![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117001479/rectangle_large_type_2_331facb41e5548ffc2d6b73dc9f93854.jpeg?width=800)
高度1万メートル、黄昏の雲海。
いつも夕焼け空を眺めていて飛行機雲を見つけたときと同じことを思った。
あの飛行機は、何時にどこを発って、どこへ行くのだろう。
あちらからこちらを見たら、どんな世界が広がっているのだろう。
高度1万メートル、黄昏(たそがれ)の雲海。
目線の下には延々と雲海が続いていて、
その向こうに傾きかけている太陽が
この世界を淡く、黄色く染めている。
道を行き交う人々や車の音で溢れた地上とは違って、
そこはきっと静謐で、
風の音だけが響いている。
足元に姿を現した小さな季節の挨拶にも
目をやる暇がない地上とは違って、
時の流れがゆるやかで。
この刹那の黄色い世界はきっと永遠。