P3R クリア後感想

5月くらいに書いた記事。全編のネタバレあり。

P3Pをクリアして以来舞台版を最後に遠ざかっていたので懐かしくなった。
おかしいよな、P3PってイベントほぼスチルのみでいまP3Rで目にしているイベントは自分は人生のどこでも目にしていないのに、登校初日の朝の校門前のイベントで「懐かし!!!!!」と叫んだ。
おかしい、お前はそれを見ていないはずだ。

ってくらいリメイクとして素晴らしい出来だった。
リメイクの方針、追加エピソードどれをとっても文句なしの出来。リメイク作品で、これはリメイクとして優れていると感じたのはブリダイシャイパ以来です。
ちょっとだけ残念な点としては、P3Pでやった当時のちょっと陰鬱な感じ、世紀末みたいな行き詰まった閉塞感が薄れていたところ。あのローポリのグラフィックから感じられるアングラ感はさすがに味わえなかった。仕方ない。かなり爽やかだなと思いました。でもほんとにそれくらいかな。

まず最も気にしていたのは荒垣先輩周りのあれこれ。
荒垣先輩は生きててほしい……生きててほしいが、ハム子じゃない世界で生存するのは完全に解釈違いなのでジレンマ。
結果として生存ルートはなかったわけですがリンクエピソードが素晴らしい出来でした。未完成の復学届を前に立ち尽くすしかないキタローになってました。そりゃ10/5はそれ見て自室で寝るしかないんですよ。
P3Pのときは荒垣先輩離脱以降の記憶がほぼないんだよな。真田先輩とか綾時くんのコミュをフラフラしてたけど結局コミュマまで行かなかった気がする。なんかもう辛すぎて。生存してるのに。
未完成の復学届、フレーバーテキストもいいんだよな。「未来を考えた証」。そうなんだよな……これがメメント・モリだァ……、結果じゃない、その選択にどれだけ向き合ったのかという話なんだよ……。
もしかしたら、あの荒垣先輩が、「もしかしたら」を考えていたのかなとか。部屋を綺麗にしてほとんど死ぬつもりでいたのに、手放せなかった「もしかしたら」がそれかと。「これでいい」って言って死んでくけどいいわけあるかバカ! である。でも残されたほうは「これでいい」を信じるしかないんだよな……とも思った。その辺真田先輩が凄くいい役でした。ちなみに小説シャドウクライを読むと、自分で復讐を果たすべきか、他の人が厚意と正義感でやってくれるのをそのままにするか……で悩む天田くんが見られるんですけど、その天田くんの決断(前者)を後押しするのが真田先輩です。因果だね。
荒垣先輩が一番好きなので、荒垣先輩が生き残るハム子ルートも好きなんだけど、やっぱりこっちが本家本元の味わいだなと思いました。
正史という言い方はすきではない。公式ファンブックに書かれている通り、自分にとってキタローとハム子は「等価値」で「背中あわせ」に存在する、それ以上でも以下でもないので。

このノリだと荒垣先輩の話で全てが終わってしまうので次。

まず体調システムの撤廃。これは、残念ながら当然とはいえ一抹の寂しさがありました。これな、これ、最初にプレイしたときに端的に言うと面倒くさすぎて面倒くせ~~!!!!! と思ってたんだけど3/4になって神仕様になるからな。ただおかげでめちゃくちゃ遊びやすくなったのは事実。あと、な〜んで出撃出来へんねん協調性!!!!!! って思ってた部分もなくなったので、なんか仲間達のワガママ感が減ったように思います。愛着は沸いたけどギス感は減って寂しいね。

ギス感とえば、夜行動とリンクエピソードの追加も良かったね。特に男性陣との交流が薄くて、わりとテンプレ性格の表面しか実感しなかった印象があって何考えてるのかよく分からんみたいな気はしてたんだよな。特に順平とかは以前ほど突っかかってくる印象も無くなって、P5の竜司くらいには肩入れしたい良い奴になってた。反面ゆかりっちの塩対応が塩のままなので、ゆかりっちの当たりがキツく見えた気はした。

