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【5000字】スタートアップ運動会、あの日那須では何が起こっていたのか。

みなさん、はじめまして竹葉聖(たけばきよし)と申します。普段は日本M&Aセンターという会社でITスタートアップのM&A支援に従事しています。noteに登録して約4年、いわゆる「読む専」でnoteを楽しんでまいりましたが、1本目のnoteの自身による執筆が「運動会」について書くことになるとは夢にも思いませんでした。事の経緯を説明すると(詳細は長くなるので端折りますが)、元日本M&Aセンターの営業MVPの社員で、現在はサンフランシスコとシリコンバレーで起業をしているpotlatchのCEO小林大河という人物に誘われ、スタートアップ運動会に参加し、運動会参加後、Skyland Ventures (以下、SV) のパートナーである木下さんに「竹葉くんnote書きなよ!」と言われ、「はい書きます!」と社交辞令でスルーしていたのですが、複数回言われたので、「これはnoteを書かないと大変なことになるぞ」と身の危険を感じ、筆を取った次第です。「帰るまでが遠足、noteを書くまでが運動会」ということで、10/28-29にわたって参加した『スタートアップ運動会』の参加記録についてここに記したいと思います。

事前に発信された当日のタイムテーブル。
カラシ色が運動会へのワクワクを誘う。

○運動会概要
日時:10/28-29(土・日)
​9時渋谷集合 - 13時現地解散(17時頃渋谷着予定)
​・場所:那須近郊
・人数:150名

運動会は、渋谷のセルリアンタワーに朝9時に集合するところから始まりました。前日、運動会への期待と不安を緩和するために、お酒の力を借りて床に入ったのですが、案の定、お酒のパワーが強すぎて、8時過ぎに起床(寝坊)し、前日に保存しておいた自宅のある門前仲町〜渋谷駅までの電車を使っての経路案内を使用することなく、タクシーで6000円を課金し、渋谷に到着しました

渋谷に到着するや否や、2台の大きなバスと100人近い人がすでに集まっていました。着いてすぐに大型バスへの乗車を促されました。

運営に気づかれないように盗撮したバス
右上には「スカイランドベンチャーズ」の文字が


よし、これでiPhoneのアラームに叩き起こされたまだ半分眠っている体を休められる、と思った矢先、「はーい!自己紹介タイムはじめまーす!」といつの間にか車内に出現していたMCの方の声が響き亘りました。自己紹介タイム→運動会のスケジュール説明、備品の配布→ビンゴ大会→イントロドン!ともう既にコンテンツが盛りだくさんで車酔いをする暇もなく、気づいたら片道3時間の那須に着いていました。イントロドン!では、ドライバーテクノロジーズCEOの川島さんが、圧倒的なイントロデータベースを発揮し圧勝していました(最後のほうは、もう曲流れる前から当てていました)。

車内で配られたゼッケン等
(ポップな運動会のしおりがなかったら、ただの「カイジ」)

バスに揺られて那須に入りました。運動会の会場は以前実施されたIVS那須の会場と同じでした。遊園地の近くにある、廃校になった地元の小学校のグランドに到着しました。

最初に到着した廃校になった小学校のグランド(強まるカイジ感)


バスから降りると、「はーい会場はこちらでーす!」と体育館に入りました。着くや否や、申し訳ばかりに用意された小さな更衣室で各々が運動着に着替えました。紅組、黄色組、青組と3台のバスに分けられ、約150名が那須の体育館に集結しました。

那須の奥地の廃校、広すぎるグランド、昭和の匂いのする体育館、敷き詰められた起業しろのぼり。情報量が多すぎる

運動会といえば恒例のラジオ体操。ふんどし先生ことバディトレというセミパーソナルジムを運営する星野雄三さんの号令のもと、ラジオ体操を実施しました。

約150名の参加者によるラジオ体操の様子(もはやカイジのそれ)

ラジオ体操でしっかり身体をほぐした後は早速競技に入りました。運動会のメニューは下記の通り。

Time 13:00-17:30
①開会挨拶
②みんなでラジオ体操
③日本かくれんぼ協会監修による「かくれんぼ」
④モダン玉入れ
⑤借り物競争
⑥大玉転がし(2023Ver)
⑦各種表彰、記念写真

○かくれんぼ
最初の競技はかくれんぼ、通常実施しているかくれんぼとは異なり、体育館全体に敷き詰められた複数の簡易テント。ここに隠れてながら中央の大きな玉に鬼に気づかれないようにタッチするという形式

