耳じるし


雪がふっては溶けまた降る、雪の下は凍って北の2月はまだまだ雪の中、アスファルトも見えない。横断歩道で信号待ちをしていると白い杖の男性が。近くに障がい者の職業訓練校があるのでよく見かける。渡る途中に市電の停留所があるので杖をカチカチと地面にぶつけて確認している。さまざまな場所を確認するのには杖ばかりでなくいつもそこでする音を頼りにするという「耳じるし」があると聞いたことがある。コロナ禍で人がいなくなり、閉めている店舗からは音が消えて耳じるしがなくなっていると。その人は電車までの道を杖で確認しながら近づいていく。2mほど後ろに指導の職員が歩いていた。訓練中だったのだ。入ってきた電車からは運転手さんの熱い視線、無事乗車する事が出来て良かった。何人もの温かい視線も身体に感じられて役に立つ耳じるしになればいいなぁと私も
視線パワーを送ってみた。


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