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【名盤チェック】#1 Radiohead: OK Computer (1997)

ご無沙汰してます、音楽大好きなyuzuramenです。

小さい頃から音楽を聴くことを趣味として早10年以上経ち、これまで国内外様々なアーティストに触れて来ましたが、それでも聴いたことのないバンド・アルバムは山のように残されている現状なので(Beatlesすらまともに聴いたこと無い)、それら名盤を一つ一つ聴きながらレビューし、自分の中の音楽の価値観を広げていこうという話です。
音楽のレビューなどまともにしたことも無いので見苦しいかもしれませんが、どうかお付き合いいただけると幸いです。

聴くアルバムの基準ですが、かれこれ5年以上視聴している「み○ミュージック」様のアルバムランキングを参考に、邦・洋楽問わずトップ30辺りに入っているものを適当に選びます。その中でも、僕が今までマニアになったアーティストが好んで聴いていたものを選ぶ傾向にあると思うので、ご了承を。

一発目はRadioheadの「OK Computer (1997)」でございます。

いろいろ概要

Thom Yorke (Vo,G), Jonny Greenwood (G), Colin Greenwood (B), Ed O'Brien (G), Phil Selway (D)

Radioheadは1992年デビューのイギリスのロックバンドです。
ジャンルとしてはオルタナロックをベースにしているものの、電子音楽、エレクトロニカ、ジャズ、クラシック、現代音楽などバンドの枠に囚われない様々なジャンルを融合させた音楽性を得意としている、結構稀有なバンドのようです。メンバーの面でも、ギターが3人も居る珍しい体制なんですね。

名前は知っていても全く今まで聴く気になっていませんでしたが、最近どハマりして聴いていたサザンの桑田佳祐が一時期(アルバム「さくら」の頃)大変好んで聴いていたという情報を耳にし、こりゃ自分も影響を受けるしかないと、ワクワクで挑みました。

今作はイギリスで780万枚以上売れるなど大ヒットし、評価の面では本作は「90年代ロック最高傑作の一つ」など錚々たる文言が並んでいますので大いに期待出来ますな。

そんで一応予習の為に前作「The Bends」を一通り聴いたんですが、なんか想像以上に世界の終わりみたいな雰囲気だし変なサビメロの曲多いし思ったよりエレキじゃ無いしでかなり困惑しました。あれ...?
しかし何回も聴くうちに「High And Dry」や「My Iron Lung」などクールと感じられるものも幾つか入っていたので、The Bendsより評価の高い本作ならきっと最初から気に入る斬新な作風の曲が多数入っているに違いない!とワクワクして「Airbag」の再生ボタンを押しました。

ジャケットは色合いとか結構好み

…まさかあんなに裏切られるとは。

アルバム全体の感想

7曲目の「Fitter Happier」辺りにはこの言葉が頭を埋め尽くしていました。

「…なんじゃこりゃ???」

今にも行方をくらましそうな危うげなボーカル、前作以上に闇しか見えてなさそうな退廃的かつ複雑なメロディとリフ、一向にメロディアスになったりハードになることの無い構成など、全く覚えさせる気のない曲の数々の、
一体これの何処に大ヒット要素があるんだ…?」と考えるしかない特徴の多さに終始「?」がチラついていました。
シングルにしても曲毎の魅力の違いとか3周くらいしても全く掴みどころが無く、正直「これが大ヒットしてた当時の英国どんだけ病んでたんだよ」程度の感想しか思い浮かぶことはありませんでした。

いや悪いアルバムだとは思わないんですが、今まで好きになった洋楽の曲群と比べたり、「90年代ロック最高傑作」「洋楽アルバムランキング5位」等の謳い文句を見た後だと「これの良さってそんなに他を凌駕するんか…?」と悩まずにはいられませんでしたね。誰かこれが後世に与えた音楽的影響を初心者の俺に教えてくだせぇ。

曲ごとの感想

まぁこれ以上愚痴言ってても仕方ないんで、内容ほぼ忘れましたが曲ごとの感想書きます。「このコード進行が凄い!」みたいな音楽的な評論は何も出来ないんで、取り敢えず気になったところだけ雑に綴ります。

1.Airbag
最初から不穏極まりないリフが流れ込んで来て「想像通りだ」と割と興奮したんですが、後半の何を目指してるのか分からないアンサンブルから徐々にだれてきて、4分経った頃には「早く次の曲行ってくれ」となってましたかね…
「Planet Telex」以上の格好良さを感じることは出来なかったかな。

