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試聴公開1周年 今こそ振り返る「未来ハーモニー」の小ネタ集

 6月9日といえば「未来ハーモニー」の試聴PV公開日。いわばアニメーションとして動く新しいニジガクが誕生した記念日です。

このタイミングで公開時からメモとして残していた小ネタを書き起こしてみました。小ネタと言いつつそれっぽい話からホラーまで含まれるので実質かき集め集みたいなものです。既出ネタもあるでしょうから肩の力を抜いてご覧ください。

じゃあ出発 Ready Go!🌈💨

そもそも:「未来ハーモニー」の方向性

 このPVの方向性については河村監督が説明をされています。

つまるところ、あり得たかもしれない虹ヶ咲(Ifのニジガク)と実際にあった虹ヶ咲の両面が混ざっていそうなのがこのPVです。そんなわけでなるべくPVからアニメを見る視点とアニメから振り返る視点の両方で書いてみます。

アニメに引き継がれた最初の文字演出

未来ハーモニー

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テレビアニメ第1話

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「無敵級*ビリーバー」を含め作品名やグループ名を差し込むスタイルがテレビアニメでも踏襲されました。先代とは違いPV・テレビアニメが互いに繋がっている統一感ある作りになっていました。

ピチカートとゆりかもめの接近チャイムの類似

 イントロのポンポンポンポンを聴いてから以下を聴いてみましょう。

なんか似てますよね...と思っていたら詳しいフォロワーさんから同じ音程と教えて頂きました。マジか...。

このチャイム自体はゆりかもめ以外でも広く使用されています。それでも3曲中2曲で絶妙にゆりかもめが差し込まれるタイミングでされるあたり、何か意図的なものを感じたくなります。

折角なので脱線は承知で2曲についても取り上げおきましょう。「虹色Passions!」についてはこちら。

「無敵級*ビリーバー」については「一人ぼっち歩く夜」でレインボープロムナードのゆりかもめと東京ビッグサイト駅をまたぐ場面で出発チャイム音に近い音色が聞こえます。

...ホラーですね🤔 (解き明かされる日は来るのでしょうか)

光を見るカットとアニメの繋がり

 アニメに向けてトキメキや輝きと向き合うような演出と思しきニジガクたち。アニメ放送後に振り返るとそこにはテレビアニメを彷彿とさせる組合せが浮かび上がります。

かすみ:PVの中心人物・アニメ第2話

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彼方・果林・しずく:アニメ7~9話組

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エマ・愛・璃奈:4~6話組

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連番になる3人が2カット続くところが分かりやすいですね。少々脱線しますが、後者の3人がいる学園の階段踊り場と思しきところはテレビアニメも含め唯一虹ヶ咲学園らしくない場所です。

歩夢・せつ菜:アニメのストーリーを率いた2人

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主人公の幼馴染みとその背中を何度か押していく生徒会長の並び。

高咲侑:主人公がちゃっかり登場

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意味ありげな仕草は自身の存在をまだ秘密にしておくニュアンスなのか、それとも一連のカットを踏まえたキャラクターの物語(=未来)はまだ秘密だよと言ってるのか。2人だけが光を横に受けている様子ももしかしたら特徴的なのかもしれません。

そんなわけでテレビアニメの片鱗を感じさせる作りになっており、文字通り予告としての側面が込められていた場面でした。

ロケハン時期の話

 手がかりが少ないながらも分かりやすいのがこの看板。

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りんかい線全体を通して2019年秋頃までに差替が行われています。よって、少なくともそれくらいの時期にはロケハンしていたことが察せられます。その後のアニメでも2019年夏~2020年5月頃にロケハンしたと思しきカットが見受けられるため、広く行われていることが見受けられます。

朝香果林さんは迷子だったのか?

 レインボーブリッジから遠ざかるようで迷っていると言われる果林さん。

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この場所はアクアシティお台場 5Fの展望フロアに当たります。

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2人が走る先には下へ降りる階段があります(来た方にも階段があります)。そこからスカイウォークを通って7人に合流したとすればごく自然なルートとなり、実際には迷っているとは考えにくいです。果林さんの名誉のためにも、そもそもシリアスシーンで迷わないでしょうと思いつつ...。

ただ、俯瞰するとテレポートブリッジからなぜ遠回りのアクアシティにいるかについては疑問の余地があります。近いデックスだと歩夢・せつ菜とロケ地が被るからでしょうか...。

果林・彼方回の可能性?

 先ほどと同じカット。

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テレビアニメ本編では果林さんが彼方ちゃんを引っ張るような構図の展開は見受けられませんでした。こうした本編では見受けられなかったところに、もしかしたかもしれないニジガクのストーリーを見いだせそうなところもアニメ後に生まれた楽しみだと思います。

ニジガクがいた場所と走る方向について

場所

 学内を除いて台場・青海の観光商業施設エリアに集中しています。詳しく知りたい方はこちら

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予告ということでザ(ジ)・お台場なところをピックアップしてきたのかもしれません。そんな何となく見覚えのある景色を見慣れない夜で描いたことがこのPVを特徴付けるものになりました。個人的にも夜のお台場を撮るのが楽しくなりました。

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走る方向

なんとなくお台場海浜公園(⑭)に向かってそうなことは分かります。

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それ以上に言えることもないなぁといったところですが、よく見ると逆走してるペア(⑪)がいることに気付きます。

なぜか遠ざかるしずくと璃奈

 逆走しているしずく・璃奈の2人は最初からレインボーブリッジ近くにいて光を目撃しますが...

