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小説「泥沼の花」(11)

 そこの社長と面接したが、観光バスの運転手はいっぱいだから、タクシーに乗らないかと言ってきた。まあ、タクシーでも完全歩合制なので最初から稼げるのだからいいかと承諾した。
 
 正確にはタクシーではなくハイヤー。営業所で客からの電話で出向くか、駅待ちしかない。ひまだった。順番待ちをしてやっと仕事がまわってくる状態だった。友二は、その暇な時間に、二級土木施工管理技士の勉強をした。
 
 12月は忙しかった。食事も車内で走りながらパンを食べて走った。結果60人中8位の売り上げがあった。友二はタクシーを一生の仕事にしてもいいと考えていた。
 
 ところが、二級土木施工管理技士の試験に合格してしまった。合格率60%の試験だから、普通は合格するだろうが。それでも一応国家試験だからな。それで、友人のいる会社に移ることを決めた。タクシー会社には1年しかいなかった。
 
 またところがである。国土交通省内での仕事は開きがないから、江戸川の河川巡視員をやってくれないかと言って来た、月給20万円、アパート代は会社持ちという条件だった。土地がかわれば気分も変わるかなと承諾した。
 
 

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