ゆずもち

子育てと生活について。エッセイとイラスト。 子どもは4歳女の子と1歳男の子です。

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むすめがうまれたひ【エッセイ】

娘を妊娠したのは、色々なことに行き詰まっていた頃だった。 働き続けることができず、実家とは連絡を絶ち、夫婦の間にもすれ違いが沢山あった。 私が自分の人生というものに、一番途方に暮れていた頃、娘は私のお腹に来てくれたのだった。 私は子どもが大好きで、子育てはずっと夢だった。 だけど、夢が叶うということと、実際にできるかどうかは別だと思った。 妊娠が分かったとき、私はとてもとても嬉しくて、そして怖かった。 当時、私の問題の多くは、こうあるべきだという思いとままならない現実との間

    • 春に【エッセイ漫画】

      春が好き。 重たいコートを脱いで、北風に縮めていた背中を伸ばして、空いっぱいに反射する陽の光を浴びて。 皆が待っていた、芽吹きの季節。 そして私にとっては、子ども達が一巡り大きくなったことを、実感する季節でもあるのです。

      • いつか恋をする、小さなあなたへ【エッセイ】

        息子を出産するとき、入院バッグには恋愛小説を忍ばせた。 半年前に二人目の子を出産した友人が、「入院は二人育児が始まる前の、ゆっくりできる最後のチャンス!好きなもの持っていくといいよー!」とアドバイスをくれたのだ。私は少し考えて、日記帳とスケッチブックと、ある恋愛小説を鞄に詰めた。 その小説との出会いを、私は覚えていない。そのくらいずっと前から当たり前に私の本棚にあって、幾度となく読み返してきた。その度に新鮮な気持ちで泣いてしまう、大切な本。 出産を終えた日、疲れや興奮が

        • おばあちゃんとルミネ【エッセイ】

          幼い頃、祖母とお出かけするのが好きだった。 祖母はよく笑いよく泣く、少女のようにチャーミングな人だ。87歳になった今でも変わらない。 そんな祖母に手を引かれ、よくデパートへ行った。私は本と文具を、祖母は地下のお惣菜をじっくり見るのが常だった。 時折、デパートではなく「ルミネ」に行くよ、という日があって、それは私を特別わくわくさせた。なぜなら、「ルミネ」には「電車のすべり台」があるからだ。 電車の形をした木製のその遊具は、側面にすべり台が付いている。店の並びから少し奥ま

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