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ZAIM 2021年08月号

社外CFO業務 (予算標準モデル)

 社外CFO業務をご依頼いただいたとき、最初に取組むのが 「目標設定」 です。
 
 目標には財務的なものと、非財務的なものがあります。たとえば、会社を安定的に発展させるとか、地域で一番を目指すとか、事業を通じて社会に貢献するとかなどは 「非財務的目標」 といえます。では、どんな状態になれば安定的発展や地域一番や社会貢献を達成することになるのかといえば、そのほとんどは計数であらわされることになります。これが 「財務的目標」 = 「予算」 ということになります。
 
 当事務所では、依頼者様のこれまでの実績に基づき、年間の財務目標 (予算) を設定することから始めます。これは、目前の数字を追うことから、年間ベースでとらえることに視点を変えていくためです。
 
 このときに、おもに経費について、その性質ごとにグループ化して見やすくします。たとえば 「人件費」 「広告投資」 「モノ投資」 「ヒト投資」 「その他一般経費」 というふうにです。
 年間予算が定まったら、それを12カ月に分けて月次予算を設定します。月次予算についても、前年の月次実績をもとに各月細分化して、それに対応した予算を決めてもいいのですが、当事務所では原則均等に按分して予算設定します。これも、まず 「予算」 という概念に慣れていただくため、簡素化して提案することによります。
  次号では、月次の実績を集計する 「予算集計表」 と、月次目標と実績を比較して見る 「予算管理表」 について説明します。

場合によっては、3年 ・ 5年後の中期目標を設定して、そこから年間の目標を決めていくという手法を併用することがありますが、中小企業や個人事業の場合、経営者が現状の課題に追われてなかなか未来の姿を思い描けないことも多く、かえって実現味のない計画策定になりかねないこともあるため、 まず身近な年間予算からの設定を基本としています。

<POINT>
・ 目標(予算)を意識してもらう。
・ 項目を集約して全体を俯瞰的にとらえる。
・ 予算の達成度合いで営業利益の変化を見る。