二年前の日記 4/21

2017/04/21

 またである。またパリでテロだ。今回のテロリストは銃を使い、警官を狙った。1人が死亡、2人が負傷している。そしてISが犯行声明を出した。この素早い反応はさすがにこじつけではあるまい。ISからの指示で起こした犯行の可能性が高い。

 今回の犯人は、警察官殺害を企てている可能性があるとして、テロ捜査の対象となっていたという。ならば何故早い段階で家宅捜索なり身柄の拘束なりできなかったのだろうか。そうすれば警官の命は奪われずに済んだかもしれないのに。

 事件を未然に防げなかった政府には批判が向くだろう。そしてそれは、明後日23日に第1回目の投票があるフランス大統領選挙に影響を与える。おそらく反移民・反EUを掲げる国民戦線のマリーヌ・ルペン候補に追い風となる。それがISの狙いなのではないか。

 現段階においてルペン氏は第1回投票では勝ち抜くと予想されているが、同時に決選投票では敗れるというのが大方の見方である。しかし、もしルペン氏が決選投票をも勝ち抜けば、すなわち彼女がフランス大統領となれば、フランスは移民を追い出そうとするかもしれない。そうなれば、フランス政府に怒りを向ける移民も増えよう。それはISに参加する移民が増えると言うことである。

 さらに、ルペン氏率いるフランスは、EUから離脱するだろう。イギリスが離脱しただけではEUは崩壊しなかった。だがドイツと並び中心的な国家であるフランスが抜けるとなると、その影響は計り知れない。おそらくEUはガタガタになり、いずれ空中分解するのではないか。ISはただただ自爆テロを起こすだけのテロ組織ではない。深謀遠慮で欧米社会の崩壊を狙うこともするのだ。なんとも面倒臭い連中である。

 ともかく今回のフランス大統領選挙は、EUの、いやさらに言うなら日本を含めた西側諸国全体の未来を占う選挙である。どんな結果になるのか注目したい。

 そして今回のテロで亡くなられた警察官のご家族にはお悔やみを申し上げる。怪我をされた2人の警察官の一日も早い回復を祈る。


 昨日午後、福岡市の駐車場で、銀行から引き出されたばかりの現金3億8000万円が奪われた。思わずうらやましいと考えてしまった自分は、きっと犯罪者予備軍なのであろう。

 しかしイロイロと不思議な事件である。まず、この3億8000万円は仕事のための金らしいが、いまどき3億8000万円の現金が必要になる仕事とはどんな仕事であろう。ビルでも買うのか。虫けらは以前実家の土地建物を売ったとき、100万円の札束というやつを初めて拝んだ。不動産の売買では今も現金が手渡しされるものらしい。だがそれも、普通は銀行内で受け渡しするものである。この金額を銀行から引き出してスーツケースに入れて運ぶなどというのは、セキュリティ的な観点から見てさすがにどうかと思う。なぜ口座間の移動では駄目だったのか(続報によれば、この現金は金塊の買い付けのために用意されたらしい。だがそれにしても何故現金なのかはよくわからない)。

 次に、犯人グループはこの現金の引き出しが今日この銀行で行われると、どこで知ったのだろう。まさか関係者がTwitterでバラしていた、などということは考えにくい。普通に考えて内部犯行だと思うのだが、何故こんな真っ先に内部犯行が疑われるような盗みを、白昼堂々行ったのだろうか。

 防犯カメラの映像には、走り去る車のナンバープレートも映っていた。ここから車の持ち主を特定して、その人物あるいはその知り合いの中に、現金を奪われた被害者と同じ会社か、現金を受け取るはずだった会社もしくは個人の関係者がいればビンゴである。警察ならばあっという間に見つけるだろう。まさか一日で3億8000万円を使い切る訳にも行かないだろうから、奪われた現金のほとんどは回収される。いわゆる骨折り損の草臥れ儲けとなるのはわかりきっているのだ。そのくらい少し考えを巡らせればわかると思うのだが、何故犯人たちはそれを実行に移したのか。

 たとえばヤミ金に借金があって、それさえ返済できればあとはどうでも良かったとか、それとも誰にもバレない隠し場所を知っていて、仮に逮捕されても金を隠しおおせる絶対的な自信があるとか、そんな理由がないと割に合わない犯行ではないだろうか。

 奪われた金額は確かに高額である。だが計画性はあまり感じない。かつての3億円事件のように迷宮入りとは行くまい。さて、どんな犯人が捕まるのだろうか。


 自分は基本外食をしない。してもせいぜい回転寿司である。ファミレスになど行かないし、ラーメン屋にもまず行かない。若い頃は仕事場の仲間と一緒に仕事帰りにラーメンを食べに行ったこともあるが、それはあくまで付き合いであって、プライベートでラーメン屋に行ったことなど、人生で数回しかない。て言うかラーメンなどインスタントで充分ではないか。そんな風に思ってしまう自分には、そもそもラーメン屋は高級すぎるのであろう。

 大阪市内に『熊五郎』というラーメン屋があるらしい。その熊五郎が、従業員に違法な長時間残業をさせたとして、労働基準監督署に書類送検されたのだそうな。まあそれ自体は許されるべきではないが、ありがちな話である。店側も容疑を認めているらしいし、少なくとも電通のような大きな社会的問題にはならないだろう。ただ、自分が少し引っかかったのは、店側の姿勢である。店は容疑を認める際、このように述べたという。

「飲食業界での長時間労働は仕方がない」

 確かに、飲食は儲からない仕事である。客単価も低い。ラーメン屋など特にそうなのかもしれない。シフトを組んで短時間のバイトやパートを何人も雇うより、人数を控えめにして長時間働いてもらった方が人件費も浮くのだろうし、それそのものは経営者のやりくりの範囲内と言えるのだろう。

 ただ、それならばちゃんと労使協定を結ぶべきだった。それをせずに、ただただ従業員に長時間残業を強制しておいて、仕方ないもへったくれもあるか。経営に改善すべき点があるのなら、改善するのが経営者の仕事である。それなのに、いわば仕事を放棄しておいて、業界の問題にすり替えようとするなど言語道断。恥を知れと言いたい。従業員は奴隷ではない。だいたい自分たちを奴隷が使えるほどご立派な身分だと思っているのか。従業員に毛の生えた程度の経営者が、少しは身の程というものを知った方が良い。

 ……などと自分の如き者が叫んだところで、きっと誰の胸にも刺さりはしない。うん、それはわかっている。刺さらないことを前提で叫んでいるのだ。自分は誰よりも身の程を知っているので。

※ フランスのテロは結局大統領選挙には大きな影響を与えず、「コレラとペストのマシな方」を選んだ結果、マクロン氏が大統領となりました。そのマクロン氏はいま、黄色いベスト運動で青息吐息です。
 現金強奪事件は、結局内部犯行ではなかったんですよね。2017年の11月に犯行グループは捕まっているはずです。主犯格には懲役13年の判決が出ています。ちょっと夢を見すぎたのかも知れませんね。

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