15.お金持ちは、具体的な判断基準を持っている

⬜︎思考の「具体化 」
 
車を運転中にわき見をしてしまうと、自然と車がその方向に進むように、人は意識した方向に自然と進んでいきます。
より具体的な目的地があると、人はその方向めがけて進んでいくのです。
 
ところで、思考を具体化するときに、皆さまはどんな考え方で具体性を導き出しますか?
多くの人は思考を具体化するときに5W1Hと覚えているのではないでしょうか?
 
5W1Hとは、「When(いつ)・Where(どこで)・Who(誰が)・What(なにを)・
Why(なぜ)・How(どのように)のことをいいます。
 
 
⬜︎「6W3H」の9マスを埋め、Howを選択する
 
実は、5W1Hという具体化の思考では、「お金と時間と相手先様」が省かれてしまっているので、決してうまくはいかないのです。
お金持ちの在り方で述べたように、お金持ちは「お金・時間・健康・有効な人間関係」をとても大切にします。これらの要素が5W1Hから抜けているため、決してうまくいかないのです。
 
お金持ちは、「How Much(金額)・How Long(期間)・How Often(頻度)・Whom(対象者)」を含めた6W3Hを確認したうえで、最後にHow(手段)を選択するという習慣を身に付けています。
 
 その結果、6W3Hで具体化した自らの目的に合致する手段(How)をあれこれと選択することが可能になるのです。

もちろん、これが考えることであって、悩みから解放されることにもつながるのです。
 
 
⬜︎5W1Hでは、「豊かさ」は手に入らない
 
一方、5W1Hでは、誰に喜んでいただけるのかという対価の元、期間や頻度という継続性や回数などのプロセス管理、金額という達成レベルがポッカリ抜け落ちてしまっているのです。
 
これでは、金銭的・時間的なゆとりなどできるはずもありません。
 
How Muchというお金(水準)・How Longという時間(効率)・How Oftenという頻度(習慣化)・Whomという対象者(傍楽)を学ぶことのなかった日本人の多くは、無計画にお金を消費・浪費し、年を重ねるごとに窮屈な生活を強いられることになってしまったのです。
 
 
⬜︎「選択基準」を持たず、6W3Hがないと…
 
 いつの時代も、詐欺が横行しているとか、金融商品のパンフレットなどに書かれている細かい文字を見ていないから説明を受けていないだとか、「選択の基準」や「決断の基準」を持っていないことから起こる悲劇をよく見聞きします。
 
誰かのせいにしたいという気持ちはわかりますが、もはや起こってしまったことは過去に戻ってやり直すことができません。悪い結果を受け入れるしか選択肢がなくなってしまうのです。
 
何事においても、選択基準を身に付けることは「転ばぬ先の杖」を手に入れることに通じるのです。

⬜︎「○○に弱い」消費者
 
 「営業マンに勧められた」・「顧問税理士がこういった」・「親に反対された」など、誰かのせいにしてしまいがちなお金のこと。それもこれも、選択基準を持たず、手段を選択しようとした結末です。
 
①キャッシング・リボ払い…、とかく金融用語はとても横文字が多いのが特徴です。横文字を見ただけで、読み飛ばしてしまったりわかったふりをしたりすると、後悔することも多くなります。
 
②ガン保険・教育保険・女性疾病特約…、ガンを予防したり治ったりする保険ではありません。学費の物価上昇以上に増える保険ではありません。女性特有の病気ではない場合支払われません。消費者は商品名(ネーミング)にとても弱いという一面を持っています。
 
③利回り…教育費を一生懸命貯めながら、車をクレジットで購入したり、ショッピングをリボ払いにしたりしてしまいます。金利の計算は複雑なもので自分は苦手だと決めつけて、初めから比較しないことが多いのです。
 
④セールス…性格がいい、相性が合う、面白い、説明が上手という理由で人を信じて、こんなはずじゃなかったということも多々あります。自分の選択ミスを「いい人なんだけどね」というフレーズで片づけてしまいます。

 
⑤知っているもの…CMで見たことがある、看板をよく見かける、聞いたことがある、新聞に載っていたからという理由で、自分に合わない商品を購入していますが、知っているものには広告費をたくさんかけている可能性が高いのです。
 
⑥肩書き…酒気帯び運転をする弁護士、粉飾決算に加担する税理士、ヤブ医者、ハレンチ教師、似非(えせ)FPなど、いないわけではありません。また、それ以前に先生と呼ばれていますが、本来雇い主はお客様であって、彼ら(私を含め)は雇われ者です。会社で雇えばコンプライアンス担当、経理担当、教育担当、財務担当なのに、資格を取得すると先生と呼ばれる士業は偉い人だと思ってしまいます。
  
これら、いずれの選択基準も誰かのせいにして終わることが多いので、決していい結果には結びつかず、また同じような失敗を繰り返す原因となります。
 
ちょうどいいお金持ちは、自律と依頼を身に付けています。
決して、自立(何でも自分でできるようになろうとする)と依存(うまくいかない時や、知らないもの・わからないものを丸投げする)ではないのです。

この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?