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温度のある、紙

このタブロイド紙には、温度がある。


ただ、ラックに置いてあるものと、
手渡しで受け渡してもらったものは、
どうしてこんなに、読みたくなる気持ちが違うんだろう。

手から手へ渡ったその瞬間に、
まるでその人の思いがそのまま物を介して伝播してきたようだった。
最近感じなかったけど、なんだか今日はその気持ちがよくわかった。

その人の気持ちがわかるからとか共感できるからとか、
そんな説明できる理由だけじゃなくて、
その人から伝わった生のパワーやオーラ、思いがすべて重なって、このタブロイド紙に乗っかってプレゼントされた気持ちになったのである。

うまく説明できそうでできない、この感じ。
 

お店で一生懸命選んで買った服は何年も愛用するのに、
ECでなんとなく買っただけの服はあっという間に着なくなる、
誰か、共感してくれるかな。


リアルは、これからますます贅沢になる。


会うことはお金もかかるし、準備したり手間暇だってかかる。
でもその手間暇と贅沢と、説明のつかない生のパワーの中に、人間の生きる喜びも溢れてる。

その人の手から渡されて、そしてその人の声とオーラと生き様が乗って、プレゼントされた何だとしても、それが与える相手に素敵な気持ちになれる、そんな「何か」を生産し続ける人でありたいな。


と、思った、冬の帰り道。

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