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浜松にひとり旅してきた

⚠️この記事は、軽く7,000字弱ある旅行記です。
読む際には時間が溶けますのでご注意ください。


前日編

3連休初日の土曜日、お昼すぎ。
空高く、天気は晴れ。
絶好のお出かけびより。

そんな日にわたしは、マウスを握りキーボードに指を踊らせ、21.5インチディスプレイに映るYouTubeをすずろなりに眺めていた。
このまま順当に行けば、この3連休などはじめからなかったかのように溶ける未来が見えかけていた。



しかし、突如おすすめに出てきた一本の動画によって、その未来予想図は覆されることに相成った。

観ていたのは、果林さんという方の動画。
年の瀬に青春18きっぷを使って、交通費実質2,410円で東京から大阪まで普通電車(各駅停車)で移動したという。

とかく影響を受けやすいわたし。
何も予定がない3連休。
脳内が「せっかくなのでわたしもこういう旅をしてみよう」という声で染まるのに、そう時間はかからなかった。

そうと決まれば、行き先もすぐに決まった。
以前から行きたいと思っていた、静岡県の浜松
果林さんみたいに各駅停車を乗り継いで、愛知県の名古屋から浜松へ。



動画を観たワクワク感のまま早速かばんを肩にかけようとするわたしを、理性がグアシッと引き止める。


「いやちょと待て、昼過ぎから出かけて大丈夫かい……?」


確かに、名古屋から浜松って結構近い。
なにせ走っているのは天下の東海道線だ。
名古屋から途中豊橋までは、最高時速120kmで疾走する快速列車も数多く設定されている。

けれど、今回使うのは各駅停車のみ。
文字通りすべての駅に止まるので、時間がかかる。そのうえ、各駅停車は基本的に短距離を結ぶ列車なので、名古屋から浜松の間に乗り換えが相当数必要になる。

つまり……午後から出かけたら、浜松に着く頃には日が暮れてしまう


理性により引き止められたわたしは再びPCの前に座った。
旅するのは明日にずらそう。その代わり、下調べしてちゃんと旅しよう。




2時間後。
わたしにしてはかなり練られた計画ができた。

あとはこれに沿って、明日旅をするだけ。



当日編

おはようございます。
朝8時前の名古屋駅にやってきました!

天気は晴れ。さぶいですけどね。

いよいよ旅の始まりです。
まずは、今回お世話になる名鉄のホームへと移動します。

「名鉄線」の文字に従って歩く

名古屋から浜松に行く場合、鉄道であれば2つの手段があります。

  1. 名古屋から浜松までJR

  2. 名古屋から豊橋まで名鉄、豊橋から浜松までJR

名古屋から途中豊橋までは、JRと名鉄(名古屋の私鉄大手)がほぼ並走していて、バチバチにやりあっているのです。🚃💥🚇

早く浜松に行きたいなら、JRを使ったほうが一本で出れそうに見えます。
ところが、名古屋から出ているJRの列車はほとんどが豊橋止まり。つまり、JRでも名鉄でも豊橋乗り換えをすることになるのです。
しかも今回の旅の趣旨は、各駅停車で浜松まで行くこと。どのみち乗り換えをたくさんするのです。

そんなわけでシンプルに料金で比較した結果、2の名鉄を使ったルートの方が安いことが判明。


ということで、名鉄の改札口へ。
駅の入口にある階段で足を滑らしておっとっとしたのは内緒です😌笑

本日最初にお世話になるのは、8時09分発の普通東岡崎行き
待つこと15分、やっとこさ「普 東岡崎」の文字が案内板に表示されました。

一番下の子に乗ります!

やって来たのは車体が一面真っ赤の電車。
ザ・名鉄電車って色です。この色には「名鉄スカーレット」という名前がついているくらい、名鉄といえば赤です。

名古屋駅では撮り損ねたので、途中駅で撮ったものをぺたり。

車内は、座席の色も落ち着いていてこれまたよき。
座り心地もほどよく柔らかくて疲れません。

特急や急行の通過待ちをしたり、準急の待ち合わせをしたり。途中計8本くらいの優等列車に抜かれつつ、名古屋を出てから1時間19分後、列車の終着駅・東岡崎にすべり込みました。
(※特急に乗れば運賃変わらず31分でたどり着く距離です)