新規追加要素。
タルタロスの追加要素は総じてよく出来てるなと感じた。自分はああいう地道にポチポチやるのは苦にならないので、タルタロス登るのはそんなに苦行だとは思ってないです。

薄明の欠片。
大時計。
モナドの扉、モナド通路。
暗闇の階。
巨大レアシャドウ。
シャドウの状態異常。
大アルカナとアルカナバースト。
この辺か? 後続作でやってたことを上手く逆輸入&アップデートしたなという感じですかね。
長くなるので気が向いたらちゃんとまとめよう。

気になったところ。
アニメ、イベント、ムービーのクオリティ。
アニメはちょっと……厳しかった……と言ってもP5のアニメが抜群に良かった印象もないのでこんなものかなあという気はする。あと最近の地上波アニメとか劇場版アニメってクオリティヤバイじゃん……それと比較するといまひとつという感じがした。3Dシーンが綺麗になった分目立つというのもあったかもしれない。リファンタジオのアニメもPVで見たけどそっちが抜群に良かったという印象もなかったし、こんなもんか……という感じだった。副島さんのイラストが独特でアニメで描くのが難しいかったりするのだろうか。とくに人物は特定のカットで微妙だなと思うことがあった。
イベント、これもP5のほうが品質高い印象。しかしどこと具体的に言えないので、本当に印象論でしかないかもしれない。相変わらずモーションや小物が潤沢なのは凄い。イベントとは外れるが、寮のラウンジでくつろいだりご飯食べたり勉強したりするときにいちいち小物が用意してあって凄い。真田先輩とかちゃんと左利きだし、文房具は当然それぞれで違うし、なんならノートや教科書の広げ方も違う。あと順平のラーメンが口に吸い込まれてて凄かった。凄いな。
ムービー、これ全部UEで作っているのか? それともアイギスの海と最後の屋上だけ? ライティングの感じか妙に品質低く見える瞬間があったような気がする。セルルックの見た目とうまくマッチしてないというか、具体的には目と口パクがちょっと厳しいなと感じることがあった。のっぺりしてる?
ストーリーは無印とフェスをなぞっているから仕方ないのだろうが、たまに展開がブツ切りで飛ぶのが気になった。P3Pではほぼ立ち絵だけのやり取りで気にならなかったのかもしれない。例えば幾月が正体を現してアイギスを使って主人公たちを襲うシーン。あのシーンいきなり暗転したなという感じがした。せめて戦闘のカットがほしいと思った。冒頭でゆかりがショートソードを渡してくるところとかもそうなんだが、等身が上がってリアリティラインが上がっちゃったことで細かいところが気になるようになったと思う。コミュも基本は同じ流れだが、まあ……ところどころ無理あるよなとか……。

あとはこれは作品が悪いわけでなく、自分の価値観のアップデートでキツいと思ってしまったところがあった。Y子が明らかに生徒の自分と恋愛的にお近付きになりたいムーブをしてるとか(挨拶回りでちゃんとフォローは入るけどその場ではキツい)、順平がかなり直接的な言動でセクハラを仕掛けてくるとか。女湯覗きとかはもう別にいいんですけど、なんか着物の履いてない発言とかが普通にキモいなと思った。他にもちょこちょこあったけど。なんでだろうな。生々しいのと、誤った知識や固定概念を前提にそういう目を向けてることがキモいのかもしれない。妄想乙みたいな。年頃のスケベ心みたいなのは可愛いもんなんですけどね、彼女ほしいとかデートしてえとか。
強調したいのは、これは作品が悪いとかいうわけではなく(そもそも古い作品だし)、ただ単に自分の中でアップデートを感じて悲しいやら寂しいやらと思っただけです。

相変わらずベルベットルームでメニューを開かせてくれないのはなんでなんだ。
あと作ったペルソナのスキルをその場で並べ替えさせてくれないのは何でなんだ。
占いは効果あるんだかないんだか分からなかったんだけど、「効果がありそうだ」アナウンスが門番や境界の階で出ると損した気分になるのでやめてほしいなとは思った。
基本不具合がなくて凄い。でもこういう細かいところのケアを見逃した感じはあった。重篤ではないので、取捨選択して見送ったんだろうなという感じはするが。

一旦ここまで。

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