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ZAIM 2019年05月号

BSを比べてみよう
 
 BSは一般的に左側に資産勘定、右側に負債勘定+純資産勘定で表されることが多く、左右が同額になることからバランスシート(BS)と呼ばれます。ではこれを、PL(損益計算書)やCF(キャッシュフロー計算書)と同じように縦一列に並べて書くのは間違いでしょうか。そんなことはありません。左右対称に並べるやり方を「勘定式」、縦一列に並べるやり方を「報告式」といい、いずれの方法をとってもかまわないのです。
 
 BSを下図のように縦に並べると、これまで解説してきた資産・負債・純資産の意味するところは見にくくなるかもしれませんが、利点もあります。それは、前期末のBSと当期末のBSを並べて比較しやすくなるということです。下図の点線の部分のように、比較すると前期末から当期末までのあいだに、資産がどれだけ増減したか、負債がどれだけ増減したか、純資産がどれだけ増減したかがわかります。
 
 下図を見ると、資産は100増加していますが、負債も200増加し、純資産が100減少しています。つまり、金額に換算できる会社の財産は100増えたけれど、負債(返さないといけないもの)が200増えて、純資産(返さなくてもいいもの)が100減ったということです。 したがって、純資産が減ったことで、会社の体力は前期末より弱くなっていると言えるのです。

<POINT>
・BSの左右を縦に並べると、前期と比較しやすくなる。
・資産が増えても「強い」会社というわけではない。
・純資産の割合が増えることが「体力」の強化。