2024 防衛医科大学 数学

新年あけましておめでとうございます.毎年,防衛医大だけはモチベがあってすぐに投稿するのですが,今回は色々忙しくこのタイミングとなりました.

全部で90分.
第1問から第3問までは5択,第4問から第6問は数字埋め,第7問は記述となり,昨年と比べて5択が1問減り,数字埋めが1問増えたという感じです.今年は難問もありましたが,記述がかなりおとなしくなり満点はむずいが,比較的高得点が狙えるセットであったと思います.

第1問 2次関数 標準
1問目は2次関数や方程式の議論になります.(1)は2020年の京都大学文系に類題があったと思います.2直線が垂直と言われたら傾きの積が-1になるのは常識ですが,そこから2次方程式の議論にたどり着けるかというところがポイント.あとは解と係数の関係で答えが出ます.(2)は1/6公式を使っちゃいましょう.あとは$${\beta-\alpha}$$の値をaの式で表せればオッケーです.昨年もそうでしたが1問目はちょっと厄介な問題が多い印象.

第1問

第2問 関数の最大最小,論理 標準
論理の感覚があるか否かで点差のつく問題.「任意の」や「ある」については関数の最大値または最小値に着目します.計算は少ないのですが,問題文で与えられた意味をきちんと解釈できるか,同値変形できるかがポイントになります.

第2問

第3問 複素数平面 やや易
(5)は$${z_1}$$と$${z_2}$$の関係式を求めて連立すれば完成です.ささっと解きたいところ.(6)は三角形POQが直角2等辺三角形になることに気付けば,内接円の中心は内心であることを用いて比で解きたいところです.選択肢の答えの形がゴツイので慎重に計算しましょう.

第3問

第4問 整数 やや難
前半は計算は重いですが着実に取りたいところ.後半は素直に$${x>0,y>0}$$で評価してしまうとうまくいきません.$${x \geqq 1 , y \geqq 1}$$という,より厳しい評価をしなければうまくいきません.あとは必要条件から攻めていくと$${n=132}$$が出てくるので条件を満たすのかどうかをチェックしてあげましょう.

第4問

第5問 三角関数 図形 難
今回の最難関.本番なら何かしらマークしてパスでしょうか.前半は千葉大学2013年の問題で$${\tan {10^\circ} =\tan {20^\circ} \tan {30^\circ} \tan {40^\circ} }$$を示せという問題を解いたことがあったため,解くことができました.今回出てきている角度は$${50^\circ , 60^\circ ,70^\circ ,80^\circ }$$であり,$${\tan {80^\circ} =\frac{1}{\tan {10^\circ}}}$$を用いて,与式を$${\tan {10^\circ}}$$だけで表すことでも解くことができます.($${\tan}$$の3倍角の公式が必要になります) 後半は図を色々書いてみると$${80^\circ}$$だけ図から出てきてないので$${80^\circ}$$じゃね?と思います.結局,案の定$${80^\circ}$$が答えでした.前半の答え1/3がどこから出てきたのかを考えます.そうすると$${1:\sqrt{3}}$$から出てくるのではないかと思い,いろいろと辺の比を出してみます.すると前半の公式が出てきて求める答えは$${80^\circ}$$であると結論付けることができます.ただ時間の割には見返りも少ないです.とりあえず適当にマークして次に進むのが無難です.

第5問

第6問 確率 数列 極限 易
一番易しい問題です.通常通りn回目とn+1回目を調べ,漸化式を立て,それを解き,nを無限大に飛ばせばオッケーです.これは瞬時に解きたいところ.(画像は第5問とありますが,第6問の間違いです...)

第6問

第7問 図形 極限 積分 標準
今回の記述問題です.(2)(b)が解けるかどうかくらいで特に難しくないです.(1)と(3)はシグマと極限と1/n見た瞬間に区分求積法を思いつきたいところです.問題は(2)の$${\sqrt{x^2+1}}$$の積分です.受験前に1回は経験しておきたいところです.解き方は私の知ってる知識では以下の4通りです.
1.$${t=x+\sqrt{x^2+1}}$$と置換する.
2.$${x=\frac{1}{2} \left( t- \frac{1}{t} \right)}$$と置換する.
3.$${x=\frac{1}{2}(e^x -e^{-x})}$$と置換する.
4.$${x=\tan \theta}$$と置換する.
なぜその置換をすればうまくいくのかまでは理解できなくてもいいと思います.とりあえずどの方法でも計算できるようになっておくとよいでしょう.

第7問 その1
第7問その2


以上になります.昨年は第5問のような難問はありませんでしたが,第7問が難しかったため,今年は昨年と同様の難易度だったと思います.とにかくこの大学で合格と勝ち取るには数学に対する基礎だけではなく,素早く解くテクニック的な手法などもいくつか抑えておいた方がよいと思います.また,気分が変わればほかの大学も感想を述べていきます.それでは,ごきげんよう.



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