岡崎は今熱いですね。
今年の大河ドラマ「どうする家康」にゆかりのある地ということで、駅構内には主役の松本潤さん扮する家康のポスターがたくさん貼られていました。

また岡崎は東海オンエアさんの出身地でもあり、駅前で武士の格好をして出迎えてくれます。

この看板の「東へ百メートル 徳川家康公像」の文字に従って右へ行ってみると……

デカっ!!
家康が馬に乗った像が表れます。

ちなみにこの日はその大河ドラマの初回放送日だからか、駅前には家康観光と思われる人がたくさんいらっしゃいました。


さてさて、そろそろ次の各駅停車が来る時間なので駅に戻りましょうか。

駅構内ではこんなものを発見。
一見タバコの自販機ですが、吹き出しにデカデカと書いてあるようにお茶なんです。なんともユニーク。この吹き出しなかったらスルーしてたよ。

パッケージもたばこに似せてておもしろいです。
もちろん写ってるのは名鉄電車。

もちろんお茶の産地は岡崎ですよね……ん?😶


……さて、続いて乗るのは9時49分発の普通伊奈行き
(お茶を濁すなっ)

車内は先ほどとは違い、現代的な通勤電車といった感じ。座席はさっきより硬めの仕上がりです。

しかし……誰も乗っていない!!!

時折、途中の駅で数名が乗ってみえますが、次の駅や乗り換え駅で降りて、また誰もいなくなる。少なくとも、わたしみたいにこの各駅停車に乗って列車終点の伊奈まで乗り通すお客さんはいないでしょう。(その理由は伊奈で降りたらわかります。)


さて、伊奈駅で降りて、次の列車を待ちます。
次は10時43分発の急行豊橋行きです。


……あれ、各駅停車の旅じゃないの??
何しれっと急行乗ってんの??

鋭いですね。
それでは駅に掲示されている時刻表をご覧ください。

上から順に、快速特急、特急、急行、準急、各駅停車。
準急と各駅停車は伊奈止まり。

なんと、各駅停車で豊橋に行く列車はないのです……!!
なので、今いる伊奈駅から豊橋駅、一駅だけ優等列車に乗る必要があるのです。さっき車内がガラガラだったのもそういうわけ。豊橋まで行きたい人は、豊橋まで行かない各駅停車には乗りませんよね。(さっき乗り換えた東岡崎駅が全列車が停まる最後の駅だったことが、この写真からわかりますね。)


やって来たのはスカーレットをまとった6両の列車。
一駅乗って、終点豊橋まで来ました。

名鉄の路線自体もここ豊橋まで。
この先は、JRに乗って浜松まで行きます。

とその前に、豊橋でお昼ごはんを食べます。
開店まで10分ほど時間があるので、ストリートピアノを弾いてみました。
周囲にBGMが流れる環境だったのでちょっと難しかったです笑

ちょっと変わった譜面台な気がする

お昼ごはんは玉川うどん店さんで。

豊橋といえば、豊橋カレーうどんです。
普通のカレーうどんと違うのは、カレーうどんの下にとろろとご飯が埋まっている、という点。普通にカレーうどんを味わった後、とろろカレーご飯を楽しめるという逸品なのです。


紙に名前を書いて待つこと10数分。
席に案内され(自動ドアが閉まりかかってたところに入ろうとしてドアとごっつんこしてしまったのは内緒)、

「奥(壁側の席)入ってね、さぶいでね」

と声をかけていただいてほっこりしました😌


注文したのはスタンダードな豊橋カレーうどん。
せっかくの初体験なので、変わった味じゃないほうがいいなって思って。
カレーが飛ばないように紙のエプロンをつけて、いただきます!

カレーは中辛でピリッと効きつつも、どこかほんのり優しさが感じられる味でした。うどんもほどよい柔らかさで食べやすかったです。

うどんを食べた後のとろろごはんも最高でした🤤

とろろごはん
(食べ途中ですみません💦)

食べ終えてさぁお会計だ、と、コートに袖を通そうとしていたら、お店の方が声をかけてくださいました。

「お茶はいいかね?」
「あはい、大丈夫です!」
「……エプロン外してきなよ😉(笑)」
「ハッ……!!😳」


お会計を済ませ(ちゃんとエプロン外してからコートを着ました)、再び駅へ戻ります。

豊橋といえば、豊橋カレーうどん以外にも路面電車やヤマサちくわで有名です。駅ではちょうど、路面電車の発車を見届けることができました。


さて、続いて乗るのは12時07分発の普通浜松行きです。こんにちはJR。

列車終点まで乗って、12時41分、ついに浜松に到着です。


浜松に着いたらまずは、楽器博物館に向かいます。

ここ、古今東西の様々な楽器がフロア2階分を使ってぎっしり展示されていて、とってもおもしろいのです。
大学受験の時、初めてのひとり旅(一泊二日)でここ浜松に来たのですが、その二日目(受験した後)にもこの楽器博物館を訪れました。なので今回の訪問は2回目。


