見出し画像

ZAIM 2018年04月号

(1)損益計算書(P/L)


損益計算書(P/L:Profit and Loss statement)は、主要な財務諸表のうちの一つです。(ほかは貸借対照表とキャッシュフロー計算書)P/Lはある期間中にどれだけ利益(または損失)が出たかをあらわしたもので、いわば企業の『成績表』といえます。P/Lは実績をあらわしたものですが、今後どのぐらいの期間でどれだけの利益を残そうとするのかを計数的にあらわしたものがP/L予算ということになります。

(2)P/LとKPI


P/Lは財務諸表として確定した数字による財務情報で表されます。それはP/L予算についても同じことです。では、これまで説明してきたKPIとの関係はどうなるのでしょう。一言でいえば、企業の活動のほとんどが非財務活動なのです。その活動の成果が、財務情報であらわされるものも多くあるのですが、成果に至る過程は非財務活動ばかりといっていいでしょう。例えば、営業するのにパンフレットを作る、車を運転する、電話をかけるといった行動は、最終的な売上などで金額に換算されるまでは、財務情報で表されることは原則としてありません。
では、最終的な財務情報まで数値管理しなくてもいいかというと、そうではありません。目標にしているP/L(P/L予算)を実現するまでの過程の
非財務活動についてもKPIとして数値化し、1つ1つクリアしていく必要が
あります。
あと、忘れがちになりやすいのが、KPIの検証です。目標達成ために設定したKPIが良かったか、次回のKPIをどうするのかの検証です。この時に注意すべきはKPIの数を増やしすぎないということです。当然にKPIの数を増やせば増やすほど、マネージャーは現場の行動を管理しやすくなります。しかし、現場は業務をより煩雑に感じたり、効果的でないKPIについては、こんなことやっても意味ないよ、と感じたりします。KPI検証で重要なことは、結果達成により効果的なKPIは何か?を考え、設定することで、ただむやみにKPIを増やせばいいということではないということです。当たり前のことかもしれませんが、実際にやってみると思いのほかできていない場合が多いです。

<POINT>
・KPIはP/L予算達成に関連しているものを設定すること
・KPIの検証を行い、より効果的なKPIを設定すること