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納豆を買いに。

そうだ、納豆を買いにいこう。

っとずいぶん前から思っていたのに、出るのが億劫で本日に至る。すっかりゲーム漬けな日々に暫しの休息を…と、布団の温もりに後ろ髪を引かれつつも隣県へと車を走らせた。

先日の雪の名残が県境の山合に垣間見え、一山越えたら景色が一変するだろうかと、暖冬で雪の気配が感じられない身としては期待したのだが、なんの労もなく、目的地へと到着した。

ヘッダーの船納豆との出会いは学生の頃、当時隣県で独り暮らしをしていた私のところにお持たせで知り合いに頂いたのが切っ掛けだ。納豆に対して取り立てて拘りはなかったが、とても美味しい納豆だと今食べてもやはり思う。
麦や蕎麦が入っていたり、切り干し大根や黒豆など、種類があってなかなか楽しい。何より平素3パック98円の納豆を食べている身としては200円越えの納豆などなかなかスーパーでは買わないので、贈り物に貰いたい逸品だ。

せっかく外に出たので、宛どもなく車を走らせる。昨今の道の駅ブームのためかとても綺麗で品数豊富な道の駅を二つ。フードコートのご当地感はあるが、農作物直売所にフライヤー、豊富な自動販売機と綺麗なトイレ。だいたい造りが似通う道の駅。まぁ、高速道路のSAも似たようなものだし、ご当地感を満喫でき、かつのんびりとした休憩スペースにありつけるのはドライバーとしては有り難い限りなのだが。

道の駅で丸干しの干し芋をゲットし、冬の味覚を味わいながら、看板を頼りに走ると、己の知っている土地に吸い寄せられるのは人の性なのかもしれない。通りの道はずいぶん店が入れ替わり、新しい建物が増えたが、なんとなく知っている名残が感じられる町並みは冬の寒さを遠退ける気がした。すっかり寂れた母校を横目に大大回りしたドライブは終わり。

学生の時に感じた味を噛み締めていたら、卒業のそれ以来、顔を会わせなくなった知り合いを思い出す。