クイズ大会・企画における事前告知の重要性

重要性を増す「事前告知」

 ここ数年でクイズ愛好者の人口は格段に増加している。それに伴ってか、数年前に比べてクイズ大会・企画の数も増えているように感じる。そのため、同じ日に複数の大会・企画が各所で開かれるということも多くなった。 
 そのため、複数ある大会・企画からどれか1つを選ばなければならず、様々な条件を吟味する必要が出てきた。その手がかりとなるのが「事前告知」である。

事前告知で重要な8項目

 「事前告知」で私が重要視していたのは、「日時」「場所」「コンセプト」「レギュレーション」「スタッフ」「例題」「企画」「エントリーリスト」の8項目である。

「日時」「場所」「コンセプト」

 よほどのことがない限り、この3つを告知していない大会・企画はない。オンラインなのかオフラインか。オフラインならば、自分が行ける場所での開催なのか。自分の体が空いている日程なのかという検討を行う。コンセプト次第では、遠征も検討するし、スケジュール調整を頑張ったりする。

「レギュレーション」

 心惹かれるコンセプトでもよくよく見てみると、いわゆる「abc現役世代」しか参加できなかったりする。特に、「X」で第一報を知ったときにこういう思いをすることが多い。今の「abc現役世代」にとっては、その世代で大会・企画することが当たり前なので、わざわざ世代限定であることに言及されていないためだ。私は世代限定の言及がないとついつい「フルオープン」と早合点してしまうことが多いので、発言主がいかにも若そうなときは注意をしなければならない。

「スタッフ」「例題」

 次に「スタッフ」と「例題」。結局、誰が主催するのかというのは大事だ。近年は、新・一心精進の主催欄には「〇〇杯実行委員会」という形で掲載されているものが多い。そのため、スタッフ紹介の重要性は日に日に高まっている。さらに「例題」も重要なファクターである。クイズ界の中心から離れざるを得なくなり、人脈もなくなった現在、スタッフ紹介を見ただけでは、出題される問題群と傾向が合うかは予想しづらくなった。そのため、わずか数問の例題から、自分の好きな問題傾向であるかを見極める必要があるのである。特に、私の得意とする「芸能ジャンル」が出題されそうか、苦手とする「理系ジャンル」が多く出題されそうかというのは、その日1日の命運を握る問題なのだ。

「企画」

 つぎに「企画」である。ここまで来ると大概参加するかどうかは決まっているし、企画の内容をろくに見ないで当日を迎えることも増えてきた。ただ、参加しようかどうか迷っているときの決め手として、企画が公開されている場合は、それをチェックする。いわゆる「紙落ち」の有無や早押しクイズをする機会などをチェックする方も多いのではないだろうか。企画書は「その日どのくらい楽しめそうか」の基準となる。

「エントリーリスト」

 最後に「エントリーリスト」。私の場合は、「嫌いな存在が参加していないか」のチェックである。会場に嫌いな存在がいたら、私は人格が変わってしまい、主催者に迷惑をかけてしまう。それを避けるためにもエントリーリストは私にとっては重要である。結局誰が主催して、誰と同席するかというのは重要な要素なのである。また、エントリー枠の埋まるスピードも重要である。これが速いと「私みたいな存在で貴重な1枠を埋めるのもいかがなものか」となって、参加を諦めるようになった。

「事前告知」が疎かになると

 ここまで長々と書いてきたが、事前告知において、この8項目が疎かになっている大会・企画は、参加者側が不安を抱いてしまう。
 「企画」は参加人数によって、変更する必要性があるので、どうしても当日近くにならないと発表しにくいし、「例題」もある程度問題が集まらないと出しにくいときもあるかもしれない。告知がおろそかになる事情というのは、それぞれにあるものだから、あまり目くじらを立てるつもりはないが、自分が主催側になったらこの項目は大事にしていきたいと思うし、もしこの文章を呼んで賛同いただける部分があれば、幸いだ。

