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pythonでピンクノイズを作成する

ただの雑音にしか聴こえないホワイトノイズと比べてピンクノイズは心地よい雑音だと言われている。

試しに人工的にピンクノイズの定義通りにピンクノイズをPythonで作成してみる。

必要な関数のインポート

wavファイルの書き出しにはwave
jupyter notebookで音を確認するためにはsounddeviceライブラリを使う

import numpy as np
import scipy.signal as sp
import wave as wave
import sounddevice as sd

波形やスペクトログラムを見るためにmatplotlibも使う

import matplotlib.pyplot as plt
%matplotlib inline

基本となるデータや空の行列の用意

作る音の秒数、サンプリング周波数を決める

duration = 1.0 #時間、秒
fs = 44100 #サンプリング周波数

時間をサンプリング周波数で割り、時刻を時点に変えておく

t = np.arange(0,fs*duration)/fs #時間を時点数に変換

ベースとなる振幅、基本周波数を用意

amplitude = 1.0 #振幅
f0 = 440.0 #周波数 基本周波数

音のデータを格納していくための空のnumpy行列を作る。要素同士を足し算するので、numpy行列の方が便利。
x = 周波数,y=振幅の2乗(パワー)のグラフを後で描くので、こちらは空のリストを用意しておく

z = np.zeros(len(t))
x = []
pow_y = []

乱数によるピンクノイズの作成

「パワー(=振幅の2乗)が、周波数に反比例する」がピンクノイズの定義。

import random

for i in np.arange(1,44):
   j = random.randint(1,44)
   z = z + np.array((pow(amplitude*(1/(f0*j)),1/2))*np.cos(2*np.pi*f0*j*t))
   pow_y.append(pow(pow(amplitude*(1/(f0*j)),1/2),2))
   x.append(f0*j)

音の確認

sounddeviceライブラリで再生する

sd.play(z,fs)
print("再生中")
status=sd.wait()

WAVEファイルへの書き出し

Pythonの整数値には上限があるので、上限の範囲に収まるようにスケーリングする。16bitで量子化するのでint16の上限値以内に収まるようにし、整数値にする。

z2 = (z/z.max())*np.iinfo(np.int16).max #スケールを整数のマックスに
z2 = z2.astype(np.int16) #2バイトデータ化

書き出し。

wave_out = wave.open("./sin_220319_008.wav","w")
wave_out.setnchannels(1)
wave_out.setsampwidth(2) #16bitなので2byte
wave_out.setframerate(fs)
wave_out.writeframes(z2)
wave_out.close()

波形をグラフ化する。時刻毎の振幅

fig,ax = plt.subplots(1,1,figsize=(8,3))
ax.plot(t,z) #z2でも同じ
ax.set_xlim(0,0.01)
plt.savefig("sin_220319_008.png")
plt.show()

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周波数特性のグラフ。

横軸を周波数に縦軸を振幅にするが、ピンクノイズであることがわかりやすいように、x,y軸ともに対数軸にし、yの値は振幅ではなくパワーにしておく

fig,ax = plt.subplots(1,1,figsize=(8,3))
ax.scatter(x,pow_y)
ax.set_yscale('log')
ax.set_xscale("log")
plt.savefig("spectr_220319_008.png")
plt.show()

対数軸にしたときに周波数と振幅が綺麗な右肩下がりになるような雑音がピンクノイズと言われているので、その通りの音になっていることが確認できる。

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Pythonを使ったWAVEの取り扱いはこの本で紹介されているのが今の所、丁度良いのではないかと思う。

Cを前提に書かれているが、音に関する理解を深めるならこの本が丁寧。


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