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裁判所のレベル低下を危惧する

熊本地方裁判所が廃材を道路に捨てた男に、執行猶予付きの判決を言い渡したというニュースがありました。この男は26歳の解体作業員で、去年5月、家屋の解体で出たコンクリート片などの廃材合わせて約2.8トンを市道に投棄したとして廃棄物処理法違反など疑いで罪に問われていました。
まともな解体業者は解体作業で出た廃材は然るべき場所に持ち込み処分します。もちろんそれには費用が発生しますが、それは言うまでもなく“必要”経費でカットするわけにはいきません。それをこの男は処分費用がもったいないからと、多くの人が通る市道に捨てるのですからとんでもない悪党です。そんな悪者が「懲役3年執行猶予4年」で実刑を免れた理由が呆れます。なんと「今後は金に困らないよう1日に5箱吸っていたタバコをやめると誓っていて、家族も被告人の金銭管理をサポートすると約束している」からだというのです。
1日5箱のタバコなら月に8万円以上の出費になり26歳の男の懐には大きく響いていたことでしょう。そしてそれが犯行の引き金になっていたとしても「禁煙するなら許してあげる」はあまりにも恩情が過ぎるでしょう。口ではなんとでも言えるのに、それを鵜呑みにするなんてあまいにも程があります。それとも裁判官は今後、被告と一緒に暮らし本当にタバコをやめたかチェックするのでしょうか。さらに執行猶予中に罪を犯したら猶予は取り消され刑に服すことになりますが、彼の場合はタバコを吸えば即刑務所行きとなるのでしょうか。
今回の判決には疑問だらけです。また、この被告は大麻草を営利目的で栽培した罪にも問われている悪党です。本当にタバコはやめたものの、その代わり大麻を吸っていたなんてことになったら目も当てられません。

百田尚樹のニュースに一言 令和6年2月16日号より

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