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〈知らない場〉に行ってみたレポート

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毎月どこかで〈よそ者〉になる。 2023年、月に1回〈知らない場〉に行ってみるというミッションを課していました。そこで出会ったものや感じたことを、ばらばらと書いています。
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#丸木美術館

〈知らない場〉に行ってみたレポート2023

2023年、ひそかに立てた目標があった。 それは、月に1回〈知らない場〉に行くこと。 わたしの場合、大学生活が後半に差しかかる頃には、自分の興味がとてもはっきり見えてきていた。災禍やその記憶を受け継ぐことについて、自分の人生を捧げて考えたいと思うようになっていた。 でも同時に、生きる中で触れる様々なものを「自分に関係がある/関係がない」と無意識に区別するようになっていた。このことに気づいて、違和感と危機感を覚えた。 全然関係ないと思っていたものどうしがつながって、発明が

2023.5 |いちばん言葉にし難い〈場〉

5月 埼玉県東松山市にある原爆の図丸木美術館 で開催された、ワークショップ〈丸木美術館で変化のかけら探し〉に行ってみた。 12個の中で、いちばん言葉にし難い〈場〉だった。 丸木美術館には、画家の丸木位里・俊の共同制作《原爆の図》が展示されている。 丸木夫妻は、戦後の米軍占領が続くうちから《原爆の図》の制作を始め、生涯にわたって被爆の実情を訴え続けた。 原爆以外に戦争や公害などの問題も取り上げ、丁寧に描いている。 初めて訪れた丸木美術館は、とてもとても遠くにあった。 「