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ただのつぶやき

気象キャスターになったばかりの頃、使って怒られた言葉があります。

「あすは、残念ながら雨でしょう。」

これです。

雨が残念だなんて固定概念でしかありませんからね。大人になるまでに、大切な行事に雨が降って中止になってしまったり、お気に入りの洋服が雨で濡れて悲しくなったり、そんな経験を重ねたりして、いつのまにか『雨=残念』という思い込みができてしまっていました。

でも、雨を待ち焦がれている人もいるのです。はじめて傘と長靴を買ってもらったあの子かもしれないし、少雨で農作物の出来を心配しているあの方かもしれないし、ダムの水が枯れそうなあの地域の方々かもしれません。

雨は、ただの雨。良いも悪いもないのです。ただの自然現象。

でも、そこにわたしたちは勝手に意味づけをして、残念だの嬉しいだの言っているんですね。もちろん、雨にも悪意はありません。

雪もそう。きょう降れば「ホワイトクリスマス」だなんて喜ばれるけれど、普段は、雪かきが大変だの、ぞっとするだの言う人もいます。

雨も雪も、ただの自然現象。良いも悪いもないのにね。勝手に意味づけをしているだけなのです。

雨が残念って思って生きていることに気づいたとき、雨上がりの水たまりが大好きな息子の顏が浮かびました。大好きな長靴をはいて、何度も、水たまりに入ってみたり出てみたり、しゃがんで手でパシャパシャしてみたり。

ね、やっぱり雨はネガティブだなんて、思い込み。

事実はひとつ。
「あすは、雨が降るでしょう。」

良いも悪いもないですね。

今夜はただのつぶやきでした。またね。
気象予報士ざいちゃん







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