おゆ

慶應義塾大学文学部/国文学専攻卒業💜小説/エッセイ/短歌/評論…日本語をいじくりまわす…

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慶應義塾大学文学部/国文学専攻卒業💜小説/エッセイ/短歌/評論…日本語をいじくりまわすのが大好き🌹過去記事はこちら→https://note.com/yyynnn522/n/n0978737d7506

最近の記事

SEVENTEENファンミ2022両日参戦感想💎世界平和を祈らざるをえなくなった話

これまで25年の人生で感じてきた苦痛や絶望を、全て帳消しにしてしまうような二日間でした🥲 人間の生は普遍的に漠然としているものだけど、こんなにも生きる喜びを味わえる経験ができて本当に幸せです。 6万人の心を、こんなにも満たす力を持つ13人。 特別な13人だけど、決して強くない、血の通った生身の人間だからこそ、彼らの歌う痛みや愛は真っ直ぐに私たちの心を打つのだと思います❤️‍🩹 今まで私は「私は彼らなしには生きていけないが、彼らは私一人がいなくても普通に人生を歩んでいける

    • 2021年の振り返り~過渡期の微熱が一番タチわりぃ編

      さて、前回のつづき。 私は人間関係を構成する要素を 家族 恋人 友人 同僚 ご近所さん その他 の6つに分類しています。 このうち、どれに重きを置くか?そしてその喪失具合はどれくらいか?を掛け算することで、人間関係における孤独を定義しています。 (⚠️言わずもがな「人間関係に」という言葉がミソです) 私の場合は①②④が終わっていたので、③⑤しか命綱がありません。 このままどこにも行かずに部屋で眠り続ける毎日を過ごすのは余りにも空しい。 私は少しずつ学生時代の友

      • 2021年を振り返る~死にかけの人間が生きたゾンビになるまで編

        2020年12月初旬。通勤途中のバスの車内でぶっ倒れました。 私は当初意識不明の状態だったので、倒れた瞬間の状況はよくわからないのです。 ただ目を開けたとき、私は同乗した方に身体を支えられながら、バスの床にへたりこんでいました。 「大丈夫ですか!」「救急車呼んで!」と叫んでいる人が大勢いました。 その喧騒の中でうっすら「意識不明」という単語が聞こえてきて、それが自分を指している言葉だと気付いたのは、目を開けてからしばらく経ってからのことでした。 生死の境からこんにちは、20

        • 【読書感想文】世界のハルキ・ムラカミによる、深入りできない大人たちへ捧げる愛

          『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』あらすじ多崎つくる、鉄道の駅をつくるのが仕事。 名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。 何の理由も告げられずに――。 死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時なにが起きたのか探り始めるのだった。 全米第一位にも輝いたベストセラー! (村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』レビュー!より)

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        • 2021年の振り返り~過渡期の微熱が一番タチわりぃ編

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          【読書感想文】ノーベル賞・科学者が教える「自分力」の磨き方

          故・益川敏英教授の世界再び故・益川敏英教授の著作を。 先日から関連図書を読み漁っているのだが、知れば知るほど著者、著作、そして物理学に惹かれていく💥 私が教授を知ったのが訃報だというのが悔しい。 生前のご活躍を後から追いかける形になってしまった。 しかし、それでもご縁があり、夢中になれる世界を見せてくださったことに感謝を込めて感想文を書く。 奇人?変人?研究者の日常と私たちの人生観本作は教授の経験や逸話を交えながら、読者に人生観を刷新する語りかけるような一冊だ。 例えば

          【読書感想文】ノーベル賞・科学者が教える「自分力」の磨き方

          【読書感想文】ノーベル賞・科学者の視点から日常を見つめ直す

          ・益川敏英『科学者は戦争で何をしたか』(集英社新書・2015年)ノーベル賞科学者・益川敏英が、自身の戦争体験とその後の反戦活動を振り返りながら、科学者が過去の戦争で果たした役割を詳細に分析する。 科学の進歩は何の批判もなく歓迎されてきたが、本来、科学は「中性」であり、使う人間によって平和利用も軍事利用も可能となる。 そのことを科学者はもちろん市民も認識しなければならないと説く。 解釈改憲で「戦争する国」へと突き進む政治状況に危機感を抱く著者が、科学者ならではの本質を見抜く洞察

          【読書感想文】ノーベル賞・科学者の視点から日常を見つめ直す

          【読書感想文】誰でも/何でもできる時代~人間は結構簡単に道を外してしまう

          本谷有希子『静かに、ねぇ、静かに』 ・"創造しようとして模倣になっている人"最初に収録されている短編「本当の旅」が狂おしいほど気味が悪くて、怖くてたまらないのに読み進める手が止まらなかった傑作😰 本谷有希子作品のファンなら誰もが憑りつかれる得体のしれない凶暴さがあらわになっています。 登場人物3人全員が"創造しようとして模倣になっている人"。 そして神の視点から彼らの自意識が酷烈に皮肉られています。 そう、「創造」の対義語は「模倣」。 ・自己肯定感と他者への依存SNSに

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          【読書感想文】人の強さとは弱さを認めることー障害を言い訳にしない恋人たち

          1.『レインツリーの国』(有川浩)あらすじきっかけは1冊の本。 かつて読んだ、忘れられない小説の感想を検索した伸行は、「レインツリーの国」というブログにたどり着く。 管理人は「ひとみ」。 思わず送ったメールに返事があり、ふたりの交流が始まった。 心の通ったやりとりを重ねるうち、伸行はどうしてもひとみに会いたいと思うようになっていく。 しかし、彼女にはどうしても会えない理由があったー。 不器用で真っ直ぐなふたりの、心あたたまる珠玉の恋愛小説。 (Amazonより) 2.「あな

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