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[🇺🇸-14] 2/24 Sun : Williams - monument valley


朝、宿を出てグランドキャニオンに向かった。
いつか行ってみたいと思っていた地球の裂け目、グランドキャニオン。
高い所にいる感覚は無いのだが、グランドキャニオン周辺の高いところの高度は、実は1500メートルにもなる。
2月末。日中でもまだ寒く、今年は雪も残っていた。

この辺りを流れるコロラド川。それが長い時間をかけ赤土の大地を削ってできた谷がグランドキャニオン。
その谷を見下ろす崖の上、北側がノースリム、南側がサウスリム。

コロラド川が流れるところまでの高度差は小さいところでも1000メートルを超える。
サウスリムから見下ろした谷は、あまりにも深かった。

ここから落ちたらとても助からない事は当然理解できるが、その規模の大きさは現実離れしていて、落ちるという想像がなんだかピンとこない。
遠く遠く、はるか下を流れている川が細く白く見えている。

視界いっぱいに広がる赤い岸壁にカメラを向ける。あとで、友達に送ろう。これがアメリカの規模だよ。想像以上だったよ。
しかし、手のひらに収まるスマートフォンの画面には、何度試しても私の感じたものは写らない。
大きさだけの問題じゃないと思うんだけど、何かが欠けているように私は感じた。
…なんだそれ。何かって何だ?


この日はグランドキャニオンの他に、グレンキャニオンダムというコロラド川をせき止めて作ったダム、それからホースシューベンドというコロラド川が馬の蹄の形に折れ曲がって流れている地点へも足を運んだ。

どの景色もやはり雄大で、写真には写りきらない。
それでも皆、写真を撮りまくったり、SNSに投稿する為に自分も写真に写ったりする。
いわゆる「観光」客。周りから見れば私も変わらない、その中の一人なんだろうけど。

英語、中国語、韓国語、ときには聞き慣れた日本語と、いくつもの言語が飛び交う。
こうやって毎日色々な場所から、色々な人が訪れては去っていく。

一方で、そんなちっぽけな人間の行動なんて関係なく水は脈々と流れる。川は大地を削る。ここの景色は、そうやってできてきた。


自分の目で見た赤い風景は、何かを言いたげに、真っ直ぐに自分のなかに入り込んできた。
一体これは、どう表現すればいいものか。

表現って、何だ?
圧倒的な自然を前に、私は形にならない何かを抱えてただ立ち尽くした。

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