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サビに入ると何故かお台場SKYツーリストインフォメーションなどがあるテレポートブリッジへ遠ざかりパレットタウン方向へ走っていきます。

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地図に示してみるとこんな具合。

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でも最後はお台場海浜公園に集合してます。明らかにおかしい点において、実は果林さんの迷子疑惑よりもよほど腑に落ちないポイントではあります。

消えた制服せつ菜とテレビアニメ第3話

 お台場海浜公園の桟橋で何故か登場しなかったせつ菜。

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アニメ第3話から振り返れば中川菜々がスクールアイドルであるネタバレを回避するために正面の姿を描かなかったように感じます。ただ、上を飛んでいく光にはせつ菜色もあることから、物語のきっかけを作った彼女は実は歩夢の前を走っているのかもしれません。

とにもかくにも、その後髪を解いてせつ菜になっていくシーンは第3話で見事にほぼ同じアングルで回収されました。

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テレビアニメでもお台場を走り抜けたニジガク

 サビでは各々走ってお台場海浜公園に集まりレインボーブリッジへワープしてます。そしてアニメ第13話のクライマックスでもペアでお台場海浜公園の展望デッキから虹ヶ咲学園へ走って行くシーンが差し込まれました。

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そこだけを切り取って2つの関連性を断じるのは難しいですが、ニジガク最初の歌が「TOKIMEKI Runners」で走る(Run)を冠していることもあり、何かしら表現として走る行為にこだわりがあるのかもしれない一面は感じられます。ほかにも「虹色Passions!」衣装にはタスキのような意匠が取り入れられてますし、「NEO SKY, NEO MAP!」の出だしも「ゆっくりと走るこの道」ですし、たまたまとはいえ侑・歩夢が走る場所をはじめ一部は臨海副都心ランニングコースのルートだったりもします。

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(細かい話として侑・歩夢のカットはPVのラスサビとほぼ同じ場所です)

レインボーブリッジを貸し切ることのスゴさ

 海に挟まれた臨海副都心への足として1993年に開通したレインボーブリッジ。曲線の美しさを特徴とする女性的とも言えるデザインや、豪華客船の通過に対応すべくループ橋が設けられていることなどが有名です。

「未来ハーモニー」のメインステージはレインボーブリッジの上層に当たる首都高速11号台場線を使用しています。実際にそんなライブパフォーマンスを見てみたいところではありますが、公共性が非常に高く封鎖すると迂回などの渋滞を招くこともあり、橋を貸し切った形でのイベントはこれまで開通時のウォーキングイベントやオリンピック招致に向けたランニングイベントなどに限られています。

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レインボーブリッジを封鎖できないことで有名な「踊る大捜査線」のロケも実際には別の建設中の橋で行われました。

(開発途中のお台場を舞台にした異色の刑事ドラマ、物語はもちろん虹ヶ咲の頃より殺風景な景色も面白いですよ)

そんなわけで現実に照らしてみると、レインボーブリッジを貸し切って歌う光景はいわばオリンピック開催に比肩する一大イベントをやってのける凄みがあります。

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また、この橋自体は東京港のシンボルとして細部のデザインやライトアップまでどう見せるか細かく決められてきました。

そんな橋はこれまでアニメで爆撃されたり地震で崩落するなどしてきましたが、令和になってレーザー演出全開でアイドルが踊る様子を見たら当時検討を進めてきた人達もさぞびっくりすることでしょう。(それだけの知名度と象徴になれたわけですね)

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テレビアニメではレインボーブリッジ自体は景色やニジガクがいる一コマに留まっていましたが、お台場の観光エリアを中心に登場した「未来ハーモニー」ではその筆頭の場所として選ばれるべくして選ばれたような感じます。

最後に:ポスト「未来ハーモニー」への期待

 監督いわく当初はドラマパートを長くしてアニメーションを作らない話もあったという「未来ハーモニー」。アニメ化前から虹ヶ咲はどこへ向かうんだろうと思っていた身には、そうしたモヤッとしていた時期まで汲んで動き出す歌詞とその動き出した姿の目指す方向性を描いてきた映像は鮮烈でした。ある種の原体験や拠り所として3rd Live!まで繋いできた映像と言えます。※もちろん今後も寄り添い続ける歌でもあります

ひとえに映像化してくれて感謝。(好き過ぎてこの怪文書も生まれました)

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一方でめでたく第2期制作が決まりRoad to Next TOKIMEKI Stories Projectが始まった今、次のストーリーに向けた新曲とPVを見たいと考えたくなるものです。タイミング的にはAqoursで言うところの「Landing action Yeah!!」みたいな立ち位置にある歌でしょうか。ともかくも次のソロPVと合わせて新作を期待したいですね。

蛇足

 ちなみに自分が「未来ハーモニー」の映像をどんなものと思っているかは試聴PVの時に書いており、今でも割と外してなかったなとは思い込んでてあまり捉え方が変わっていません。よければそちらもご覧下さい。


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