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2人分の呼吸

生きている心地がしない。
夜は22時を過ぎれば眠くなり、それなのに排泄で2回も3回も目が覚め、まとまった時間で眠れない日々が続く。

朝起きて、冷凍ご飯を温め、オーブントースターでウィンナーを焼き、お茶を淹れ、旦那を起こす。
着替えて、ゴミ出しして、旦那を見送る。 
そして夕方になればご飯を作り、旦那の帰りを待ち、彼が食べ終えたら食器を洗う。
ただ、これだけの一連の作業が私の存在意義であり、生きている理由である。
そう思わないと、心が苦しい。

自分の存在意義がわからない。
とにかく一日中眠たくて、眠たくて、喫食と排泄以外ベッドかソファーで横になる。
暇を潰すのにSNSに張り付き、何度も見たインスタのリールを眺め、時間が経てばカビゴンに餌をあげる。

パソコンに向かう気力もない。たった15分向かっただけで500文字は書けるであろうに、それすらもできない。
最早私には電源を押す力ですら残っていないらしい。
ただそれだけが、私が「生」を感じる術だったというのに。

昨日はできた。
今日はできない。
なら、明日はどうか。
変わり映えのない白い天井を眺めながら、無情に過ぎる時の流れに絶望する。

ああ、そんな「人間らしい暮らし」と呼ぶには程遠い私でも、腹部の中では今日も同種が小さな鼓動を脈打ちながら、もさもさと動いているという事実が不思議でたまらない。

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