二年前の日記 7/18

2017/07/18

 自由党(何度目の自由党だっけ)の小沢代表は17日東京都内で講演し、自らがかねてより主張する「オリーブの木構想」を持ち出した。オリーブの木構想とは要するに野党勢力が結集し、あたかも一つの政党の如くに動き、選挙戦を戦うという訳だ。この人は何もわかっていないのだろうか。いや、どうだろう。

 小沢氏は講演の中で先般の東京都議選を取り上げ、「国民が『自民党に代わる受け皿になりうる』と思ったとたん、自民党をはるかに凌駕する支持票が集まることが立証された」と話したという。そこまでわかっていながら、肝心なところが抜けている。ついうっかり勘違いをしているというのならまあ仕方ないが、どうもそうは思えないのだ。わかってやっているのではないかと自分は疑っている。

 何をわかってやっているのかと言えば、国民は既存の野党勢力には何も期待していないということだ。都民ファーストの会は目新しかった。有権者には新鮮だった。だからこれまで自民党に入れていた票の新たな受け皿として期待されたのだ。だが果たして既存政党の寄り合い所帯である「オリーブの木」に、いったい誰が期待してくれるだろう。

 結論から言えば、期待などされる理由が見つからない。国民の政治不信は与党にのみ向けられているものではない。何もしない何も出来ない役立たずの野党にも向けられている。それが寄り集まって、頭数を揃えました、と言われても、だから何だとなるのは当たり前ではないか。

 事ほど左様に、オリーブの木構想とは大変にマヌケな考え方である。だが腹立たしいのは、小沢氏はその事を、つまりオリーブの木構想など通用する訳がないことを知っていて主張しているのではないかという疑念が消えないことである。

 小沢氏はかつて日本新党を中心とした連立政権や民主党政権の際に日本の政治の中心にいた人物である。そういう意味では政治家としての実力は折り紙付きだ。しかしだからといって、主張することが全て正しい訳ではない。

 小沢氏には政権の中心にいたときも、あるいは党を作り、その党を割ってまた別の党を作ったときも、たいてい金に関する疑惑がまとわりつく。このオリーブの木構想は随分前から主張し続けていることではあるが、実現すると小沢氏にとって金のなる木になるのではないかと思わずにはいられない。

 小沢氏はオリーブの木さえできれば、次の衆院選で圧勝できると息巻いているが、絶対にそうはならない。次の衆院選は都民ファーストの勢いが続くかどうか、それ次第である。勢いが続けば、それ以外の野党がオリーブの木を作ろうが何をしようが、大半の国民は己の視野にすら入れないだろう。だがそれでもいいのだ、きっと。小沢氏的にはオリーブの木ができた時点で成功なのではないか。

 金儲けの上手い人は羨ましい。自分は彼の爪の垢でも煎じて飲むべきなのかも知れないと思うところ。


 神奈川県横浜市の高速道路でバイクに乗っていた男性が、落とし物をした。何を落としたのか知らないが、男性はそれを拾おうとしてバイクを降り、車線を横断したところ、後続の乗用車にはねられ死亡した。

 亡くなった男性は可哀想ではあるが、はねた乗用車の運転手はもっと可哀想な気がする。だいたい高速道路で人が歩いて車線を横切るなど、運転手は想定していない。高速道路とはただ単にスピードが出る道路というだけではなく、自動車専用道路なのだから。高速に乗った時点で歩行者の存在など脳裏から消されてしまう。後は高速を降りるまで、他の車の動きだけに集中して運転できる場所なのだ、本来は。そんな所でテクテク徒歩で歩くことの危険性など、普通に考えればわかると思うのだが。

 男性はバイクに10歳の息子を乗せていたという。息子の心にも大きな傷を作ってしまったことだろう。せめて息子の見ている前でくらい、大人として恥ずかしくない行動を取ってもらいたかったと思うところである。


 新潟県新潟市の市営住宅に暮らす40代の男性が体調不良を訴え、救急車を呼んだ。入院が必要だと判断した救急隊員が、男性と同居しているはずの父親について尋ねると、男性はこう言ったという。「数年前に自宅で死んだ。どうしていいか分からず、押し入れに入れた」。その言葉通り、押し入れの中からは白骨化した遺体が見つかったのだそうな。

 なるべく他人に迷惑をかけない死に方をしたいと思っている方は多かろう。中には自殺が選択肢に入っている人もいるかも知れない。しかし、どう転んでも人が死ぬというのは多くの人に迷惑をかけるものである。その中で比較的一番迷惑がかからないのが、病院で死ぬという死に方だ。

 確かに入院するには金がかかる。遺された家族への負担を考えると、気が進まないという人もいるのは理解できる。しかし病院で死んだならば死亡診断書は自動的に出て来るし、そもそも不審死を疑われることがない。死んだ後何をどうすれば良いのか、相談もできる。遺体を押し入れに隠す必要もない。ある意味至れり尽くせりである。何より警察の厄介になる可能性がないことは一番気楽ではないか。病気で苦しむのは誰でも嫌だが、それでも死ぬその瞬間は、病院で迎えるのが後々一番簡単である。簡単は正義なのだ。

※ 2年前は衆議院選挙が目前に迫っていました。このときのオリーブの木構想と、今回の参議院選挙に出ている「オリーブの木」とは別物です。たぶん。一生懸命追いかけてないので、流れやらつながりやら、もうややこしくてわかりません。投票日前なのでアレコレ言うのはやめておきますが、よっぽど思い切った事をしないと、野党が地殻変動を起こすのは、かなり難しいと思います。

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