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2023.03.12            【引退選手名鑑'22:内海哲也】

引退選手名鑑’22。最終回となる今回は内海哲也さんの特集回です。
まずはプロフィール。
うつみてつや。 1982年4月29日生まれ。
京都府城陽市出身。
左投げ左打ちの投手。186 cm92 kg。
2000年代の巨人を代表するエースです!

でわ、高校時代から。

高校は敦賀気比高校。【北陸のドクターK】
第30回明治神宮野球大会準優勝。第72回センバツ甲子園、残念ながら他の部員の不祥事で出場辞退となりました。
とあるスカウト曰く「あの大きなカーブと角度のあるストレートは高校生では打てない」と言われる。最速144キロのストレートと緩急を武器に一試合の奪三振数は14個を超える。そんなピッチングスタイルでした。

ドラフト上位指名候補ではあったが、祖父が元巨人の野手であったというコトもあり、「巨人以外は行かない」と表明。
他球団は指名を回避すると目されましたが、オリックス・ブルーウェーブが一位で指名。当時の監督・仰木彬からの直電で内海の気持ちも揺れたが、巨人は内海と同じ気比の捕手・李を8位で指名。コレが内海の巨人入りへの思いを強め、結果的に社会人の強豪・東京ガスに就職。2年後のドラフト指名を待つこととなります。
2003年、第74回都市対抗のシダックスの補強選手として出場準優勝。同年ドラフトの自由獲得枠で巨人が指名。背番号は祖父と同じ【26】。

2004年の一年目22才、一軍のマウンドを踏むも勝ち星はつかず。
イースタンでは9勝を挙げ、最優秀防御率受賞。
一軍:3試合登板。14イニング投球。0勝0敗 5.14 13K

2005年の二年目23才、当時の堀内監督に才能を認められ、開幕ローテ入りを勝ち取ります。4月、プロ初勝利を含む3勝と好調も6月以降は急ブレーキ。
一軍:26試合登板。114.1イニング投球。
4勝9敗1H 5.04  76K

2006年の三年目24才、開幕は中継ぎスタートするも、当時巨人の左腕エース・高橋尚成がケガ。4月8日中日戦から先発に配置転換。
このゲーム、6回無失点でシーズン初勝利。
4月15日ベイスターズ戦でプロ初完投勝利。
7月2日阪神戦でプロ初完封と、いよいよエースとしのて頭角を現しはじめます。
スライダーの習得が上手くいき、シーズン12勝。
オールスター・日米野球にも出場。
マイナス面もありまして、打線の援護に恵まれず、シーズン13敗。
また、暴投9はリーグ最多タイ。対左打者の被打率も高く、多くの課題も浮き彫りになりました。
オフには2000万増の年棒4000万で契約更改。倍増です。

一軍:31試合登板。194イニング投球。
12勝13敗1H 2.78 179K

2007年の四年目25才。3月30日横浜戦で初の開幕投手。7回2失点で開幕戦を勝利で飾ります。
前年の12勝を上回る14勝をあげ、高橋尚成と同数の勝ち星を挙げ、さらに初タイトル・最多奪三振を獲得します。
CSでは中日に三連敗。シーズンでは中日戦を得意にしていた内海もうたれました。
その後、巨人はヤクルトの主戦投手・セス・グライシンガーを獲得。
内海は、とあるイベントでこの補強に対しての球団批判めいた発言をし、公式ホームページ閉鎖・厳重注意などの憂き目にあいました。

一軍:28試合登板。187.2イニング投球。
14勝7敗1H2完投 3.02  180K 最多奪三振

2008年の五年目26才。春季キャンプで脇腹を痛め、オープン戦も登板不足もローテの軸として活躍。二桁勝利。
与四球68はリーグワースト。前年4勝1敗とカモにした中日戦に0勝5敗だったが、対阪神戦には相性がよく後半の対阪神戦には3戦3勝。
メークレジェンドに貢献。
日本シリーズに2試合登板も西武に日本一を奪われます。
このシーズン、被本塁打7本で、規定投球回数達成投手では楽天・岩隈、阪神・岩田と並ぶ最少の被本塁打数でした。

