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他人に勝手に期待することの危険性

※この記事は『BLACK LAGOON』を読んだ方向けです。

『BLACK LAGOON』のロベルタ編(2回目)といえば、「ロックがガルシアたちを助けたのに、ファビオラに恨まれて撃たれた」という結末が賛否両論です。これについて色々語られていますが、ロックが撃たれた大きな原因は、ガルシアたちがロックに期待しすぎていたのではないかと思います。

単行本9巻 #76

ガルシアは最後ロックに「貴方はもう──この街の人間だ。」と言います。つまり、ガルシアは最初ロックを「この街の人間ではない」、正確にはロアナプラ住民らしからぬ善人だと思っていたのでしょう。これは、ガルシアが最初ロベルタ捜索を依頼したのがラグーン商会ではなく、ロック個人であったことからも伺えます。

単行本7巻 #51

ところが、序盤で張が見抜いていたように、ロックはガルシアが考えるような善人ではなく、他人の命をベットし、それを「人助け」と称する悪党でした(ガルシアやファビオラにはそう見えた)。

単行本9巻 #76

こう見ると、ガルシアたちはロックを勝手に善人と期待し、勝手に裏切られたと感じただけに思えます。ガルシアとロックの関係は謝礼を払い、ロベルタを捜索するという「取引先」でしかありませんし、依頼時に「非合法な手段はNG」と条件を出したわけでもありません。ロックが目的を達成できた以上、取引は円満終了であり、終了後に「そんな奴だとは思わなかった」と条件を後出しするのはルール違反でしょう。

※余談ですが、ガルシアがロックに過剰に期待していた理由は、ロベルタ編(1回目)のときにロックが無償で助けようとしてくれたからでしょう。だからといって勝手に期待して良いものではありませんが。

『BLACK LAGOON』はタイの犯罪都市ロアナプラを舞台にした作品なので、日本のビジネスシーンとは大きく異なりますが、「他人に勝手に期待する」のは結構やりがちなので、気をつけたいものです(明示的なすりあわせをせず、「勝手に」というのがポイント)。

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