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売掛金と買掛金~ 回収と支払の時間差 ~

前回までは売掛金と在庫について、それぞれが資金繰りに与える影響を見てきました。 これは買掛金についてもいえます。買掛金の増加は資金繰りにとってはプラスとなります。 「買掛金」 とは 「支払うべき仕入債務」 ですので、逆に言うとまだ資金が支払われていない(流出していない)状態であるわけです。 売掛金の回収期間が買掛金の支払期間よりも短ければ資金繰りにはプラスになりますが、逆に売掛金の回収期間よりも買掛金の支払期間が短ければ、場合によっては資金がマイナスとなることがあります。つまり、売掛金と買掛金だけで考えると、売掛金の回収はできるだけ早く、買掛金の支払はできるだけ遅くするのが資金繰りにとっては望ましいのです。しかし、当然のことながら売掛金と買掛金には相手先が存在します。 その場合、自社にとってプラスの要因は相手先にとってはマイナスとなり、 自社がマイナスの要因は相手先にとってプラスであるということになります。 自社と相手先の関係は、支払・回収の条件だけでなく、仕入・販売の価格、供給、その他のサービスなど、ビジネス上のさまざまな要素がからむので、一概に 「これが正解」 というものはありません。従って、常に売掛金と買掛金のバランスをよく見ていくことが、資金繰りにとって重要であると言えるのです。

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