一軍:29試合登板。184.1イニング投球。
12勝8敗2完投1完封無四球2 2.73 154K

2009年の六年目27才。開幕前に第二回WBC出場。「お前さんたちゃ・・・」でお馴染みの原監督の時の侍ジャパンですね。

3月20日韓国戦に先発。頭部死球を出すなど乱調。3回1失点で降板。今大会唯一の登板となってしまいました。
侍は2大会優勝となりましたが、「偽侍」という汚名を受けてしまいました・・・
シーズンでは5月4日阪神戦終了後二軍行もしますが、復帰後は復調。
9月には1完封を含む4勝 1.16で自身初の月間MVPを獲得。

シーズン最終戦の対ヤクルトで好投するも、リリーフが打たれ4年連続二けた勝利を逃します。が、
チーム日本一への貢献は果たしました。過去最多のイニング数を投げ、与四球も減らしましたが、被本塁打増、奪三振減。
そんなシーズンでした。

一軍:27試合登板。179.2イニング投球。
9勝11敗3完投1完封無四球3 2.96 113K

2010年の七年目28才。選手会長に就任。2013年まで務めます。
3月26日ヤクルトとの開幕戦で二度目の開幕投手。8回1失点で勝投手。
夏場に中継ぎ移動を受けますが、再度先発へ。
早い段階で撃たれ、防御率が4点台に落ち込むも勝ち星は二桁達成。

一軍:27試合登板。148イニング投球。
11勝8敗2完投1完封無四球1 4.38 121K

2011年の八年目29才。この年の開幕投手は東野に奪われるも、自身は好調なシーズンでした。4月13日ヤクルト戦で初勝利。5/6~6/18まで破竹の7連勝。5月に月間MVP獲得、さらに交流戦優秀投手賞を獲得!
新たに習得したフォークも活き、リーグ最速二桁勝利達成。
9月25日阪神戦で15勝目を達成。1979年新浦以来32年ぶりの左腕15勝投手に。
10月22日対横浜戦。長野の代打逆転サヨナラ満塁本塁打で、内海は18勝目。中日・吉見と分け合う形で最多勝獲得。巨人では1969年高橋一三以来の42年ぶりの左腕最多勝投手となりました。また、防御率リーグ2位 1.70。
CSファーストヤクルト戦で6回1失点&スクイズ成功で勝ち投手にもなりました。
契約更改では1億増の2億2000万で更改しました。

一軍:28試合登板。185.2イニング投球。
18勝5敗4完投1完封無四球0 1.70 144K 
最多勝【キャリアハイ】

2012年の九年目30才。2年ぶりの開幕投手も黒星発進。
4月12日中日戦で史上130人目の1000奪三振達成。
交流戦では4勝0敗 1.29 初のセリーグ優勝に貢献。MVP獲得。
7/16阪神戦~10/5横浜戦まで8連勝を達成。
巨人では斎藤雅樹以来の二年連続最多勝。二年連続防御率1点台もタイトル獲得までには至らず。
CS、日シリ登板。相手は日ハム。
日本シリーズMVP。WBC侍候補に選出。
4年4億で契約を更改。

一軍:28試合登板。186イニング投球。
15勝6敗3完投2完封無四球0 1.98 121K 
二年連続最多勝

2013年の十年目31才。第三回WBC出場も振るわず・・・
6月18日バンク戦勝利でプロ通算100勝達成。
8月6日横浜戦で1500投球回数達成。
4年連続二桁勝利達成。
日本シリーズ進出も3勝4敗で敗退。対戦相手は楽天。
内海自身は優秀選手賞受賞。

一軍:23試合登板。160.1イニング投球。
13勝6敗3完投2完封無四球0 3.31 107K

2014年の十一年目32才。不運のシーズン。好投するも9試合連続勝ち星無し。
5月29日楽天戦でシーズン初勝利。しかし左肩違和感で登録抹消。7月までで1勝のみ。
8・9月に復調で6勝。DeNAをカモにしました。
阪神とのCS。内海はCS開幕を務めるもチームは4連敗で敗退。

