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ZAIM 2022年08月号

社外CFO業務   ~ BSからキャッシュフローが見えるか? 2~
 
  
 前回はBSからキャッシュフローを見るときに、 「左上(現金・預金計)」 と 「右下(純資産の部)」 の両方の増減に注目することが重要だと説明しました。 今回は、それ以外の部分、つまり 「左下」 と 「右上」 について見てみましょう。 ポイントは、キャッシュを増やすには、キャッシュ以外の資産を減らすか、負債を増やすか、2つの方法がある  
ということです。

パターン1とパターン2を比べてみましょう。パターン1もパターン2も左上のキャッシュが350に増えています。また純資産は400で変わりはありません。ではどこが変わったかというと、パターン1では左下のキャッシュ以外の資産が減っているのに対し、パターン2では右上の負債が増えています。
 パターン1は、現在ある資産をキャッシュ化したため、総資産(資産合計=負債・純資産合計)は変わりませんが、パターン2は右側の負債を増やすことによって左側のキャッシュを増やしているため、総資産(資産合計=負債・純資産合計)は増えています。
 つまり、パターン1は保有資産のうちからキャッシュを増やす資金繰りであり、パターン2は外部要因による資金調達でキャッシュを増やしていることになります。
 
 資金繰りをするときは、状況に応じてパターン1とパターン2を使い分けることが必要だといえるでしょう。

<POINT>
・ キャッシュ以外の資産をキャッシュ化してキャッシュ増。
・ 買掛金や借入を増やしてもキャッシュ増につながる。
・ 状況に応じて二つを使い分ける。