ZAIM 2021年06月号
社外CFOはなぜ税務顧問がふさわしいか
(1)税務顧問業務とは
大企業はもちろんのこと、ほとんどの中小企業は税務顧問を持っておられるでしょう。また、個人事業主においても、税務申告等をご自分でせずに、税務顧問に依頼されている例は少なくありません。なぜなら、税務関係の業務はとても煩雑で、それなりの専門性を必要とし、また細かな制度の変更が毎年のようにあるからです。
赤字で示した部分が、税務顧問としての役割と特徴だといえそうです。ただしこれは、税務つまり税金にかかわる範囲でのことがらになります。これらの業務の特徴は、 「いずれも(該当する場合)必要不可欠な作業」 であり、 「確定した事実(数字)に基づく書類作成・届出」 であるということです。
税務代理(確定申告・青色申告の承認申請、税務調査の立会い、税務署の更生・決定に不服がある場合の申立てなどについての代理)➡ 会社の内容をよく知っている
税務書類の作成(確定申告、相続税申告書・青色申告承認申請書、その他税務署などに提出する書類の代行作成)➡ 時系列的に会社の状況をよくとらえている
税務相談 ➡ 会社が持っている課題を理解している
会計業務(税理士業務に付随した財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行、その他税務に関する事務)
➡ 具体的な数字を把握し、財務諸表として組み立てられる
(2)社外CFO業務とは
社外CFOの業務は 「必要ではあるが税務上は不可欠ではない作業」 で、 「過去の数字を駆使した未来予測と問題解決」 といえるのです。数字(財務情報)を基にして会社の方向を見極めるという 「専門性」 と 「経験」 が絶対的に必要になる業務でもあります。
そうすると上記のように、普段から計数を介してかかわっている税務顧問が適任であることは言うまでもないでしょう。
社外CFOの業務としては以下のようになるといえます。
会社の内容をよく知っている
➡ 現状の客観的な分析(財務分析表など)
時系列的に会社の状況をよくとらえている
➡ 過去から方法を見出し未来への展望を開く(経営計画書など)
会社が持っている課題を理解している
➡ 具体的な問題解決の提案(資金繰り表・資金計画書など)
具体的な数字を把握し、財務諸表として組み立てられる
➡ 数字(財務情報)とKPIなど非財務情報によって計画立案(事業計画書・損益計画書など)
<POINT>
・ 税務顧問は会社の内容をよく知っている。
・ 社外CFOはそれをもとに会社の未来を経営者に示す。
・ 数字を把握しない社外CFOは役に立つか?