二年前の日記 10/24

2017/10/24

 22日、衆議院議員選挙の投票が行われたが、同時に最高裁裁判官国民審査の投票もあった。結果、対象となった7人全員が信任された。

 まあそりゃそうだろう。不信任の決断を下そうとするなら、誰が何をやったのか、それが自分にとってどんな意味を持つのかを予め調査しておかなければならない。だが正直、そんな面倒臭いことを誰がするだろうか。本当に信任するかしないかを国民に決めて欲しいのなら、その評価基準となる情報を国が明らかにすべきであり、それを投票所に掲示すべきである。そうでなければ、こんな形だけの信任投票など意味がない。

 最高裁裁判官の国民審査は昭和24年から始まり、過去23回行われたそうだが、裁判官の罷免が行われる過半数の不信任票を得た裁判官は一人もいないという。

 当たり前だ。余程とんでもない悪事を働いて、マスコミに大々的にバッシングでも受けない限り、今の制度で最高裁裁判官が罷免されることなど到底あり得ない。アホほど低いハードルである。時間の無駄と言い切って良い。こういったことに気を配れる政治家がいれば良いのだけれど。いないだろうなあ。


 今月4日にアフリカ北西部の国ニジェールにおいて、展開していたアメリカ軍とナイジェリア軍の合同パトロール部隊が襲撃を受け、アメリカ兵3人が死亡、2人が負傷するという事件があった。ニジェールでは主にフランスが中心となってイスラム過激派組織の掃討のため軍を展開しているが、アメリカ軍は情報提供や偵察任務を行い、フランス軍を支援してきたという。

 さて、その死亡したアメリカ軍兵士の家族の元にトランプ大統領が弔意の電話をかけたのだが、その際に無礼な言葉遣いが大統領からあったと、アメリカではいま騒ぎになっているらしい。

「彼は自分が何に志願したのかはきっと承知していたと思うが、それでも心が痛むものだ」

 死亡した兵士の妻に対し、トランプ大統領は電話でこう言ったのだそうだ。確かに、遺族としては感情を逆なでされる発言かも知れない。危険な任務だとわかっていながら自ら志願したのだから、こちらに落ち度はないよ、と言っているようなものなのだから。おまけに大統領は死亡した兵士の名前をなかなか思い出せなかったという。

 うん、これはいかん。いかんとは思う。ただトランプ大統領を擁護する訳ではないが、相手はお爺ちゃんである。彼自身の問題もあるだろうが、まず周囲がきちんとサポートをするべきだったのではないか。誰かに直接電話をかける場合には、その相手の名前をデカデカと書いた紙を大統領の目の前に置いておくくらいのことはしても良かった。それを嫌がるというのならば仕方ないが――年寄りはプライドが高いものだ――何もせずにただ大統領のやりたい放題に任せているのだとすれば、それは一人の責任ではあるまい。

 年寄りの世話は大変なものだ。それはわかる。しかし周りの人間もそれなりの金は貰っているのだろう。年寄り一人の世話くらい、何とかするべきである。何せ世界を揺るがす年寄りである。その世話の如何によって歴史が変わるかも知れない。万全の体制で臨んでいただきたい。


※ 困ったお爺ちゃんのおかげで中東におけるアメリカの影響力はどんどん低下しています。おそらく中東だけではないでしょう。トランプ政権に2期目があれば、世界の中でアメリカは、デカくて面倒臭いだけの厄介者になって行くのかも知れません。でもだからといって、それに代わる国がないのですよねえ。まさか中国やロシアと安保条約を結ぶ訳にも行きませんし。

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