スノーピークのモデルルームじゃないよ。


指導役ははじめしゃちょーのYouTubeでも有名な日本かくれんぼ協会かくれんぼ日本代表の高山さん、このかくれんぼがめちゃくちゃ面白かった。高山さんの名言『人は行動をみれば、その人の性格が分かる』ということで、大手企業の集合研修などでもチームビルディングを目的として活用されているとのこと。チームワーク、戦略、集中力、運動、配慮、人間にとって必要な全ての要素が集約されたのが「かくれんぼ」という競技。3分間、1人の鬼と20人の隠れ者たちが、参加して繰り広げられたゲーム。私は開始15秒で鬼に見つかりましたが、非常に奥が深いゲームでした

○玉入れ
かくれんぼで既に股関節に違和感を感じ始めていましたが、次の競技は「玉入れ」。普段から皆さんがやられている玉入れは(図1)にあるように、玉を入れるべきカゴが固定され、その周囲を老若男女が囲み、「自分が玉を入れらるであろう」人生の経験値に基づき算出された一定の距離感に立ち、オーバースローないしアンダースローで玉を目的ととなるカゴに振りおろすという形式を取りますが、今回の玉入れは、なんと目的となるカゴ自体を生身の人間が持ち、しかもそれが移動するというモダン玉入でした。

(図1)通常の玉入れ

組対抗で実施した玉入れ、それぞれの組の代表1人が敵チームの玉入れの対象となるカゴを持ち、それに入れさせないように体育館中を高速で動き回るという、改めて文字に起こしても高難易度さが伺えるゲーム。実際やってみるとこれが難しいのなんのって、もはや高速で移動するカゴを持った人に追いつくのすら無理(しかも走りながら回るし)。

あまりの難易度に戦意を喪失する一緒にきた会社の後輩

この高難易度の高さに気づいたのか、SV運営側が機転をきかし、カゴを持った人は動かず、手に持ったカゴを上下、左右に「空気を読んで動かす」というルールになりました。さすが、普段から高速でPDCAを回している百戦錬磨のSVチームの皆様、現場の意見を鑑みてのルールの改善が早すぎました。

もともとは真ん中のカゴを持った人が高速で体育館中を走り回ってたんだよ?


的となるカゴを持った人をみんなで囲むというキャンプファイヤー形式をとり、「時間内にカゴに玉を多く入れる」という1つ共通目標にみんなで取り組む、もうこの状態で既に言葉を交わさなくても初対面の同じ組の人とは心で通じあっている感がありました。

「僕は玉を地面から拾って君に渡すから」
「じゃあ、僕は君から受け取った玉を確実にカゴに入れることに専念するね」
「じゃあ、僕は遠くに飛んだ玉を拾い集めてくるよ!」

玉入れという単純なゲーム、ただ明らかにそこに生まれていたのは、『分業制』という仕組み。このような単純作業から人類は進化し、分業制によるフォード社のT型フォードの大量生産、トヨタのカンバン方式は生まれたんだ、と玉を入れながら感じていました。
と同時に、これはSV側の仕掛けで「玉入れ」という人類史上最も単純な競技をさせることで上記の分業性などを実体験してもらい明日からの業務に活かしてもらおうという思惑があるのではないかと思いました(すごいぞSV運営陣、すごいぞスタートアップ運動会。。)

○借り物競争
玉入れが終了すると次は借り物競争に移りました。借り物競争の具体的ルールは以下の通り。

①2人1組でスタートラインに立ち👬
②バットで5回回り
③紐に吊るされたパンを口で取り
④二人三脚で移動し
⑤お題が書かれた紙を手に取り、お題を遂行し
⑥ゴール地点で待つ、SV木下さんが持つ巨大シャモジ(※どこで作ったんだ)にタッチする

進撃の巨人もびっくりのSV木下さんの巨大シャモジ
(マジでどこで作ったんだ)

