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#29 明訓vs弁慶 <2年夏・甲子園大会二回戦>

今回の一戦はドカベンの作中で一番の問題作vs弁慶高校戦です!
岩鬼・山田は大恩人であり超人めいた武蔵坊に対しどのような攻略方法をみせるのでしょうか?明訓監督・土井垣の講ずる作戦とわ?

また、過剰な大観衆につき、当時甲子園についていたラッキーゾーン(ブルペン)すらも解放し、6万5千の大観衆を入れて、世紀の一戦の幕開けです!!

【スターティングラインナップ】

<先攻:明訓>
①2山田 ②4殿馬 ③8山岡 ④5岩鬼 ⑤7微笑 ⑥6石毛 ⑦7仲根 ⑧9今川 ⑨1里中

<後攻:弁慶>
①5富樫 ②6牛若 ③1義経 ④9武蔵坊 ⑤4安宅(あたか) ⑥8平泉 ⑦2鞍馬 ⑧7白河 ⑨3千本桜

お話はゲーム開始前に戻ります。
TVでインタビューを受ける弁慶高校の義経。「初回初球はストレートど真ん中」と予告します。
これを見た土井垣監督。一番山田を閃くわけです。

コレが後々影響を与えてくるわけですが・・・

ってなことでプレイボールです!

一回表明訓の攻撃は一番山田から。
マウンドは義経。握りを見せ予告投球です。

初球!予告通りのど真ん中ストレート!コレを山田、スイング一閃!ライトスタンド上段に飛び込む先制アーチ!!

明訓1ー0弁慶

さらにネクストの殿馬。三球のストレートのストライクを見逃し三振。
ベンチ裏のスピードガンを持っている野球記者やスカウトに、
【初球】135の132/【二球目】138の135/【三球目】140の138
と呟きます。初速と終速をピッタリ当てる訳です。

ちなみに初速と終速の差が少ない程、ストレートがホップして見えるとか、ノビるとかキレるちか言われます。
ちなみに実際のプロでも平均初速が148キロで平均終速が136.3キロと随分と差があります。現在と当時のスピードガンの性能の違いがあるとは思いますが。
コレは置いておきましょう。

山岡、岩鬼も三振でチェンジとなります。

一回表終了
明訓1ー0弁慶


一番富樫三振。二番牛若、カーブがユニフォームのすそをかすりデッドボール。三番義経送りバントで、ツーアウトランナー二塁で四番・武蔵坊。

放った打球は三塁ファールフライ!しかしサード岩鬼、岩鬼母への「救いの腕」を思い出し、ついグラブから落としてしまいます。

この際、グラブに当てた地点がファールゾーンだったため、ファールとなります。
武蔵坊、気合の足りない岩鬼を叱責します。
続く投球。武蔵坊の打球は痛烈な流し打ちで打球は三遊間。サード岩鬼、横っ飛びでスーパーキャッチ!!同点のピンチを0点で逃れます!


一回裏終了
明訓1ー0弁慶

回は三回表。先頭山田、フォアボールで出塁。殿馬、送りバント。
バントは義経真正面。二塁も間に合いそうでしたが、敢えて一塁に投げます。
ワンアウト二塁。続く山岡、レフト前ヒット。二塁ランナー山田は三塁を回りますが、余裕のタッチアウト。
山田の唯一の弱点、鈍足を狙った作戦だったのでした!
岩鬼三振で0点でした。

武蔵坊から、ドカベンファンにはお馴染みのあの名言が、

「かえす男(山田)がかえる男になり、かえる男(岩鬼)がかえす男になる。 明訓の今までの戦いに このパターンは一度もない 明訓の戦いのリズム崩れたり」

四回表終了時点
明訓1ー0弁慶

場面は四回裏、バッターは弁慶四番・武蔵坊。カウントツーツーと来てますが、なかなか打ち取れません。
二塁殿馬が「めんどくせぇづらから、ど真ん中ストレートいけずら」と声を掛けます。

山田、何かを閃き里中にサインを送ります。
里中の投球!なんとオーバースロー&投じる球種はフォーク!
武蔵坊、つんのめりながらもジャストミート。コレが鋭いヒット性の打球となりますが、殿馬、ジャンプ一番でキャッチの超ファインプレーをかまします!!スリーアウトチェンジとなりますが、「完全に裏をかいたのに完璧にとらえられた・・・もう打つ手がない・・・」と途方に暮れます。


五回の表。先頭、今川三振でワンアウト。次打者は里中、セーフティでセーフ。
次打者はこのゲーム一番に入っている山田、痛烈ライト前ヒット!
しかし、強肩武蔵坊。一塁に送球しライトゴロに仕留めます。
ツーアウト二塁で打者は殿馬。
殿馬が気味悪く思うライト武蔵坊。敬遠により満塁を指示します。

ツーアウト満塁とし、打者は岩鬼。
岩鬼敢無く三振で無得点です。

七回表終了時点
明訓1ー0弁慶

七回表も敬遠作戦で岩鬼勝負で0に抑え

回は進行し7回裏。

先頭・義経、ボテボテのサード内野安打。
打者は四番武蔵坊。
敬遠です。捕手山田立ち上がり、里中も従い敬遠しますが、武蔵坊強引に打ちレフトスタンドへ!逆転のツーランホームランです!

七回裏終了時点
明訓1ー2弁慶

回は九回表、先頭今川、ピッチャーフライでワンアウト。
里中三振でツーアウト。
最後の打者・山田。この日二本目となるソロホームランがライトスタンド最上段へ同点弾です!

九回表終了時点
明訓2ー2弁慶

九回裏先頭は弁慶・牛若、サードフライでワンアウト。
打者・義経、三塁線をやぶるレフトへのヒット。レフト微笑ファインプレーと強肩でシングルで止めます。
ワンアウト一塁で武蔵坊。放った打球は痛烈なライト前・・・かと思いきや、殿馬ジャンプ一番!も、グラブが持っていかれます。セカンド内野安打となり、ワンアウト一塁二塁。

いよいよ、ドカベン史上最大の見せ場のシーン。
打者は五番安宅。ピッチャー返しでセンター前に抜けそうな打球!

これをセカンド殿馬、横っ飛びでファインプレー!
殿馬、グラブトスでセカンドフォースアウト。ショート石毛、一塁転送!この送球が武蔵坊の顔面に当たります!!

跳ねたボールを殿馬がキャッチしバックホーム!

送球は右にそれますが山田キャッチ。そしてタッチへ。
これを義経、高々とジャンプし交わします!実況は「八艘とびーー!!」

さらに義経は空中で回転し、ベースにタッチ!

弁慶高校サヨナラ勝利!!!
ついに、無敵の明訓、山田・岩鬼・殿馬・里中が入学野球部入部後、初の敗戦となりました!!

顔面に投球を当てた武蔵坊、仁王立ちから転倒・・・額からちが吹き出ています・・・

武蔵坊は医務室に運ばれます。弁慶高校はグラウンドで校歌の斉唱です。

なんとも後味の悪い勝利となってしまいました・・・

「プロ入りは打倒明訓をはたしてから」と言っていた、土井垣のライバル・土佐丸高校・犬飼小次郎は、前年のドラフトで指名してくれた南海ホークスの球団事務所に向かい、遂に南海への入団への運びとなったのでした!


次回の#30は、Interlude:土井垣 編です!!


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