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【名盤チェック】#4 はっぴいえんど: 風街ろまん (1971)

どうも、yuzuramenですよ。

タイトル通り名盤を一つ一つ聴きながらレビューし、自分の中の音楽の価値観を広げていこうという企画です。
音楽のレビューなどまともにしたことも無いので見苦しいかもしれませんが、どうかお付き合いいただけると幸いです。

聴くアルバムの基準ですが、かれこれ5年以上視聴している「み○ミュージック」様のアルバムランキングを参考に、邦・洋楽問わずトップ50辺りに入っているものを適当に選びます。その中でも、僕が今までマニアになったアーティストが好んで聴いていたものを選ぶ傾向にあると思うので、ご了承を。

4回目の今回ははっぴいえんどの「風街ろまん (1971)」でございます。一気に時代が遡りました。

いろいろ概要

鈴木茂 (G, Vo), 松本隆 (Dr), 大瀧詠一 (G, Vo), 細野晴臣 (Ba, Vo)

言わずと知れたスーパーアベンジャーズバンドですね。「おいおい今更風街ろまんの記事かよんなもん腐るほど見てきたわお前にゃ何が語れるんじゃいというか聴いてないとかお前本当に日本人か」等と音楽マニアの皆様に既に思われてそうなので説明は省きます。

僕はみ◯さんの影響で後に細野が在籍したYMOや大瀧の曲は何個か聴いたことがあったものの、はっぴいえんどは何故か聴かず嫌いで避け続けていました。
本作が数々の邦楽アルバムランキングで1位に輝き、日本語ロックの方向性を決定付けた歴史的名盤なのは認識していましたが、他の音楽ブログで「案外普通」という評価を見てしまったり、「そんな古のバンド聴いても誰も知らんしサザンとか他のアーティスト網羅したい...」など邪念がよぎり完全に見過ごしていましたんです。

はい、言い訳はこの辺にしてさっさと聴きます。どんなロックが待っているのでしょう。

アルバムの感想

結論から申し上げると、「一瞬で全てを味わえる王道で長閑なロックのアルバム」という感想を抱きました。

まず初めに、1971年に発売されたという事実は言われなければ到底気付きもしないくらいに格好良く心地よいメロディが並びます。尾崎紀世彦や加藤登紀子などが台頭した歌謡曲全盛期の時代にあって、本作のようなフォークとアメリカンロックが入り混じり、大部分が繊細な日本語で構成された本作が発表された時の衝撃は、YMOに勝るとも劣らなかったんだろうなぁ、とも強く感じました。何回なメロディや複雑な曲構成が無い代わりにその斬新さと圧倒的な聴きやすさが、本作を日本語ロックの金字塔に押し上げたのでしょう。

ただ言ってしまうと、それだけと言いましょうか…。特に曲ごとに特徴が大きく変わる訳でも無ければ変に捻って独特な雰囲気を生み出していることも無いので、王道過ぎて「好き」の先に行けないんですよね。一通り聞いて本作が持つ後世への影響や十分理解出来ましたが、アルバム単体として邦楽で一番好きになる可能性があるかといえば疑問符が付きますね...

ただ普通に今回は微妙な曲は一切無かったので、真面目に感想を綴ります。ただ前述した通り「この曲はこれが凄い!好き!」というような事柄があまり思い浮かばなかったので短めにまとめてあります。

曲ごとの感想

1.抱きしめたい
アコギとベースが目立つイントロで全体もかなりシンプルな音像ですが、いきなり少し暗いムードの漂う曲で始まるとは予想外。普通に良い曲ですよ。

2.空いろのくれよん
変わって南国ムードに。大瀧さんの気怠いボーカルもあり長閑な雰囲気満点で、とても心地良い曲です。

3.風をあつめて
有名曲ですね。細野さんがボーカルを取る素晴らしいフォーク。メタファーが多用された歌詞も手伝い、素敵な良曲に仕上がっています。

4.暗闇坂むささび変化
短くて楽しい、休憩に丁度良いですね。何でタイトルは「むささび」なのにサビで「ももんが」連呼してるんでしょう。

5.はいからはくち
初めてテンポの速い王道のギターロックが登場。祭囃子でも始まりそうな最初から、一気に疾走感一杯のイントロへ。間奏のギターソロとドラムソロのフレーズといい、とても1971年とは思えないほどノリノリでグルーヴィーな素晴らしい曲です。

6.はいから・びゅーちふる
スライドギターをバックに、タイトルを連呼。前曲の延長のような感じで、A面の締めくくりと考えたら最高な役割を果たしています。

7.夏なんです
特に感想はありません。全体の気怠さを味わえれば良いでしょう。

8.花いちもんめ
哀愁漂うメインリフはスタンダードですが見事。コード進行といい、この曲は本作でも特に古さを感じさせないものですね。あれ、はいからと同じこと言ってるな…

9.あしたてんきになあれ
全編高音で歌い上げますが、初っ端「時々戦闘機が降って来る」とか仰られているので非常に不気味です。

10.颱風
大瀧さんが怠さもありながら、時にスキャットを交えて激しく歌い上げるボーカルワークがめちゃ格好良いです。かなり長尺なのが欠点とも言えますが、このムード満点のファンキーな演奏と歌を味わうには必要な長さですね。

11.春らんまん
ハモり続けるコーラスが特徴の、これまたフォークロック。終盤には三味線らしき音も入り心地良く終わらせてくれます。

12.愛餓を
伴奏も無くただ五十音順を読み上げる曲(?)。「あいうえお」を「愛餓を」にする当て字のセンスには脱帽。

まとめ

ロック黎明期にあってこれほど自然に日本語が溶け込むクールなバンドサウンドを展開出来ていたのは驚くべきですが、思った以上に特徴が少なく「邦楽史上最重要作品」の宣伝文句に自分の中で追いつくことは無さそうだなぁというのが総合的な感想ですね。
ただそれを抜きにすれば、自然で丁寧に作り込まれた優しいサウンドで一貫したとても素敵なアルバムなので、一聴する価値は大いにあります。皆さん、事前評価はあまり気にしないようにしましょう。

評価: ★★★☆☆

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