フリバにおける事前告知

 フリバは大会・企画に比べて手軽に突発的に開かれるため、どうしても事前告知というものが雑になりがちだ。さすがに、「スタッフ」「例題」を事前告知する必要性は感じない。フリバ会では多くの場合、役割は交代していくし、読む問題傾向も流動的であるからだ。
 「企画」も参加人数や読む問題の傾向によって変わっていくので事前の告知は厳しい。ただし、定員が決まっていたり、読む問題集が決まっていたりする場合は、事前に告知しておいてもらえると嬉しい。できるだけ多くの人に勝ち抜けを経験させるのか、それとも強い人を待たせないように勝ち抜け人数を少なめにするのか、考えが分かれるからだ。
 「レギュレーション」と「場所」は、多くの場合事前告知がなされているが、主催者のデフォルトの考えが参加者側の想像するものよりも狭い範囲の場合は注意が必要だ。言及がなされていない場合、フルオープンと考える人もいれば、「現役abc世代限定」「同じサークルの人限定」「自分の友人限定」「マイミク限定」と考える人もいる。それを知らずに、顔を出そうとした場合、こっちが「イタイやつ」認定を受けがちなので本当に注意が必要だ。「場所」についても「オンライン」なのか「オフライン」なのかぐらいははっきりさせておいて欲しい。

トラブルにつながる「コンセプト」のミスマッチ

 「コンセプト」もはっきりさせてもらえるとありがたい。雑談や質問は「無駄な時間」と考え、とにかく多くの問題に触れるのが目的の会なのか、それともあれこれ雑談も交えて和気あいあいと楽しむことを目的とする会なのか。どちらも「クイズを楽しむ」という曖昧な言葉にまとめられがちだ。このミスマッチングはトラブルのもととなるので、本当に告知に力を入れて欲しい。

疎かになりがちな終了予定時刻の告知

 「日時」について。これについてはきちんと告知をなされている場合が多い。しかし、急遽変更となった場合のリカバリーが雑な場合が時々見受けられる。そのため、「昨日もうやっていました」「明日になりました」という場合に出くわすことがある。もちろん、こちら側の見逃しのミスもあるが。
 また、終了予定時刻が告知されていない事が多い。特に会場の使用制限がない「オンライン」で多い。別にきっちりその時間で終わらせる必要はない。私は目安が欲しいのだ。(中にはその時間内で終わらせないと必死になるあまり、雑談や質問を許さなかったり、問読みが早くなったりする人もいるが、そこまでしなくてもいいのにと私は思ってしまう。ギスギスするくらいなら、多少の終了予定時間のオーバーなんて気にならない。さすがに1時間近くオーバーするのはイヤだけど。)目安があれば、疲れたり眠くなったりしてきたときに、途中で抜けるか否かもう少し頑張って参加するかの判断もできる。時間帯によっては、後ろに別のフリバ会の予定を入れたりすることもできる。目安がない状態では、「永遠の拘束時間(表現はあまり正しくはないが)」に感じる。クイズをやっている最中に「何時頃終わる予定ですか?」と聞くのは非常に心苦しい。一度クイズが始まってしまうと、流れを遮るというのはとても勇気がいる。ルールや問題についての質問をして「うだうだ言ってないで早く次の問題!」とかキレられた経験がある私としてはなおさらだ。

「事前告知」で互いに居心地のいい場を

 クイズを愛好する人々には、それぞれ様々な考え・哲学がある。それを一つにすることはなかなか難しい。集まってから、考え方が合わない人を排除するのではなく、そういうことが起こりにくくなるように、集める前に自分の考え方をきっちり提示しておくのは、結構重要なことではないだろうか。みんなそれぞれ貴重な時間を持っている。貴重な時間を使って参加するクイズの場は、みんなにとって居心地の良いものであって欲しいし、有意義な時間であって欲しい。そのためにも「事前告知」はできるだけ丁寧に。たとえ、フリバであっても雑な告知はトラブルのもとである。


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