あなたの考えは?

私は自分の意見を言うのが超苦手だった。

看護師として勤めて8年目。
気がつくと中堅層になっており、チームリーダーまで任される羽目に。
多方面から意見を求められるようになった。
「この件、あなたはどう考えるの?」と。
聞いてくるのはDr.や師長、薬剤師、リハビリ、大学院教授……。
私より頭のいい人達ばかりだ。
正直、自分なんかに聞かないでくれ!と今でも思う。

看護師は患者、家族の代弁者を担っている。
「家に帰りたい。」
「こんな治療したくない。」
「この薬は飲みたくない。」
「検査の結果が気になる。」
「どんな手を使ってでも長生きしたい。」
「酒が飲みたい。」 etc.

ちっぽけなことから今後の方針を決める重要なことまで、身近な看護師に訴える患者は多い。
それを踏まえた上で看護師視点からの意見を主張する。
時にはDr.と患者と家族の板挟みになることもある。
角が立たないよう、伝え方にも細心の注意を払う。
最初は先輩を真似て喋る練習をしたが、言いたいことがうまく言葉にできず悔しい思いもした。
悩んで試行錯誤する日々が3年くらい続いた頃、
自身の看護観みたいなものが出来上がる。
すると、先輩の言葉を借りて話す感覚からちゃんと理解し、納得して発信している実感に変わった。
そして自分の意見を言うことが前より怖くなくなっていた。

しかし、私は看護に情熱を燃やしている人からは程遠いところにいる笑
支度をしながら思うことは「定時で帰りたい。」
一生懸命勉強してきたかと訊かれれば、胸を張ってはい!と言えない。
認知症、不穏対応はイライラするし、ナースコールが多いとため息が出る。
ずっと下っ端で上から言われたことをひとつ返事でやる方が気楽でいいとさえ思う。
こんな無気力系看護師なのに、リーダーという肩書きのせいでお局と下の子との間に立たされる時がある。
師長に雑用を振られて仕事が終わらないこともある。

色んな修羅場を体験して肝っ玉が座ったことも考えを伝えられるようになった要因だろう笑

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