会社化(法的分離)が義務付けられています)


Source:

経済産業省 ガス事業の現状

http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/kihonseisaku/gas_system/pdf/01_05_00.pdf

総務省 公営エネルギー事業の現状

http://www.soumu.go.jp/main_content/000311199.pdf

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