手軽に生々しいホラーで嫌な汗をかきたい？なら創作EAS（緊急警報放送）動画だ。
注意！
以下に紹介するコンテンツには実際のEAS（緊急警報放送）で使用される音声が含まれる場合があります。大地震などが発生した際、テレビなどのメディアが通常の放送を中断して緊急放送に切り替えるときに流れるあのアラーム音ですね。
このため、そのような音にトラウマを持つ方にはここから先のスクロールをお勧めしません。また、以下に紹介するコンテンツを公共の場で再生した際に発生するトラブルについてもこちらは責任を持ちません。
再生環境に十分注意のうえ視聴してください。
創作EASとは？
もしもあの国があの国へ突然核ミサイルを撃ち込んだら……
もしも突然月が落ちてきたら……
もしもあのSCiPが収容違反を起こしたら……
というような場合に、影響を受ける地域ではどのように事態が進行するのか？そして各メディアでそれに合わせどのような緊急放送が流れるのか？をテーマにした創作ホラー動画のジャンルです。
分類分けとしてはアナログホラーの一ジャンルに含まれるようです。SCPネタがかなり多いのでSCPファンにもおすすめ。
代表例
LOCAL58TV - Weather Service
投稿スパンは広いながらも良質なアナログホラー作品を提供し続けるLOCAL58TVによる作品。気象局からの突然の深夜緊急放送で、「対象地域の市民は翌朝まで室内に留まり決して夜空を見上げないように」とのことだったが次第にその警告放送自体の様子もおかしくなり……という内容。
EASネタではありませんが、本土戦にまで持ち込まれたアメリカが敗戦を確信した時に流される予定のフィルムが誤って深夜放送で放映されてしまったという設定の有名なあの動画と同じ作者です。こちらはニコニコ動画で日本語版パロディも作られてましたね（日本国尊厳維持局のあれ）。
活動中のチャンネルおよび作品紹介
TikTokなどでも創作EASは見られますがここではYouTubeに絞って紹介します。
英語音声作品のみの紹介になりますが、ほとんどの作品では流れている音声とほぼ同じ内容の文章が表示されていますので、ある程度の英語理解力があればおおまかな内容を把握することが出来るでしょう。
Alert World
創作EAS界隈はピクトグラムや合成音声を多用するシンプル派と実写風映像や生の読み上げをふんだんに使うリッチ派に作風が二分できますが、Alert Worldはシンプル派で2021年末頃からコンスタントに作品を投稿している勢いのあるチャンネルです。SCP関連作品が多いですがオリジナルシナリオの出来もよく、最近ではPatreonでの支援募集も好調なようです。
EAS Scenario | SCP-3250 Jesus Fried Chicken | Alert Containment Breach
本家SCPの日本語翻訳版はこちら。チキン食べちゃうとイエス・キリストを描写したものが全部カーネル・サンダースに見えちゃう異常現象のやつですね。それだけで済めばいいんですがそういうわけもなく、エスカレートする事態に当局はより厳しい行動を求められます。
EAS Scenario | Human Brain Control Experiment | Alert World
こちらはオリジナルシナリオ。公衆の安全に関わる機密情報を入手したWikiLeaksからの緊急放送という設定。「切迫した事態でなければ外出するな」「見知らぬ人との接触を避けろ」「常に自衛のための武器を持つように」とのことで何なのかと思ったら「テキサス州オースティンの軍事基地から極秘脳実験の被験者達が脱走した。奴らは目線を合わせることであなたの脳から精神を奪い取れる！気をつけろ！」だそうで。
設定自体は「へえ……」みたいな感じなんですがこれもまた事態が進展するにつれて洒落にならない感じに。シンプル派のAlert Worldが珍しく実写映像を演出として有効に使っている一例でもあります。
Atlas Fallout Foundation
"Expect the Unexpected"をモットーに活動する組織で、各動画序盤に流れるイントロによると並行宇宙で実際に起きたイベントのEASを収集しているという設定みたいですね。
Alert Worldと同様にシンプル派で2022年2月から投稿開始。オリジナルシナリオを中心に、事件ごとに複数の動画をシリーズとして投稿することもあります。
Gas - Hallucinations | EAS Scenario | Emergency Alert System
アリゾナ州の市民を対象に流れた緊急放送という設定。「家の周囲や窓、扉の後ろに人の気配を感じた場合、また誰かからの命令するような声が聞こえた場合──それは幻覚です。現実ではありません」との内容。
治安当局はこのような報告を原因は不明ながら何件か受け取っており、それを受けての緊急放送とのこと。幻覚への対処方法もレクチャーしているが、それから2時間後のおとなりユタ州で流れた緊急放送はより深刻な内容になっており……。
中盤で幻覚の実例が流れます。かなり怖い。没入感が深まります。
First Patients - Agonia Cerebri Parasite | EAS Scenario | Emergency Alert System | Day 1
シリーズものの中でも出来がよく完結しているもの。ある人獣共通寄生虫の感染拡大によりアメリカが崩壊するまでの流れを4本の動画で。
ElectricFanatic
10分以上の長編をメインにリッチな作風で凝ったオリジナルシナリオを提供してくれています。投稿スパンは長いながら外しはない。
(EAS Scenario / Analog Horror) - Liminality
長さ51分！実写風映像と生音声でリッチ！急激な鬱症状、妄想、発作的激怒を引き起こす原因不明の精神病がアメリカで蔓延したという設定。すべての患者はLiminal Space的な夢を見ていた。当局はなるべく睡眠を取らないよう／取ったとしても誰かと同じ部屋で極力短時間に留めるよう取り急ぎの対処を市民に指示するが……。
EASの合間に挟まる患者への聞き取り録音などの各種資料がよい演出。長編EASでは現在のところ一番の出来かと思います。
(Zombie Virus EAS Scenario) - The Awakening [ft. Harvester]
同様に凝ったEASを制作するHarvesterとのコラボレーション作品。定番のゾンビネタ。はじめは新種の風邪ですかね？手洗いうがいしましょうね～程度で済ませていましたがという流れで定番のアメリカ崩壊です。創作EASいっつもアメリカ崩壊してんな。
SPCHermitage1258
創作EAS老舗！シンプルな作風で長い！あまりにもシンプル過ぎて字幕すらないことが多いためそれなりの英語リスニング力は必要です。頑張ろう。
EAS Scenario #35: The Ultimate Serial Killer
究極のシリアルキラー！と言ってるだけあってヤバい。なんかのFPSの主人公みたいなレベルで装備がエスカレートしていきます。エスカレート具合が笑えるほど過剰で最高です。たった一人の殺人鬼に対して「戸締りはしっかりしておくように」から「避難勧告」レベルにまで進展。おすすめ。頑張って聞き取ろう！パート2もあるぞ！
Cataclysmic Annihilation: An EAS Mega Scenari
3時間。もう地球は滅茶苦茶や。
まとめ
ざっと紹介しましたが、YouTubeで「Fake EAS」や「EAS Scenario」で検索すると山のように出てきます！これらはほんの一部に過ぎません。
特に親和性が高いSCPネタなんていうのはそれこそ山ほどあります。Alert Worldによる例の彫像ネタやらElectricFanaticによる財団内部の反逆者が滅茶苦茶やったおかげでえらいことになるネタやら多種多様です。
創作EAS界隈はジャンプスケアがほぼなく、じわじわと怖くなるものが多いです（反面オチがはっきりしないものも多いですが）。日本語で作っている方もおられるようで、まだまだこれから成長していくのではないかと思いながら日々観察しています。英語の勉強にもなるしね……。
くれぐれも悪用はしないように。
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