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私家版 ロックかるた 「す」

どうしても欲しくて、でも売っていない。だから、自分で作ってしまった「私家版 ロックかるた ブリティッシュ・ロック編」。
世界にたった1セット。

「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を最初に弾きがち。
ギター少年の定番だ。

「スモーク・オン・ザ・ウォーター 禁止」でググってみましょう。
イギリスやアメリカ、そして日本の楽器店での試奏の際に「スモーク・オン・ザ・ウォーター」が演奏禁止になっているという記事が出てくる、出てくる。
本当っぽい記事、都市伝説、Yahoo質問箱。。。「スモーク・オン・ザ・ウォーター」と並んで「天国への階段」禁止、とか、とか。
それほどまでにギター初心者が弾きたくなってしまう世界最高のリフ。
「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の前奏は、やっぱり一度は弾いてみたい! そんな名曲です。

だけど、あまりに有名で、あまりにシンプルなだけに、本当に上手な人じゃないと聞いている方が恥ずかしくなってしまう、そんな恐ろしい曲でもあります。うっかり弾けないのです。
楽器の売れ行きにも影響するかもしれませんね。楽器店での試奏には気を付けましょう。

さて、この名曲ですが、誕生の背景については、レコーディングのために訪れたスイスのモントルーで実際にあった火事がもとになっているというのは有名な話です。

レコーディングに当たって、ディープ・パープルはローリング・ストーンズから「モービル・スタジオ」を借り受けています。
これは、ミック・ジャガー肝いりの移動式録音スタジオセット。
当時のスタジオ使用料はたいへん高額だったようで、ビートルズのように好きな時に好きなだけスタジオが使用できるミュージシャンは本当に稀。曲の断片を持ち合ってスタジオで丹念に作り上げていくなんて、贅沢の極みです。
1970年、ストーンズはデッカから独立、「ローリング・ストーンズ・レコード」を設立しました。
デッカのスタジオは使えません。そこで用意されたのが「モービル・スタジオ」です。
その頃ミック、キースはイギリスでの高額課税から逃れるようにフランスに移住しています(高額課税についてはジョージ・ハリスンが『タックスマン』で歌っていますが、本当に富裕層への課税は大変なものだったようで、多くのイギリス人がフランスに避難しました)。
キースは南フランスに「モービル・スタジオ」を持ち込んで録音作業を行い、できたアルバムが『メイン・ストリートのならず者』です。
最新鋭の録音機材を積んだ、この「モービル・スタジオ」のうわさは仲間内ですぐに伝わり、まずはレッド・ツェッペリンが使用します。「Ⅳ」「フィジカルグラフィティ」といった名盤もこのスタジオ機器で録音されました。続いてディープ・パープルがお得意様になりました。1971年12月にモントルーに滞在し、この「モービル・スタジオ」で録音されたのが「スモーク・オン・ザ・ウォーター」です。火事の影響で演奏場所はホテルの廊下になりましたが、移動式録音機材は問題なく使えたのです。

(つづく)


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