見出し画像

キャッシュフロー計算書と資金繰り表   ~ 違いと共通点 ~

これまで 「資金繰り表」 について説明してきましたが、では、 「キャッシュフロー計算書」 という言葉を聞かれたことはないでしょうか。今回は 「キャッシュフロー計算書」 (略して 「CF」 )と 「資金繰り表」 の違いと共通点について解説します。
 ざっくり言えば、2つは兄弟のようなものと考えてください。いずれも示すところは会社の資金収支(キャッシュフロー)を表しているのですが 「キャッシュフロー計算書」 は過去の資金収支を把握するものであり、 「資金繰り表」 は将来の資金収支を予測するためのものであるのです。


 
 また、上場企業には決算書の財務諸表の一つとしてキャッシュフロー計算書を作成する義務が課されています。 そのため、その様式や項目についてもきちんと基準が決められていますが、非上場の会社については作成義務はありません。 したがって、中小企業などではキャッシュフロー計算書、あるいは資金繰り表を作っていない会社も多いようです。できれば、会社が予測せざる資金不足を招かないためにも、過去の実績をとらえたキャッシュフロー計算書をもとに、将来の資金収支を予測した資金繰り表を作成することをお勧めするものです。

キャッシュフロー計算書と資金繰り表は作成方法においてやや違う部分があります。初めて資金繰り表を作る場合、その実績部分はキャッシュフロー計算書の作成方法を参考にしながらも、予測に使う方法との連続性を意識しておくといいでしょう。
 やや古い資料ですが、 「中小企業庁の会計ツール集(平成21年度改正対応版)」 ※ など、すぐに使えるテンプレートがネットで公開されているので参考にしていただけると思います。

※https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/tools/2009.htm

 本コラムの記事はご理解いただきやすいように省略や簡略化していますので、すべての事例に対して正確性を担保しているものではありません。個別の事例や詳細な内容については他の解説記事等も参照してください。