#216 世界・日本の製薬市場規模 - 今日のざっくりReturns

日本でも新型コロナウイルスの感染が拡大してきていますね。治療薬・ワクチンの開発が急がれるところです。
とうことで、今日は製薬市場のざっくりです。

2018年の世界の製薬市場規模(売上高)は1兆2038億ドル(133兆円)となっています。なかなかの巨大市場ですね。

●世界の製薬市場規模 ざっくり130兆円

アメリカがほぼ4割を占め、欧州5カ国(ドイツ、フランス、イタリア、英国、スペイン)が14.7%、中国11.0%で、日本は7.2%ほどでおよそ9.5兆円となっています。

●日本の製薬市場規模 ざっくり10兆円(世界のおよそ7%)

2019年の主要コンビニの年間売上高が10兆3421億円なので、それに匹敵します。なかなか大きいですね。

医薬品は医療用医薬品(処方箋必須)とOTC医薬品(OTC:Over the Counterの略で処方箋なしで買える医薬品)に分けられ金額ベースで90%が医療用医薬品、10%がOTC医薬品などになっています。医療用医薬品が9割を占めるんですね。製薬会社のMRが病院に足繁く通うのも理解できます。

●医療用医薬品:OTC医薬品 = 9 : 1

最近は医療費抑制のためにジェネリック医薬品の利用を促進していますが、医療用医薬品における新薬との比率を見ると、新薬とジェネリックの比率は金額ベースでおよそ9:1とジェネリックは新薬の1/9なのですが、数量ベースでは74%を占めています。

●新薬:ジェネリックの比率
 金額ベース ざっくり 9 : 1 
 数量ベース ざっくり 1 : 3

数量的には3/4がジェネリックになっているんですね。

新薬とジェネリックの開発期間と開発費を見てみると、新薬は開発期間はだいたい9-16年、費用は数百億〜1000億超となっています。長期間かつ巨額費用が必要なんですね。世界的に大手企業の合併が進むのもわかる気がします。

●新薬 開発期間:9-16年 費用:数百億円〜1000億円超

一方のジェネリックは開発期間3-4年、費用は数億円と言われています。

●ジェネリック 開発期間:3-4年 費用 :数億円

新薬の独占発売期間後(新薬の特許権存続期間と再審査期間の両方が終了するまで)でないとジェネリックは発売できないという制約はあるものの、それにしても開発期間、開発費共に新薬に比べてかなり負担が少ないですね。ちなみに新薬の特許存続期間は20年で延長が最長5年、再審査期間は新薬発売から新薬発売から8年から最長10年となっていますので、最低でも新薬発売から8年はジェネリックは市場に出てきません。

ほんとは世界・日本の製薬企業売上ランキングも一緒に触れようと思ったのですが、ちょっと長くなってしまったので別の機会にざっくりしたいと思います。

今日も東京はいい天気になりそうです。新型コロナで外出はなかなかできませんが、気分だけでもこのお天気のように過ごしたいですね。それではよい週末を!!


Source:
第一三共株式会社 医薬品業界について
https://www.daiichisankyo.co.jp/ir/individual/pharmaceutical/index.html

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