一軍:22試合登板。144.2イニング投球。
7勝9敗2完投2完封無四球2 3.17 105K

2015年の十二年目33才。このシーズンはオープン戦で左腕をケガをしてしまい、二軍スタート。
シーズン初登板は6月5日vsソフトバンク戦。4回途中5失点でKO。即日二軍行きとなってしまいます。
7月29日に再昇格。この日のベイスターズ戦。6回2失点と好投しますが、足のアクシデントで降板。リリーフが打たれ勝ち星も逃してしまいます。再度登録抹消。8月12日再昇格。ベイスターズ戦先発も5回2/3を4失点。しかし、打線の援護・リリーフ陣の好投でシーズン初勝利をあげました。
10月4日ヤクルト戦でシーズン2勝目。
CSではファイナルステージのヤクルト戦での初戦先発、好投も報われずCS初勝利を逃します。チームはヤクルトに3敗を喫し日本シリーズ進出はなりませんでした。

一軍:5試合登板。23.1イニング投球。
2勝1敗 5.01 10K
一軍定着後、ワーストのシーズンとなりました。

2016年の十三年目34才。ケガと不振のシーズンです。7月19日vs阪神で一軍昇格。このゲームは緩急が冴え二年ぶりの二桁奪三振勝利を治めます。
ピッチングスタイルをモデルチェンジしたシーズンと言えるでしょう。
投球術と牽制、クイックなどを駆使し、最終ゲーム好投もリリーフが打たれてしまい、二桁勝利には届かなかったが9勝。
投球イニングも100を超えたが、規定投球回数には届きませんでした。
チームはCS敗退、そして3年連続二桁勝利に届かなかった内海、契約更改では2億円減の年棒2億で更改しました。

一軍:18試合登板。107.1イニング投球。
9勝6敗 3.94 81K

2017年の十四年目35才。このシーズンは開幕からローテ入り。自らタイムリーを放ち勝ち星を手繰り寄せたゲームもありましたが、他の投手との兼ね合いなどもあり、登板数が減少。思ったような成績を収めることができず、二年連続の50%減、年棒1億円で契約を更改。

一軍:12試合登板。57.2イニング投球。
2勝7敗 5.77 34K

2018年の十五年目36才。このシーズンが巨人での最後のシーズンとなります。二軍スタートだった内海。シーズン初勝利は5月10日対阪神戦。7月31日にはベイスターズ戦で4年ぶりの完封勝利。しかしこれ以降、調子を崩してしまいます。

一軍:15試合登板。82イニング投球。
5勝5敗 4.17 56K

2019年の十六年目37才。その前年の2018,12,20に西武からFA宣言した炭谷銀二朗を獲得した巨人は人的保障として、内海を差し出す形になります。
背番号は【26】から一歩でも先にすすむという意味で炭谷が付けていた【27】を希望します。
このシーズンは開幕前に左腕をケガ。リハビリを経て、8月中旬、イースタンで古巣巨人を相手に復帰登板を果たすもワンアウトも取れず8失点。
結局調子は戻らず、プロ初の一軍登板0で終えたシーズンとなってしまいました。

2020年の十七年目38才。前年に手術を受け、開幕は二軍暮らし。しかし、8月22日対オリックス戦で久々の一軍昇格。移籍後初登板・初先発を果たします。しかし、アダム・ジョーンズから二打席連続弾を含め、6回4失点で敗戦投手に。しかしこのゲーム、オリックス・杉本から見逃しの三振を奪い、NPB史上56人目となる通算1000奪三振達成。
9月2日対ロッテ戦、打線の援護とリリーフの好投により、移籍後初勝利。また、この勝利は内海にとって743日ぶりの勝利となったのでした。
9月9日オリックス戦、9月18日ロッテ戦と振るわず、23日付けで抹消。フェニックスリーグにも参加しました。

一軍:4試合登板。19イニング投球。
1勝2敗 4.26 12K

2021年の十八年目39才。二軍スタートのシーズン。イースタンでは4勝0敗1.80の好成績。6月3日に一軍登録。同日、交流戦での巨人戦東京ドームにシーズン初登板。しかし、2回3失点で降板。6月9日ベイスターズ戦メットライフドーム。5回3失点。2点リードでリリーフ陣に託し、勝利!
移籍後本拠地初勝利を治めます。
11月3日。2022年から、投手コーチ兼任となると発表されます。
契約は1125万円減の4500万円で契約を更改します。