音楽って不思議です。
科学的にはただの波。なのに、世界中にこんなにもいろんな音色の波がある。
館内は写真撮影が自由なので、いくつかおもしろいなぁと思った楽器をピックアップします。

カーヌーン。トルコの楽器。
鳴るのは聞き慣れたドレミの音と一緒なのが不思議。
音楽の世界でも輸入や影響があるみたい。
これは古代中国の楽器。
そしてこれは韓国。
さっきのと形が似てますよね。
それに加えて、装飾もかわいい(アヒルですって🐤)
これはアイヌの楽器。
口に咥えて糸を引くと、口内の空洞に音が響いて鳴るそう。
「ボヨンボヨン」みたいなすごい不思議な音でした。
ピアノとオルガンがずらり。
昔のピアノは燭台が付いていて味があります。
これがピアノの最初期の姿。
それまでのチェンバロとかと違って、鍵盤を叩く強さで音の音色や強さが変わる。おかげで音楽表現の幅が広がり、ピアノが普及することとなったらしい。


そんなこんなで、気づけば1時間超を過ごしていました。

計画ではこの後浜松ジオラマファクトリーというおもしろそうな博物館に行く予定だったのですが、ちと疲れてしまったのでスキップ。
その次の目的地に向かいます。

向かったのは、きの珈琲さん。

ここで、コーヒーとカスタードプリンをいただきました。

器もおしゃれ!

コーヒーは、ブラックでも苦みがまったくなくて、透き通った味。ミルクを入れると、口に運ぶ時にほのかにミルクの香りが漂う上品な味わいに。
プリンも濃厚でありつつもくどくなく、それはクリームも同じでした。
とってもおいしかったのでまた行きたいなぁ。


駅に戻り、続いては新幹線コンコースに向かいます。

……おいおい、在来線ですらなくなったぞ!!
そんなツッコミが聞こえてきます。

いえいえ、新幹線には乗りませんよ。
新幹線の浜松駅コンコースに設置されている、ヤマハさんのピアノを弾きたいのです。

そのために券売機にて150円の入場券を購入。
乗車券・特急券と同じ青色の切符です。
おーいお茶500mlペットボトルの値段で、いつもウン万かけて手にするのと同じ見た目の券を手にしホームまで上がれる。なんだか不思議です。

さてお目当てのピアノはというと、すでにどなたかがダイナミックにカッコよく弾かれているところでした。曲名はわからないけれどめちゃしっとりした旋律で、すごく好きだなぁって思いました。

お聴きしつつ少し待ってみたのですが、しばらく弾かれるもようだったので撤収。実はこの後もうひとつお目当てのものがあるので、乗る予定の電車まで時間がないのです。

少しだけ新幹線を眺めました笑。
夕陽が反射していました。


新幹線改札口を出た後、小走りで駅前の遠鉄百貨店に向かいます。
目的地は地下1階。ずっと行きたかったお店があるのです。
洋菓子屋さん&惣菜屋さん(?)のチェーン店、フロ・プレステージュさん

名古屋に店舗がないわけではないのですが、車でのアクセスが必須なところにあって。浜松の店舗は駅前にあるので、次に浜松行く時は絶対ここに行こうって決めていました。

キャラメルプリンタルトと、海老とブロッコリーのタルタルサラダを購入しました。

キャラメルプリンタルト
海老とブロッコリーのタルタルサラダ(帰宅後撮影)

店員さん、連携がすごくてカッコよかったです。


おみやげを買ったら再び浜松駅に戻り、今度は在来線改札口へ。

16時20分発の普通豊橋行きに乗ります。
これから最後の目的地に行くのです。
降りたのは3つ先の弁天島駅

お目当ては……これっ!
海に浮かぶ鳥居と夕陽!