2.Paranoid Android
シングル曲。最初に聴いた時に最も「?」が浮かんだ曲です。サビは存在せず、アコギ基調のサウンドから途中突然ハードロックになったり、その後不気味なコーラスパートやデジタルノイズが交わる行き先不明のセッションへ繋がったり、一体何処で盛り上がるのかさっぱり分からないまま曲が終わる。展開に無理矢理さは無いですが、6分はちと長いよといった感じです。
今まで聴いたこともない斬新さは確かに凄い。ただそれが曲の良さに繋がっているかと言われると何とも言い難い… 一聴する価値はあると思いますが。

3.Subterranean Homesick Alien
哀愁を誘うイントロやローズピアノが響く伴奏に割と安心したのも束の間、そこから始まったのはまたいつもの浮遊感たっぷりのレディへでした。「Uptight」って連呼してたことくらいしか記憶に無い。

4.Exit Music (For A Film)
ロミオとジュリエットか何かのエンドロールに使用された曲のようで、確かに前半のアコギとコーラスのみが添える演奏構成はとても儚くて雰囲気たっぷり。だったのだが後半でドラムが入ったのと同時に、雑音としか取れないデジタル音も大音量で入って来て不快極まりなかった。ボーカルもこの曲くらいは美メロを張り上げて歌ってくれればまともに聴けたのになぁ。

5.Let Down
これまた美しいアルペジオから幕を開ける。サビメロまでの展開が早い且つ、この曲はどの部分のメロディも、底辺で彷徨っているような掴み所のない感じでは無く、コーラスも多用してしっかり盛り上げてくれているので、5分もあるのに聴いていてそこまで退屈せずに済みました。デジタル音も全く邪魔をせず、アウトロでは良いスパイスとして機能している。本作で2番目くらいの評価ですかね。

6.Karma Police
シングル曲。特に何か語ることは思い付かないけど、本曲のような何処か深海から抜け出そうとしていそうなムードのフォークバラードは嫌いじゃないっすね。ただ何だろうな、インパクトの面では他より突き抜けているかと言われたらコメントに困ります。

7.Fitter Happier
2分弱の曲(?)ですが、終始謎の男2人が両耳から何だかよく分からない文言を語りかけてきます。うん、素直に怖ぇよ。

8.Electioneering
このアルバムの中では一番ハードな部類の曲に入りますかね。比較的分かりやすいかもしれないけど、やはり存在感皆無のAメロ等が自分を完全にノらせてくれることは出来なかった。なんか惜しいんだよな。

9.Climbing Up The Walls
このアルバムで何回も聴いた感じの、リフが存在せずデジタル音から妖しく始まる曲。それ以上の何かを探せはしませんでした。最後の叫びとノイズのコンボは下手したら夢に出て来そうで怖いっす。

10.No Surprises
シングル曲。「Let Down」同様、アルペジオのイントロはかなり好きですね。この美しいリフをバックに、比較的明るいメロディラインが終始乗るこの雰囲気は結構気に入りました。このアルバムでは一番好きかもしれないですね。ストリームの再生数を見ても本曲が一番人気のようです。

11.Lucky
まず歌い出しからして全然ラッキーじゃなさそう
幻想的なコーラスが入ってたり、サビから急にコードが変わって天国のような雰囲気になるのは良いんですが、如何せん他の曲との明確な違いを見つけられなかったもので…

12.The Tourist
僕って結構三拍子のバラード好むんですが(全然違うけどサザンの「ひき潮 ~Ebb Tide~」とか)、「これで締め括るぞ」といういかにもな長いアウトロが結構すんなりと入って来て感触は良かったです。もう大胆に平和的な方向にして「Champagne Supernova」みたいな大作にしちゃえば良かったのに。

まとめ

全部聴いた感触は、「世界観は統一されてて悪くないけど、詳しくメロディや曲単体の魅力に目をやると弱い」でした。僕って他のアーティストだと「ACTION/B'z」、「さくら/サザン」、「Innuendo/Queen」みたいに多彩なジャンルの曲が縦横無尽に入る作品を好む傾向にあるので、本作のような暗く遅いテンポのままで統一するような、盛り上がる所が最初もその後も見当たらない作品はあまり刺さりませんでしたね。

あと「圧倒的に覚えにくい」。好きな曲は日常的に脳内再生出来るくらいまで聴き込みたいんですが、この収録曲はそんなこと考えさせる余裕も無いくらいにとっつきにくいです。ファンて「Karma Police」とかで合唱してぇってなるんですかね。

レディへファンの皆様、散々貶して申し訳ございません。僕の好みには合いませんでした。「KID A」聴くかは知りません。それでは。

評価: ★★☆☆☆

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