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ZAIM 2023年08月号

資金調達 「借りる」その6 ~ 営業利益は支払利息の何倍あるのか ~

 今回の副題 「営業利益は支払利息の何倍あるか」 というのは、少しわかりにくいかもしれません。実はこれは 「インタレストカバレッジレシオ」 といって、銀行などの金融機関が融資の安全性を判断する際に用いられている指標なのです。計算式は以下の通りです。
 
インタレストカバレッジレシオ (倍) = (営業利益+受取利息・配当金) ÷ 支払利息割引料

 例1の会社は、本業の利益(営業利益)と預金利息で借入金の利息の2倍の利息支払い能力があるということです。 この数字 (倍率) が大きいほど、会社は利息を払う能力が高いことになります。 ということは、その分、有利子負債(借入)を増やす余力があるということにもなります。
 
  例2の会社は、営業利益と預金利息では借入金利息の支払がまかなえないということです。 インタレストカバレッジレシオの倍率が1を切ってしまうと、金利支払い能力のない (安全性が低い) 会社だと金融機関に判断されてしまいます。
  
 例3の会社も同様ですが、営業利益そのものがマイナスということで、本業では儲かっていないという、さらに別の安全性を疑われる結果となっています。
  
 業種によって違いはありますが、例1のようにインタレストカバレッジレシオが 2倍以上あると、標準的な返済能力を持ってるとみなされるようです。 10倍以上になると理想的でしょう。 逆に、1倍未満になると営業利益の範囲内で、利息分を返済することが難しい状態であるとみなされることになります。

 ※本コラムの記事はご理解いただきやすいように省略や簡略化していますので、すべての事例に対して正確性を担保しているものではありません。個別の事例や詳細な内容については他の解説記事等も参照してください。