いいタイミングで飛行機雲と鳥が来た!
(レンズの傷が写ってしまったのがかなしい)
空って広いなぁ
ゆずさんのあし(笑)

もうめちゃくちゃきれいでした……
ひらけた場所ってのもあって、開放感もあって気持ちよかったです😌✨

ただ、日没時刻よりも先に次の電車が来てしまうため、完全に日が落ちる前に切り上げます。

カメラを持った人がわらわらいました

……と言いつつ、時計を見たらなんと3分前!!
やばい!!
急いで走ったら、1分で駅にたどり着きました。

息切らして改札機にスマホをタッチして、呼吸を整えながら待つこと数分。

16時53分発の普通岐阜行きがやってきました。
この列車はいずれ名古屋駅も通るので、このままこの列車に乗っていれば今日の旅は(仕方なかったところは除き)全区間各駅停車で乗り通したことになります。やったね。

でも、それをやると帰宅時間が遅くなるので……
帰りは各駅停車しばりは無視します!笑


17時15分、豊橋駅7番線ホームに着いたら、階段を経由して5番線ホームへ。
17時21分発の特別快速大垣行きに乗り換えます。

JR東海の東海道線で乗車券だけで乗れるのは、普通、快速、区間快速、新快速、特別快速の5種類。特別快速は一番停まる駅数が少ないやつです。
列車はとっぷり日が落ちて暗くなった濃尾平野を、最高時速120kmで駆け抜けます。

これはまだ陽が落ちる前。
はやいね。すごいね。

車内で今日の旅の下書きをまとめているうちに(実は旅の途中でちょこちょこ書いていたので、ほとんど完成していた)、列車は名古屋市の中心部へ。


18時12分、名古屋駅に到着です!

これにて本日のひとり旅は終了。
iPhoneの壁紙もすっかり夜になりましたね。
あと充電も100%→12%に。


旅のまとめ

今日はまず、名鉄の各駅停車を乗り継いで豊橋まで行きました。
豊橋ではストリートピアノを弾いて、豊橋カレーうどんを堪能しました。

その後JRで浜松まで移動。
楽器博物館で音楽の世界に浸かり、きの珈琲さんでプリンとコーヒーにほっと一息。
新幹線コンコースのストリートピアノは弾けなかったけど、やっぱり新幹線見て興奮しました(旅って感じがする)。念願のフロ・プレステージュさんに行けたのもよかった!

帰りは弁天島駅で途中下車して、海に浮かぶ鳥居と夕陽を眺めました。
その後は特別快速という必殺炸裂チート技を使って、無事名古屋に戻ってきました。


今日の旅の気づき

記事の最後に、今日の旅で気づいたことを残します。

1.ブランケット持ってきゃよかった

まず、冬に各駅停車の旅をするなら膝にかけるものはあったほうがいいです。
なぜなら、優等列車の通過待ちをする間ドアが開けっぱなしだからです。
1つの駅で連続で2列車に抜かれたりするので、通過待ち時間は意外と長い。

2.本とiPadは不要だった

今回の旅では、車窓に飽きたり時間が空いたりした時用に、リュックサックに本を忍ばせていました。また、iPadもnote書くのに便利かなと思って持っていきました。

でもわたしの場合はいりませんでした。
noteに記載し終わると、ちょうど次の降車駅みたいな感じだったから。
noteも結局iPhoneで書いたので、iPadは一切開かず充電100%のまま帰宅。

3.iPhone買い替えてよかった

これは普段使っていてすでに思っていることではあったんですけどね。
やっぱり改めて、iPhone 7→14に買い替えといてよかったな、と思いました。
動作が俊敏だし、5G対応しているし、iOS 16の新しいロック画面使えるし、一日中これだけ使っても充電持ったし、広角カメラのおかげでわたしの一眼レフでは撮れない絵が撮れました。iPhone 14に感謝。

4.自分の「したい」を素直に叶えられた

なんだかんだで、今日一番の収穫はこれ!!
自分が前日に計画を立てた時に「これしたいなぁ」って思ったこと、体力と時間の関係で諦めたところはあるけれど、それ以外は全部「やってみよう」って行動することができた。
それは、周囲の目線(目の前まで行ったのに腰が引けて踵を返すとか)を考えすぎずに、自分のこうしてみようって感情に素直に従ったからだと思う。

おかげで、昨日立てた計画の9割を実現できた。
特に、電車の時刻は行きの豊橋→浜松を除いてすべて一緒。
(行きの豊橋→浜松に関しては、昼食後だし浜松で乗り換えるわけでもないので、この時刻の電車である必要性はもともとなかった)
この点も、今回の旅が気持ちよかったと感じさせてくれている一員なんじゃないかなって思っています。

前日に作った計画表(一部間違いがあります)



すっかり長い記事となってしまいました。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
お相手は、ゆっずうっずでした🍊


またね、浜松!