という⑥だけ癖の強い、その他は至ってシンプルなルール。各チームごとに2人1組となり計10レースほど実施されました。上記のルールの中で1番難しかったのが、③の紐に吊るされたパンを口のみで取る、という普段の生活シーンではあまり見ない行為。各メンバー悪戦苦闘していました。ここでパン食い競争に造詣の深い同じ紅組のメンバーであるDFA Robotics(ガストなどでお馴染みの猫型配膳レボットを提供してる会社)の山本さんが、「紐で吊るされたパンの根元を狙い、紐に対し斜め30-40度くらいの角度で口を入れ、パンの根元を歯で掴んだら、あとはアゴで顔を振り切る」という今後一生使わないであろうアドバイスを紅組のメンバーにシェアしました。山本さんのアドバイスの甲斐もあってか、借り物競争のボトルネックとなっていたパン食いで、圧倒的な速さでパンを口で食いちぎる集団が組成され、紅組が圧勝を果たしました。

(補足)実際に出題された借り物競争の「お題」
・iPhone信者
・慶應生
・ベンチャーキャピタリスト
・父親
その他、様々なお題がありました。

二人三脚があったり、効率的なパン食いのノウハウをみんなでシェアしたり、単純な競技だからこそ改善のためにみんなで知識を出し合う、ここでもさらにチームワーク、チームの結束力が強くなりました。

○大玉転がし
ここまでの競技を消化した時点で、紅組は1位で進捗していました。最後の競技は大玉転がし。「優勝」の二文字も目前となり、紅組チームの盛り上がりも最高超に達していました。大玉転がしも通常のルールとは異なりました。通常は大地に接した大玉をみんなで転がすという地球を利用した競技ですが、今回は大玉を宙に浮かし、各人で空中に地面を作ることによって、大玉を目的地まで転がし、その速さを競うゲームでした。
ここでも単に全員で大玉を運ぶのではなく、作戦会議の末に、スタート地点で玉を押し出す役、押し出された玉を数メートル先に設置されたコーンまで運び折り返してくる役、ゴール地点で浮いた玉を(本ゲームは玉が完全に地面に設置したらゴール)地面に着地させる役に、分かれました。

手前の人は玉に囚われることなく動いているよ

上記の作戦のもと、1戦目は青組に大差をつけて圧勝しましたが、2戦目は黄色チームに1/100秒の差で敗れました。みんなで大玉を運ぶ、という単純なゲームがこんなに面白いとは思いませんでした。

○各種競争、記念撮影
かくれんぼ、玉入れ、借り物競争、大玉転がし、全4競技を13:00からスタートした運動会、全ての競技を終えた時点で時間は17:30を回っていました。紅組は運良く優勝しました。団体賞の他にも会も盛り上げてくれたメンバーなどさまざまな観点で賞が用意されていました。

何の賞かは忘れましたが、賞品の「家庭用たこ焼き機」をゲットしご満悦な千葉道場のスティーブンさん


紅組の集合写真が手元になく、代わりに青組の集合写真を貼っておきます。

○まとめ
大人になって初めての運動会でしたが、起業家、ベンチャーキャピタリスト、父親、学生、さまざまなバックボーンを持った約150人のメンバーが那須に集合し、運動会を実施しました。初対面ですが各競技で同じ目的に向かい、策を練ったり、ノウハウをシェアしたり競技を通じて協力することで明らかに「同じ釜の飯を食べた」同志感が生まれ、チームワークが醸成されました。
また、今回日本及び世界でも恐らく初めての第1回スタートアップ運動会を企画、実行したスカイランドベンチャーズさんをはじめ、関係者の方々の「え?100回記念大会」と思うくらいのスムーズなオペレーションと企画の濃さには脱帽しました(とても2ヶ月前に走りだした企画とは思えない)。運動会の他にもサプライズマグロの解体ショーや、深夜の芋煮会、ピックルボール、野球大会、阿波踊りなど全てのコンテンツが充実したもので、おなかいっぱいの2日間でした。数年後にはスタートアップ運動会世界大会が開催される世界線が見えました。企画、運営いただいた方々本当にありがとうございました。

ちなみに運動会に誘ってくれた張本人、potlatchのCEO小林さんは運動会が終わった夜に那須に到着し、翌朝ピックルボールだけやって早々に東京に帰っていきました。

【素敵なお写真(Xから画像保存して勝手に)使わせていただきました🙇‍♂️】
・高野秀敏/ベンチャー転職/エンジェル投資家/M&A 様(Xアカウント:@keyplayers)
・赤井りな🍎株式会社オフィスバンク広報様(Xアカウント:@r_officebank )
・踊るまれちゃん🌺IPPO広報・オフィス移転(Xアカウント:@marechan_IPPO)

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