一軍:2試合登板。7イニング投球。
1勝0敗 7.71 6K

2022年の十九年目40才。二軍スタートのシーズン。イースタンでは18回無失点。5月7日対日ハム戦でシーズン初勝利。NPB92人目となる通算2000イニングス投球達成!
5月21日日ハム戦に登板もノックアウト。
8月16日にシーズン終了後の現役引退を発表。
9月19日引退試合。楽天戦・山崎剛をセカンドゴロに打ち取ります。
10月2日ファーム最終戦、古巣の巨人戦でも引退登板。石川慎吾を見逃し三振にきってとりました。

一軍:5試合登板。12イニング投球。
0勝1敗 3.00 4K

2023年41才の今年から西武の二軍投手コーチに就任いたしました。
背番号は【97】

【選手特徴】
平均球速は140キロとお世辞にも速いとは言えませんが、大きなスライダーとそれを活かすためのカーブ、ツーシーム、チェンジアップ、フォーク、を駆使し、緩急をつけたピッチングと、牽制・クイック・バント処理などピッチャーとしての能力は高かった一方、大舞台では力を発揮することが出来なかった。そんな印象があります。
2012年には「スクリューという球種が絶滅の危機に瀕している」という理由から、いままでの内海のチェンジアップはスクリューと呼んで欲しい。なんてこともありました。
自身の人柄もあり、人望も信頼も厚い好人物と言えるでしょう。
2008年から2012年までシーズンの奪三振数と同数のランドセルを児童養護施設に寄付。2013年からは奪三振数よりも大きな数字、投球回数と同数のランドセルを贈答するようになりました。
現役を終えるまで1500個以上のランドセルを贈答したことになります。

また、4人のお子様の父としても有名でいいお父さんである印象は強いです。

また、YouTuberで元巨人投手、笠原しょーきが、自身のYouTubeで、西武移籍の際「巨人が内海をプロテクトしなかったのはおかしい。エースであった内海は将来の監督候補であったろうに。」としたのも思い出深いです。

あと、内海が若手の時代は桑田、工藤、上原、高橋尚成などベテランの名投手が多く、その環境は風通しのいいものではなかったそうですが、とあるタイミングで内海は巨人の投手リーダーを任され、「アダ名」呼びを浸透させ、上下関係を緩和。
風遠しのいい組織に替えた実績は有名な話です。

先輩にも後輩にも分け隔てなく、投手にも野手にも寄り添ったアニキ的エース。それが内海哲也でした。

プロ19年 335試合登板 2007イニングス投球
135勝104敗0S2H 28完投12完封 1519K 3.24

最多勝2回 最多奪三振1回 ベストナイン1回 阿部ともにベストバッテリー賞1回 など受賞も多数

【登場曲】

‣「Hardball」Lil Bow Wow, Lil Wayne, Lil Zane & Sammie(2005年)

  • 「JONAN音頭」GICODE(2005年 - 2006年、2010年)

  • 「Carlito (Who's That Boy?)」Carlito(2006年 - 2008年)

  • 「アイ・オブ・ザ・タイガー」サバイバー(2007年)

  • 「カーニバル」ケツメイシ(2009年)

  • 「Fighters Anthem Special ver. Giants Anthem」Zeebra(2011年 - 2012年)

  • 「SwitchOn!」土屋アンナ(2012年)

  • 「Climax Jumo DEN-LINER form」AAA DEN-O form(2012年)

  • 「Gangnam Style」PSY(2012年)

  • 「Life is Show Time」鬼龍院翔(2013年)

  • 「JUST LIVE MORE」鎧武乃風(2014年)

  • SURPRISE-DRIVE」Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVE(2015年)

  • 「PRIDE」高梨康治(2016年ー、2020年-)

  • 「Nobody can catch up with No.26」Hironari Tatsumi(2017年)

  • 「Show us miracle」Hironari Tatsumi(2018年)

#巨人 #Giants #読売 #ジャイアンツ #内海 #内海哲也


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