#147 世界の港ランキング:貨物・コンテナ取扱量(2017/02/08)
アメリカの貿易赤字が取り沙汰されていますが、貿易で欠かせないのが港。(ちなみに日本の輸出入は重量ベースで99.7%、金額ベースで76.7%が海上輸送)ということで、世界の港湾取扱貨物量のランキングのざっくりです。
2014年世界の港湾取扱貨物量のトップ5は
1.上海 7億トン
2.シンガポール 5.6億トン
3.天津 4.8億トン
4.広州 4.7億トン
5.青島 4.5億トン
以下、ロッテルダム、寧波、ポートヘッドランド(オーストラリア)、大連、釜山と続きます。
中国の港がTOP10のうち6港、TOP20のうち10港と半数を占めています。日本の港は15位にやっと名古屋が登場しています。(TOP20に日本の港は名古屋のみ)
15年前(1999年)のランキングとくらべてみると、
1.シンガポール 3.3億トン
2.ロッテルダム 3億トン
3.サウスルイジアナ 2.2億トン
4.香港 1.69億トン
5.上海 1.66億トン
以下、千葉、蔚山(韓国)、名古屋、光陽(韓国)、ロングビーチ(アメリカ)と続いています。
この15年で大きく顔ぶれが変わっていますね。(この時点では中国はTOP20に2港(香港、上海)しか入っていませんでした。中国の躍進が凄まじですね。)
日本の港の1999年と2014年のランキングを見てみると
千葉 6位 → 26位
名古屋 8位 → 15位
横浜 12位 → 33位
と大きく順位を下げています。
名古屋は取扱量を1.3倍ほどに増やしていますが、横浜はほぼ変わらず、千葉は取扱量が減少しています。
90年代後半からよく話題になっていたハブ港湾。(最近は聞かなくなりましたね。)日本はその地位を明らかに海外港湾に譲ってしまったようです。。。
(今日のざっくりはかなりあっさりめ。。。)
【追記】
木島さんから貿易ハブ港としての力を見るにはコンテナの取り扱いを見たほうがいいとのご指摘をいただきましたのでコンテナ取扱量を調べてみました。
2015年世界の港湾別コンテナ取扱量ランキング(速報値ベース)
1.上海 ざっくり3700万TEU
2.シンガポール 3100万
3.深セン 2400万
4.寧波 2100万
5.香港 2000万
以下、釜山、広州、青島、ドバイ、天津となっています。
こちらも中国の勢いが凄まじく、TOP10のうち7港は中国の港となっています。(TEUは標準的な20フィートコンテナ一つ分)
TOP20を国別に見ると
中国 9
アメリカ 2
マレーシア 2
シンガポール、韓国、オランダ、UAE、台湾、ベルギー、ドイツが各1港となっています。
日本の港は東京がやっと29位に顔をだしていますが取扱量は460万TEUで上海の1/8、シンガポールの1/7、釜山の1/4程度となっています。
また、アジアの他の港とくらべてみても、タイのレムチャバン(21位)、ベトナムのホーチミン(24位)、インドネシアのタンジュンプリオク(26位)、スリランカのコロンボ(27位)よりも取り扱いが少なくなっています。(ちなみに横浜は54位、神戸57位、名古屋58位)
1980年には神戸4位、横浜12位、東京14位
2001年には東京18位、横浜21位、神戸25位
だったので、グローバルに見ると日本はどんどん置いて行かれている感じですね。。。なんとも。。。
Source:
国土交通省 世界の港湾取扱貨物量ランキング
http://www.mlit.go.jp/common/000228234.pdf
国土交通省 世界の港湾別コンテナ取扱個数ランキング
http://www.mlit.go.jp/common/000228237.pdf
日本船主協会 日本の海運2016-2017
https://www.jsanet.or.jp/data/pdf/shippingnow2016.pdf
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