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オフショア開発でよく使われる進捗管理ツール

昔からIT開発のプロジェクト進捗管理に関して様々なツールが利用されてきました。プロジェクトマネージャーの好みやプロジェクトの規模、期間などによって選ばれるものが異なることがあります。また、発注側と受注側がプロジェクトの現在の状態を双方で確認できる共有情報の1つであることもあり、利用頻度も高いことから使い勝手の良さも選択するときの重要な項目の1つになっています。

リモートワーク(テレワーク)なオフショア開発の現場ではビデオ会議以外に実際にお客様と顔を合わせることができるケースが限られているため、こういったツールを活用した情報共有は国内で行うプロジェクト以上にプロジェクト成否の肝になることもあると感じています。

当社にて実施てきたプロジェクトにおいて、これまでどんな進捗管理ツールが使われてきたのか、そのトレンドと変遷をまとめてみました。昔はお金があるところはMS Project、そうでないところはエクセル、それしか選択肢が無かったようにも思いますが。

2012年〜

エクセル 80%
Redmine 20%

事業を開始した当初は、
・オフショア開発に対しての信頼性や認知度が高くなかった
・ビデオ会議ツールの安定性に問題があった
・顧客がSI企業または社内の開発チームの環境がレガシーなところが多かった
という状況もあり、定期的に進捗を紙またはエクセルにして提出することを求められることも多かったという状況でした。「フィリピンのオフショア開発でちゃんと作れるの?品質とか大丈夫なの?」といったご懸念も多かったため、逆にアウトプットは日本のスタンダードなカッチリしたもので提出してご安心いただく、そういうスタイルだったことも影響していたと感じています。

2015年〜

エクセル 50%
Redmine 30%
Backlog 20%

Redmineが使われるケースが増えてきました。さらにクラウドサービスであるBacklogを使用している企業も増え始めており、プロジェクトでも当社にアカウントを発行するので、ここでタスク管理してくださいというケースが目立つようになってきました。一方でエクセルもまだまだ健在で、Backlogのようなツールを導入していない企業で規模が比較的大きくないプロジェクトだと、まずはエクセルでという形でスタートすることがほとんどでした。

2018年〜

Google Spreadsheet 40%
Backlog 30%
エクセル 20%
Redmine 10%

エクセルだったのがクラウドの共有ストレージに保存して双方で更新ができるようにということでGoogle Spreadsheetにシフトしました。Backlogが増えてきていますが、まだ圧倒的なシェアを確保するというところまでは至っていません。当社の開発スタイルがラボ型でお引き受けするのがもっとも多いということもあり、細かい進捗管理を行うよりも大きなタスクごとの指示になることが多く、タスクボリュームとしてもそれほど多くなることも無いため、会社を挟んでツールを使うより、エクセルで管理するというのが多いことも理由なのかもしれません。

2020年〜

Google Spreadsheet 60%
エクセル 20%
Asana 20%

Asanaを使うケースが増えてきましたが、結局エクセルが引き続き圧倒的です。

これは開発における進捗管理とプロジェクトとしての進捗管理の粒度が異なることから、管理をわけるようになったことがトレンドとして見て取れると考えています。

開発チーム側の細かいコードレベル、クラスやモジュールレベルの開発はgitlab、github、bitbucketなどのコード管理ツールの中で進捗管理をしています。これらの1つ1つのタスクが複数集まり、利用者側から見える機能として1つの塊となってお客様との進捗管理ツールに反映される。そのため、コードベースのタスク管理に関しては常に進化を続けているのですが、お客様との間でのツールは大きな変化が無いという状況なのかと感じています。当社でも開発側はgitlabからPhabricatorへとシフトするなどトレンドは変わっています。

世間一般で人気があるTrelloやWrikeはお客様から使ってほしいという依頼をいただくことは全くありませんし、日本国内企業に人気だったBacklogも最近利用する機会がぐっと減ってきたという印象があります。

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